トランプ氏、労働統計局長を解任へ-雇用統計を「政治操作」と非難
Skylar Woodhouse-
雇用減速示す雇用統計発表から数時間後、ソーシャルメディアに投稿
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マッケンターファー局長の解任を「チームに指示した」とトランプ氏
トランプ米大統領は1日、米労働省労働統計局(BLS)のエリカ・マッケンターファー局長を解任するよう当局者らに指示した。7月の雇用統計発表から数時間後に明らかにしたもので、同雇用統計では雇用者の伸びがこの3カ月に大きく減速したことが示されていた。
トランプ氏は「このバイデン前大統領の政治任命者を即時解任するよう、チームに指示した」とソーシャルメディアに投稿。雇用統計を政治目的で利用したとして、証拠を示さずにマッケンターファー氏を非難した。
「より有能で資格のある人物が後任になる。このような重要な数字は公正かつ正確でなければならない。政治的目的で操作されてはならない」とトランプ氏は続けた。
今回の雇用統計では、経済を巡る不確実性が広がる中で、労働市場のペースが落ち始めていることが改めて示唆された。7月の非農業部門雇用者数は前月比7万3000人増。雇用者数の伸びは前月と前々月合わせて26万人近く下方修正された。これまで3カ月の平均はわずか3万5000人の増加で、コロナ禍後の最悪を記録した。
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労働統計局にコメントを求めたが、まだ返答は得られていない。マッケンターファー氏は2023年にバイデン前大統領によって局長に指名され、24年1月に承認された。
チャベスデレマー労働長官は、労働統計局のウィリアム・ウィアトロウスキー副局長が当面は局長代行を務めると明らかにした。
労働統計局長は大統領に任命されるが、同統計局は自らの業務を「独立」かつ「超党派的」と説明している。エコノミストやストラテジストは、この中立性こそが、データに対する国民や金融市場の信頼を支えていると指摘する。発表される数値に基づき、市場で数兆ドル規模の資金が動く可能性があるためだ。
調査会社マクロポリシー・パースペクティブの創業者、ジュリア・コロナド氏は「これが現実になれば、私はそうなるとみているが、極めて重大な事態になる。この先、データの信頼性を十分に確信することができなくなるだろう」と指摘。「このデータは極めて価値の高い公共サービスであり、その信頼性が不可欠だ」と語った。
原題:Trump Moves to Fire Labor Statistics Head After Weak Jobs Data(抜粋)