◆プロボクシング ▽女子スーパーバンタム級(55・3キロ以下)6回戦 △高野人母美 (引き分け) 椙元愛△(7月8日、東京・後楽園ホール)
元女子東洋太平洋スーパーバンタム級王者の“モデル・ボクサー”高野人母美(勝又)は、日本バンタム級(53・5キロ以下)4位・椙元愛(一力)と引き分けた。戦績は高野が11勝(7KO)3敗1分け、椙元が3勝(2KO)3敗1分けとなった。
東洋太平洋バンタム級4位の高野は、2019年12月に近藤佐知子(駿河)に判定勝ちして以来の国内試合。後楽園ホールでの試合は、17年10月に吉田実代(現・三迫)と争った日本女子初代バンタム級王座決定戦以来、4年9か月ぶりだった。長いリーチを生かして右フックなどを打ったが、サウスポーの椙元も左ボディー、ワンツーのコンビネーションで対抗。ともに決定打を奪えず、試合は判定へ。ジャッジ1人が58―56と椙元を支持したが、残る2人は57―57、57―57の同ポイント。引き分けとなった。
「カウンターを狙ったり、(構えを)スイッチしたりして、良いパンチも当たっていたけど、相手はすごく動いてなかなか当てづらかった」と高野。久々の実戦で緊張もあり、「10点満点なら3、4点」と厳しい採点だったが「会場に入ったら、たくさんのお客さんがいて、自分を応援してくれる人がいて…。ウルッとした。すごく楽しめました」と笑顔を見せた。
高野は今年5月に緑ジムから勝又ジムへ移籍。一力ジムの協力もあり、十分な練習を積んできた。「これまで勝たなければという思いが強かったけど、一力ジムで良いトレーニングを積むことができて、人間性、喜怒哀楽を勉強できた。試合ができる幸せをかみしめたい」と話していた高野は「たくさんの応援をいただい人たちに、もう一度、世界の舞台に立つ姿を見せたい。バンタム級かスーパーフライ級で」と意欲を見せた。