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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#282)。

 立花孝志が、また新たなビジネスを模索している。
 6月20日に行われる船橋市議補選(欠員1)は、なんと、11人が立候補する大激戦となっているのだが、このうちの5人が立花孝志が掲げる「諸派党構想」に参加している、いわば「選挙をオモチャにしている人たち」である。

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 選挙ポスターはご覧の通り、それぞれの「政党名」しか書いておらず、一体、誰が立候補しているのか、名前も顔も分からない。おそらく多くの人は投票所に行って初めて候補者の名前を目にすることだろう。
 しかし、どんなに面白かろうと、コイツらに投票してはいけない。
 言うまでもないが、選挙ポスターに「おもしろ政党」の名前をつけて喜んでいるバカが、たった1つしかない当選の椅子に座れるはずがない。候補者の中には、未成年の子供たちが家族の介護をしなければならない「ヤングケアラー」という問題があって、まだまだ知られていない問題だけれど、政治というアプローチから環境の改善に取り組みたいと考えているような候補もいる。真面目に政治家になろうという人を差し置いて、「コロナはただの風邪」と言いながらノーマスクでイベントに参加したあげく、肺炎をこじらせて入院するような迷惑YouTuberの立花孝志に感銘を受け、「ハゲ党」なるものを作って喜んでいる「ハゲを通り越したバカ」が間違って議席を取ることがあってはならないのだ。
 しかし、当選する可能性がまったくないのに、あえて立候補をする。
 これが、バカの間では「常識破りの天才的発想」だと考えられているようで、脳味噌をアハつかせる一番の原因になっているのだが、どうして当選の可能性がないのに立候補するのか。立花孝志いわく、「どの政党の人気が高いのかを調査するため」だという。
 だが、人気の調査だったら、わざわざ立候補しなくても、アンケートを取れば分かる話である。では、どうしてわざわざ船橋市議補選に大量の候補者を擁立するのか。実は、これこそまさに立花孝志が考えついた「新たなビジネス」だからである。


■ 船橋市議補選に候補者を大量擁立する本当の理由

 今回、「諸派党構想」と称し、立花孝志が船橋市議補選に大量の候補者を擁立する「本当の理由」は、どこかで市議補選が行われるたびに、今回のように大量の候補者を擁立できないかと模索しているからである。それはなぜか。市議補選に候補者を大量に擁立できれば、お金が儲かる可能性があるからである。
 例えば、2019年に行われた船橋市議選では、定数50に対し、60人が立候補する大激戦となり、当落ラインはちょうど2000票だった。こうした激しい選挙で当選を狙おうとすれば、当然、候補者をなるべく絞り、票の分散を避ける必要がある。つまり、大量に候補者を擁立するという動きにはなりにくい。ちなみに、供託金没収ラインは、有効投票数を定数50で割った数の10分の1。つまり、有効投票数を500で割った数ということになる。有効投票数は17万3899票だったので、供託金没収ラインは347票ということになる。通常の船橋市議選の場合、60人いる中から選ぶことにあるので、票は当然分散する。しかし、市議補選の場合は11人の中から選ぶため、どんなクソ候補だとしても、さすがに347票以上という目標だったらクリアできそうである。どうせ最初から投票するつもりがないのだから、適当に政党名を書いたポスターを貼り、あとは目立った活動もせずに寝ているだけで、公費負担でチャリンチャリン儲かるかもしれない。
 これも立花孝志が公言していることだが、N国党には「ネット選挙株式会社」という自前のポスター製作会社がある。きょうび、小ロット印刷の世界は価格競争が激しく、裏側をシールにしても1枚60円前後(もっと安く仕上げる方法はいくらでもある)でポスターが作れる。印刷代を安く抑えて税金の無駄をなくしていることをアピールするため、公明党が一色刷りのポスターを採用することもあるが、「ポスターは税金でできている」ということを考えられる候補者は、少しでも安く作れるように努力をしている。ところが、立花孝志のように「税金でいくら儲けられるか」を考えている人間たちは、ポスター製作費の利鞘でお金を儲けようと考える。
 今回の船橋市議補選を例にとって、具体的に説明しよう。
 船橋市内には全部で654ヶ所のポスター掲示板がある。供託金没収ラインを超えた場合には、これらのポスター代は「公費負担」となるが、支払われるポスター代の上限は1枚あたり883円となっている。

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 見ていただければわかるが、このポスターは裏がシールになっているわけでもないコピー用紙同然の紙なので、こんなものはコンビニでコピーをしても原価は10円である。印刷業者に頼めば1枚あたり5円以下を実現することもできそうだが、最大値である10円として計算しよう。
 本当は10円でできるポスター代を「ネット選挙株式会社」は、公費負担の上限である883円で請け負ったと申告する。すると、1枚あたり873円の利鞘を抜くことができる。全部で654ヶ所のポスターを貼るのだから57万0942円の利益。これが5人ということになれば、285万4710円の利益が出るという話になる。
 それもこれも供託金を没収されないことが条件なので、本選ではなく、あえての「補欠選挙」に立候補することが、より利益を確保する上で重要となる。つまり、これは補欠選挙のたびに自前の選挙ポスター印刷会社を使うことで利益を出せるかどうかの実験なのである。
 つまり、船橋市民の皆様におかれては、「どうせ当選しないけど、ネタで1票入れた」なんていうことをしてしまうと、船橋市民の税金が無駄に還元されて、「NHKから国民を守る党」の関係者たちの利益になり、今度は別の自治体の補欠選挙に候補者を立てることだろう。こんなクソみたいな行為は、船橋市で止めなければならないのである。


■ 魚沼市議選で連敗記録が止まる可能性

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 船橋市議補選と同日の6月20日、新潟県の魚沼市議選が行われ、こちらには「NHKから国民を守る党」の現職・大桃聰が立候補する。実は、魚沼市議選は定数18に対して20人しか立候補しておらず、落選する人がたったの2人しかいないという、非常にぬるい選挙になってしまった。
 これまで「選挙のプロ」を自称しながら、昨年4月の志木市議選で無投票当選を果たして以来、先日の千歳市議選で「32連敗」を記録している「NHKから国民を守る党」であるが、ここで連敗記録が止まってしまう可能性は否定できない。
 新潟に住んでいるだけあって、N国党の選挙の手伝いなどには参加していないことからマイナーな存在になっている大桃聰だが、魚沼市では共産党の議員を名誉毀損で訴える裁判を起こすなどのパフォーマンスで、一部のネトウヨから支持を得ており、当選は固いのではないかという見方もある。議会で発言をすることが仕事であるにもかかわらず、わざわざ裁判を起こして喜んでいるのだから、メンタルは立花孝志とまったく同じ、反社会的カルト集団である。こんな奴が当選してしまうと、また税金が無駄に使われてしまう可能性がある。
 NHKから国民を守る党は、つい最近まで「コロナはただの風邪」と主張し、ノーマスクでイベントをやったあげく、立花孝志が新型コロナウイルスに感染して入院し、貴重な病院のベッドを埋める「反知性派カルト集団」である。こんな集団に喜んで自分から参加しているバカが議員になってどんな仕事ができるんだという話なので、魚沼市民の皆様におかれては、くれぐれも慎重に投票先を選んでいただきたい。


■ NHKに330万円の支払いを命じられた

 既に報道されている話であるが、NHKから国民を守る党、立花孝志、大橋昌信、N国党に協力した一般人の4者を被告とし、NHKが訴えていた裁判で、東京地裁は4者に対し、NHKに330万円の支払いを命じる判決を下した。
 判決によると、4者は2019年にNHK集金人を呼び出し、「おびき寄せ作戦」と題して、執拗にカメラを回し、NHKの集金人の個人情報をネットで流出させるなどして、NHKの業務を妨害したことが認められ、330万円を支払うように命じられている。
 これは「NHKから国民を守る党」の存在意義そのものを揺るがしかねない判決だ。というのも、NHKの集金人に動画を使ってさまざまな嫌がらせをする手法は、同党のメインコンテンツであり、これをやっているから人気が出たと言っても過言ではない。それらがすべて300万円級の賠償命令を下される不法行為だったことが証明されてしまったわけで、この判決が下されてなお、同じような行動を繰り返せば、悪質さが際立ち、より巨額の請求をされるようになってしまう可能性がある。
 要するに、この判決によって、立花孝志や大橋昌信がこれまで作ってきたコンテンツが「反社会的な行為」であることが正式に認められたので、これからN国党の関係者が集金人をイジメて喜ぶ動画は作れなくなったも同然である。もし作ったとしても300万円級の損害賠償を支払わなければならないので、ちっとも割に合わない。
 立花孝志が「諸派党構想」などと言い出し、政党名から「NHK」を外したのは、もうNHK問題をやっても裁判を仕掛けられるだけで、まったくおいしくなくなってしまったからだろう。


■ オカルト野郎がまだまだ暴れている

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 立花孝志が新型コロナウイルスに罹って入院し、日々、イメージアップのために医療従事者に感謝の気持ちをツイートしている中、「諸派党構想」に参加した「つばさの党」の黒川敦彦代表は、オカルト全開の動画をアップして、全国の情弱から支持を集めようと頑張っている。
 先日の動画では、左派の友人たちから「靖国神社に行くなんて、とんでもない」と言われ、「マジうざい」と思って交流がなくなったという話をしていたのだが、なぜ黒川敦彦は靖国神社に行くのか。それは、黒川敦彦には霊感があって、昔から靖国神社にいる英霊たちが好きだからだという。とうとう陰謀論からオカルト方面にまでウイングを広げている。
 おそらく黒川敦彦の頭の中では、靖国神社にはたくさんの兵隊の霊たちがいて、兵隊の霊と酒を飲み交わすぐらいのことが行われているのだろう。兵隊の霊から「ガナルカナルでの戦いは大変だったよ」みたいな話を聞かされて、「やっぱり靖国は最高だな!」みたいなことになっているのだと思う。

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 あと、「友達の友達」みたいなことで、どこの科学者なのかが分からないのだが、黒川敦彦がやり取りしている科学者は「コロナに3回かかった」と自慢しているらしい。アビガンやイベルメクチンがめちゃくちゃ効くのでコロナは怖くないと言っているそうだが、アビガンについては、日本でも過去に投薬されたことがあり、残念ながら、劇的な効果を上げるというデータは得られなかった。あの時に劇的な効果を上げられていれば、アビガンが世界を救った可能性があるが、いまやアビガンを投与するという選択肢はほとんどなくなっている。
 今回のNHKの判決を見ても分かるように、立花孝志や大橋昌信はろくな人間ではないが、そこに集まっている黒川敦彦もまた、とんでもないクソ野郎だということがわかっている。とっとと政治の世界から足を洗って、迷惑系YouTuberとして、頑張っていただきたいものである。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 これだけニュースになり、これだけ「トンデモカルト集団」であることが世に知られていながら、それでもなお「NHKから国民を守る党」に投票してしまう人が一定数いる。こういう人たちのせいで、どんどん税金が無駄に使われるようになる。
 例えば、大桃聰は「選挙カーを使わないことで公費を削減する」と言っているが、その選挙ポスターは、公費負担(税金で支払われる)の限度額を申請し、不正に利鞘を抜くシステムになっており、むしろ公費が多く使われている。こうした表面的なパフォーマンスに騙されることなく、しっかりと主張を掲げている候補、しっかり町のために働こうとしている候補に投票することが大切で、これこそが町を良くするための第一歩である。
 今、皆さんの生活がそこほど豊かでないとすれば、それは私たちが税金の使い方のおかしい議員に投票しているからである。コロナ禍で苦しくなった時に税金を還元できない。別のものに使ってしまうマヌケに投票していることが、今の日本を生み出しているのである。

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選挙ウォッチャーとして日本中の選挙を追いかけ、取材しています。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどを公開中です。立候補する方、当選させたい議員がいる方は、すべてのレポートが必見です。
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