黙秘する容疑者に「ガキだよね」などと発言した横浜地検の検事の取り調べを、東京地裁は18日「人格権の侵害で違法」と断じた。検察の証拠改ざん事件を受けて取り調べの録音録画が本格導入された後も、不適正な取り調べは相次いで発覚している。弁護士らは制度の抜本改善を求める。 (中山岳)
◆あの手この手でプライドを傷つける
「黙秘権保障の第一歩になる」。原告の江口大和氏(38)の代理人を務める趙誠峰(ちょうせいほう)弁護士は、記者会見で判決の意義を語った。
訴訟の審理では、取り調べの様子を録音録画した映像が法廷で再生された。目を閉じて黙秘する江口氏に、検事が「あなた被疑者なんだよ、犯罪の」などと一方的に話す様子を生々しく伝えた。
趙弁護士は「捜査官が取り調べで、あの手この手を使い、(黙秘する容疑者の)プライドを傷つけて不安にさせ、反論させようというのは、今も日常的にある」と指摘する。代理人の宮村啓太弁護士は「裁判官や傍聴人が法廷で映像を見ることは重要。取り調べの実態について知ってもらいたい」と述べ、判決が不適正な取り調べの抑止につながることを期待する。
◆机たたいて「検察なめんな」と怒声
法廷で取り調べ映像を再生できたのは、2010年の大阪地検特捜部検事の証拠改ざん事件をきっかけに、検察の独自捜査事件などで、逮捕後の取り調べを全て録音録画することが義務付けられたからだ。江口氏の事件も、横浜地検特別刑事部の独自捜査で、対象となっていた。
ただ、カメラが回っていても、検事が不適正な取り調べをする場合があることが明らかになっている。
大阪地検特捜部に業務上横領の疑いで逮捕、起訴され、21年に無罪が確定した不動産会社の元社長が国に損害賠償を求めた訴訟で、検事が元社長の部下の取り調べで「検察なめんな」と怒鳴り、机をたたいていたことが録音録画で判明。この検事は法廷での証人尋問で「不穏当だった。真摯(しんし)に取り調べに向き合ってほしかった」と釈明した。
◆問題検事を生む...
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