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「外国語は母語を超えて上達できない」は本当か?

2023年がはじまりましたね!
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年ひとつめの投稿は、こちらについて。

よく「第二言語は母語を超えては上達できないのだから、母語である日本語をしっかりやりなさい」という意見を見聞きします。

これついて、私は少し違った意見を持っています。
まあ、こういうことは、実際そうであった人もいれば違う人もいて個人の実際の姿があるわけで、、どちら側のものでも意見というものはあまり意味がないと思うのですが😅
でも、「絶対に無理です!だからこうするべき!」のような言葉を見ると、「そうかなあ?」「決めつけなくてもいいんじゃないかなあ、、、」と思ったりしてしまいます。

娘は日本語が母語、英語が第二言語ですが、かなりの領域において、英語の方が得意で知識も多いです。

この時点で、先の言葉についてはおかしくない?となるのですが、どうしてそうなるのか、考えてみました。それによって、人はどんなふうに外国語を学んでいくのか、脳の中を想像することができるのではないかと思うのです。
(この分野はまだ解明されていませんから、未知の領域です。7ヶ国語くらいを操れるポリグロットがいる一方、ひとつの外国語も習得しない人もいますから、どんなふうに人が頭の中に他言語を置いているのか、興味深いですよね)



おそらく、「外国語は母語を超えることはできない」と主張される方は、「外国語での知識は、すべて母語から翻訳して学ぶ」と考えていらっしゃるのかもしれません。たしかに、その場合には、外国語は母語を超えることはできません。

でも、実際には、「外国語での知識は、すでに持っている母語の知識から翻訳して学ぶのみではなく新しい概念を含めて、その言語で獲得するものもある」と思うのです。


海外駐在になる子どもに対して、わりと多くの人が「母語が大事。母語がしっかりしていないとセミリンガルになってしまうからね」というようなことを伝えているようです。
母語は大切です。間違いなく。

でも、(ここでは詳細は割愛しますが)世界ではセミリンガルというものは存在しないとすでに証明されていますし、そのようになってしまった例は、たとえば中米からアメリカに移住してきて、どちらの言語でもきちんと教育を受けられなかったなどの全く異なる背景が存在するようです。


かなり難しいことですが、あたまの中の言語のストックをイメージ化してみました。

母語と外国語は、薄い横に広がる積み木ののようなものでできていて、中央に大きな「基本文法と会話力」ブロックがあり、そのまわりに無数の大小の「知識」ブロックがあるとします。

例えば、14歳の子どものあたまの中の言語ブロックを覗くとして、、この子は、4年ほど前に10歳で日本からアメリカに駐在で引越して来たとします。

この子の日本語は、このようになっていると想定します。

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その他たくさんの知識が広がっている


そしてこの子の英語は、こうかもしれません。

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中央の「基礎文法&会話力」は日本語に比べてまだまだ小さい
でも知識ブロックについては日本語を超えた大きさのものも多い


渡米して4年、個人差はあるでしょうけれど、たとえばこの子は、まだ基礎文法と会話力は、日本語の方が強いと想定します。

アメリカの5年生〜7年生くらいを現地校で過ごしたとしたら、授業で習う単元のほとんどは、日本語での予備知識がない状態で、「英語で」学んだものです。ですから、日本語のブロックがあったかどうかに限らず、その内容についての英語の知識ブロックは作られます。

日本語にはあるけど英語では存在していないブロックももあるし、日本語と英語それぞれ同レベル同サイズの内容もあり、さらには、英語だけで持っていたり、両方あるけど英語の方がずっと大きいブロックになった知識もあります。

具体的にあげると、この子は理科の授業で習ったCell Theory(細胞説)の知識をもっているけれども日本語では説明できませんし、Biodiversity(種の多様性)について授業でたくさん扱ったので知識は持っていますが、日本語でPollinators(花粉を運ぶ昆虫)について、虫の名前なども含めて話せないかもしれないのです。

日本語での作文はなんとなく原稿用紙を埋めることしか知らないけれど、英語のWritingに関しては、Structure(構成)やStatement(主張)、Hook(ひっかけ)やReasoning(理由づけ)やSimilie(隠喩)やMetaphor(直喩)を使って表現することまで、できるようになっているのです。


ですから、日本語で英語を学ぶことをやめさえすれば後から学ぶ英語が日本語を超えることは十分に可能だと思うのです。


実際に、我が家においては、娘だけでなく、全体的な言語力は日本語の方が強いと思われる息子も、知識量については英語の方が多いのは間違いありません。

英語でぐんぐん学んでいくと日本語が心配だ、、と感じる方は、英語と日本語は別の積み木ブロックなのだと切り離した上で、日本語のブロックをしっかり広げていくように、本を読んだり漢字を練習したりすれば良いのだと思います。
日本語の積み木ブロックを広げていく努力は必要ですね☺︎

でも、時間は有限ですから、いまはどちらかに注力している、どちらかのブロックばかり広がって大きくなっている・・・という状態になっても、大丈夫だと思います。

これまで、トリリンガルに育ったお子さん方の話をいくつも聞いてきましたが、あるいっときはどれかの言語が強くなりどれかはとても弱くなる、、その後、環境ややり方を変えて、弱い方に注力してそちらを伸ばして、、、その繰り返しで、3言語をすべてネイティブレベルにした、とみなさんおっしゃっていました。

日本語と英語のバイリンガルくらいだったら、そんなに心配しなくても、順番に、あるいは同時にそれぞれを伸ばしてあげる意識があれば、どちらも伸びていくのではないかなと思います。
学校言語が強くなるのは間違いないので、学校言語に選んだ言語ではない方を、家庭や地域で触れられるように整えてあげることが大切だと私は思っています。


この薄くて横に延々に広がっていく積み木ブロック。
どうあたまの中に収納されているかというと、縦にして、それぞれの言語の中央部分「基礎文法・会話力」部分を重ねて隣り合って立てて置かれていると想像してみてください。

まわりに広がる知識エリアは、理科的、社会学的、言語的、など方向は同じように広がっていくので、すでに母語あるいは外国語で得た知識部分は、翻訳すればそちらの言語のブロックにもパッと写して加えることができるのです!(私のイメージ、、おわかりになりますでしょうか💦)

だから、例えば先の例の14歳の駐在でアメリカに住むお子さんも、Cell TheoryやWritingについての知識を日本語の方に翻訳してスッと写すだけで、日本語のその領域も増やすことができます!

どちらかに注力して片方だけ大きく強くなっても、それは無駄ではありませんよ、ということです😁


私のイメージ、うまく伝えられた自信はありませんが、、Canvaでなんとか図にしてみました・・・。

言語や脳っておもしろいですよね!
みさなまのご意見も聞かせてもらえると嬉しいです。


   ******

この言語ブロックですが、実はさらに細かくイメージできていて、このブロックの中では、コビトさんが走り回っているのです!その辺りの説明はこちらに書いているので、関心を持ってくださった方はぜひ続きも読んでくれたら嬉しいです!


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コメント

10
itchy_hasshy
itchy_hasshy

こんにちは。
「上達する」の定義もいろいろあるでしょうが、単語や知識領域という意味で、おっしゃるとおりだと思います。
私が興味を持っているのは、「どの言語で考えているか」ということです。
お書きになったように、英語でしか知らない領域については英語で考えるのでしょうし、英語で会話しているときは英語で考えるのでしょう。
気になるのは、ぼーっとしているときに、どの言語で考えているか。そもそも言語を使って考えているのかということです。
こちらについてもお考えをお聞かせいただければうれしいです。

itchy_hasshyさん、
はじめまして、コメントありがとうございます。
どの言語で考えているか、なるほど面白いですよね。この辺りを説明するアイデアがあるのですが、言語化できればよいのですが図式化ができた方が伝わりやすいと思いつつ苦戦しておりまます。近々アップさせていただきますので、ぜひまた見に来てくださったら嬉しいです。
英語仏語イタリア語!すごいですね!

itchy_hasshy
itchy_hasshy

よろしくお願いします。
私の過去記事もよろしければご覧ください。

https://note.com/itchy_hasshy/n/n2437d8d9e4c0

azusa / 英語学習のヒント
azusa / 英語学習のヒント

Christianさん、コメントありがとうございます!
そうなのですね。日本語はきっともうChristianさんの母語と言えるのだと思います☺️
日々使っている言語が一番語彙も増えて得意になることは必然ですよね!

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「外国語は母語を超えて上達できない」は本当か?|azusa / 英語学習のヒント
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