第2の保守合同はあるのか
そうした自民党の分裂を待ち望んでいるのが、まさに参政党の神谷宗幣代表ではないか。
「自民党は右から左までウイングが広すぎて国民は何がしたいかわからなくなっている。将来、自民党の分裂もあると思っており、与野党関係ない新しい枠組みを作っていきたい」
参院選後の会見ではそう予測して見せたが、事実、自民党は財政政策をめぐる増税派と減税派の対立だけでなく、女性宮家設立や選択的夫婦別姓、外国人労働者の受け入れなどのテーマでも党内に左右の意見対立を抱えており、政権党でありながら方針が決められない。
自民党は利害や意見が対立する多くの業界団体、宗教団体など利益集団の票を集めるために、「国民政党」を標榜してわざと党の方針を曖昧にしてきた。そうした党のあり方がもはや限界を迎え、有権者の支持を失ったとの指摘もある。
高市氏側近の中村裕之・元農水副大臣が言うように高市氏が自民党の政策を「積極財政」と「右」とに向けて旋回させれば、自民党は分裂、積極財政派と右派議員を集めた高市自民党、参政党、日本保守党などを軸に政界が「第2の保守合同」に向かう可能性が出てくる。
自民党が割れれば、立憲民主や国民民主、維新も割れていく。
「現在の政党はいずれも党内に矛盾を抱えている。立憲は自民以上に左右対立が激しいし、国民民主も大労組をバックにした議員は消費税減税に慎重で減税推進派の議員と溝がある。さらに維新も大阪最優先の大阪維新出身の議員とその他の議員がうまくいっていない。かつて55年の保守合同の時は社会党も右派と左派が再統一した。
自民党の左右分裂をきっかけに第2の保守合同が起きれば、立憲、国民、維新なども割れてリベラル合同、中道連合など各政党が理念や政策で再編へと進む契機になるのではないか」(有馬氏)
そうなればこの国の政治は有権者にわかりやすくなるかもしれない。
(第1回から読む)
※週刊ポスト2025年8月8日号