国会議員がもらう報酬はいくら? 「高すぎる」と批判されているけれど本当にもらいすぎている?
◆議員報酬の国際比較
他国との比較ではどうでしょうか? 議員報酬の内訳や定義は国によって異なり、同一尺度で比較することは難しいですが、2019年3月に行われた「国会議員報酬国際比較」調査によれば、上位10カ国は図1の通りです。 この調査で日本はトップ3に入っていますが、額面通りに受け取るのは適切ではありません。なぜならこの種の調査には限界があるからです。 例えば5位のアメリカは上院と下院で支給の仕組みが異なり、場合によっては億単位で異なります。 また日本の「旧文通費」が報酬にカウントされないのと同様、ある国では議員が負担している費目を、別の国では国が全額負担するなど、条件や定義の違いで実質的な支給額が変わるため、単純に比較するのは間違いのもとです。 それにこの調査はあまりポピュラーでなく、意図して調べない限り、知ることがないデータです。 では一体何を根拠に議員報酬が批判されているのでしょうか? それは国民生活とのギャップではないかと考えられます。
◆1年間働いても国会議員の2カ月分の給料がもらえない日本国民
2024年に発表された厚生労働省の「国民生活基礎調査」では、国民所得の中央値は1995年の550万円から2022年は405万円に低下し、実質賃金は1997年の指数を100とした場合、2023年は83まで落ちています。 つまり“1年間働いても国会議員の2カ月分の給料がもらえないのと同じ”なのです。厚労省によれば国民の約6割が生活が苦しいと答えていますが、こんなに低下しているならばそんな声が上がるのも当然です。 一方の国会議員はどうでしょうか? 話を分かりやすくするため、「歳費」に「調査研究広報滞在費」を加えた約3400万円を議員の“実質的所得”とみなした場合、国民の所得中央値(405万円)に対し、議員の実質的所得は「国民の8倍以上」になります。
◆批判の根底にあるのは「不公平感」
国民の生活は悪化の一途をたどっています。所得の中央値が27年間で145万円も落ち、実質賃金も17%下落しています。 東京都内のマンションは平均価格が1億円を超えるなど、私たち一般人には手の届かないものになっています。その一方で国会議員は高級マンションに引けを取らない議員宿舎を格安で提供されています。 また極端な円安により、海外旅行は庶民にとって高嶺の花となっていますが、国会議員は税金を使って「外遊」に出掛けます。しかも外遊先で撮ったいかにも楽しそうな観光写真を“視察”と称してSNSにアップしたりします。 議員にも夏休みを取る権利はありますし、外国に旅行する権利もありますが、その旅費は国民の税金です。自分たちは行けないのに、自分たちから吸い上げた税金で議員が観光している姿を見て「不公平感」を感じないわけがありません。