Q 従来の健康保険証は、もう使えない?
健康保険証 有効期限切れでどうなる?【Q&A】
マイナ保険証への移行に伴って、この夏以降、従来の健康保険証が続々と有効期限を迎えます。医療機関に行く際に戸惑う人も多いかもしれません。
マイナ保険証への疑問や、いま持っている保険証がどうなるのかなど、取材してまとめました。
(社会部・渡邉千恵記者)
従来の健康保険証がいつまで使えるかは、加入先によって異なるため、詳しく説明します。
まず、7月末で有効期限を迎えたのが75歳以上が入る「後期高齢者医療制度」の加入者全員と自営業者などが入る「国民健康保険」の加入者の7割で、あわせておよそ3700万人に上ります。
このうち「国民健康保険」の有効期限は自治体によって異なっていて、例えば東京では西東京市と三宅村は7月末、それ以外は9月末に期限を迎えます。
このほか、会社の健康保険組合などの「被用者保険」の加入者の場合、基本的に、12月1日まで使用できます。
Q 従来の健康保険証の有効期限はどこで確認できる?
厚生労働省によりますと、有効期限がある保険証は券面に期限が記載されているということです。有効期限が書かれていない保険証は12月1日まで使えるということです。
Q 有効期限が切れた保険証を医療機関に持って行ったら、10割負担になるの?
いいえ。厚生労働省は、期限切れに気付かずに、従来の保険証を持参する患者がいることが想定されるとして、来年3月までは期限がきれた保険証で資格情報を確認できれば、10割負担ではなく、保険診療が受けられるようにしています。
一部の健康保険証きょうから“原則使えず” 医療機関の対応は
Q「マイナ保険証」とは?
健康保険証の利用登録をしたマイナンバーカードのことです。マイナンバーカードを医療機関にある顔認証付きカードリーダーなどで利用登録すれば、これまでの健康保険証の代わりになります。
また利用登録はスマホの専用のアプリなどでマイナポータルにログインすれば自宅でも行うことができます。
国は、2024年12月に、これまでの健康保険証の新規発行を停止し、「マイナ保険証」を基本とする仕組みへ移行しました。
ただ、厚生労働省によりますと、2025年6月時点のマイナ保険証の利用率は30.64%と伸び悩んでいます。
実は、マイナンバーカード自体の保有率は全人口の78.7%で、このうち85%余りがマイナ保険証の登録を済ませていますが、実際には、従来の健康保険証を活用しているケースが多数となっています。
Q 従来の保険証の有効期限が切れた。マイナ保険証の登録をしていないと、受診できない?
いいえ。マイナ保険証がなくてもこれまでどおり保険診療を受けることができます。
マイナンバーカードを持っていない人や、マイナ保険証の利用登録をしていない人には、健康保険組合や自治体などから、「資格確認書」というものが交付されます。
「資格確認書」はプラスチック製のカード型やA4サイズの紙製など、見た目は保険組合などによって異なりますが、これを医療機関の窓口に提示すれば、これまでと同様に保険診療が受けられます。
また、75歳以上の後期高齢者医療制度の加入者にはマイナ保険証の有無にかかわらず、国が全員に「資格確認書」を交付しています。
このほか、東京 世田谷区と渋谷区では、独自に国民健康保険の加入者全員に、保険証の代わりとなる「資格確認書」を交付します。
Q そもそもマイナ保険証に登録しているかどうかは、どうしたら確認できる?
デジタル庁によると、スマホのアプリなどでマイナポータルにログインすると画面上で確認できるということです。
また、医療機関や薬局にある、顔認証付きのカードリーダーで受付を行うと、利用登録をしていない場合には、自動的に登録画面に切り替わるようになっています。
Q マイナ保険証に、有効期限はあるの?
マイナンバーカード自体に2つの有効期限があります。
まず、マイナンバーカードそのものの有効期限は10年です。10回目の誕生日までに(未成年者の場合は5回目)、カード自体を更新する必要があります。改めて写真撮影なども行います。
また、発行から5回目の誕生日までにカードに搭載された電子証明書を更新する必要があります。
どちらの更新時も、本人確認を厳密に行うため、原則、自治体の窓口などを訪れる必要があります。
更新を行わなかった場合、オンラインでの手続きが行えなくなるほか、マイナ保険証の利用登録をしていた場合は、最終的に保険証としても使えなくなります。
医療機関に取材すると、久しぶりに受診した際に、有効期限切れに気付いて、マイナ保険証が使えなかった患者もいるということです。
ただ、マイナンバーカードの有効期限が切れてから、保険証としての機能が使えなくなるまでには3か月の猶予があります。
この3か月の間に、更新されなかった場合は、各保険組合などから、「資格確認書」が自動で交付されることになっているということです。
Q「資格情報のお知らせ」が届いたけど、「資格確認書」と同じ?
全く別の書類です。「資格情報のお知らせ」は、マイナ保険証を持っている人が加入している健康保険組合や自分の保険者番号などを確認するためのものです。
「マイナ保険証」には、従来の保険証のように、券面に保険者番号などが記されておらず、誰でも簡単に確認できるように、この「資格情報のお知らせ」が交付されることになりました。
現在、会社の健康保険などの「被用者保険」の加入者には全員と、または「国民健康保険」でマイナ保険証をもっている加入者に交付されています。
注意が必要なのは、原則として「資格情報のお知らせ」だけでは保険診療は受けることができず、マイナ保険証と一緒に提示する必要があるという点です。
ただし、国は「資格情報のお知らせ」だけを持ってきた患者でも移行期の対応として、来年3月までは保険診療を受けることを認めています。
マイナ保険証は去年12月に本格導入されましたが、利用率の伸び悩みや、新たな仕組みの浸透に課題が残るなか、国は、移行期の暫定的な対応をたびたび示しています。