“石破降ろし”に首相が動じないワケ…そのウラにある「高市リスク」と解散総選挙

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例えば、一部メディアの「次の首相にふさわしい政治家」で一、二を争う高市早苗氏が自民党総裁になった場合、その後の首班指名において野党が団結する可能性があるという。

「ここで効いてくるのが、昨今の『石破辞めるな』デモ。参加者は自民党支持者ではなく、リベラル派の人が多い。参加者が懸念しているのは、高市総理誕生による日本の右傾化。あのデモは自民党よりも、野党に訴えかけるものだ。普段バラバラの野党だが、高市総裁になった場合に限り、まとまることも考えられる」(永田町関係者)

そうなれば、普段“通過儀礼”の首班指名選挙が与野党バチバチのバトルとなり、野党統一候補が勝利すれば政権交代、自民党はおよそ13年ぶりに下野することになる。

少数与党にふさわしい総理大臣となると

前出の永田町関係者は

「下野だけは避けたい自民党の重鎮は“高市リスク”に頭を悩ませている。それならば石破首相のままでもいいという声もちらほら出てきている」

と語る。

実はこうしたシナリオを事細かに分析しているのが、何を隠そう石破首相なのだという。

続投宣言も権力のイスにしがみついているわけではなく、“乗り切れる”とジャッジしているから。自身の勉強会にも石破首相を招いている政治評論家の有馬晴海氏は

「石破首相は“自分が代われば、もっと悪い自民党になる”という思いが強いと周辺から聞いています。衆参で少数与党である自公が国会運営を乗り切るためには、総理は自分しかいないと思っているのでしょう」

と話す。

昨年の衆院選、都議選、そして参院選と“自民3連敗”を喫した石破首相。これで内閣不信任案からの解散総選挙となれば、自民は壊滅状態になりそうだが……。

「近く解散総選挙になるのではとウワサされていますが、野党側の状況からして難しい。参院選の勢いで野党が党勢を拡大させるチャンスではありますが、議席を伸ばした国民民主党や参政党などは、候補者を立てることも難しい。衆院選は小選挙区制ですから、289の選挙区に候補者を立てるとなると、それなりの人材を集めなくてはならない。あと数ヵ月で候補者をそろえられるかといえばそれは難しく、野党が不信任案を出してくることはないと思っているのでしょう」(同・有馬氏)

直近の世論調査では石破首相の支持率上昇を示す結果も出始めている。経済界からもトランプ政権との関税交渉を「15%」にまとめた石破外交を評価する声も多い。

国民そっちのけで過熱する自民党内の権力争い。長引けば長引くほど、政治の空白化を招くことになる。いっそのこと下野したほうがこの国のためかもしれないが――。

  • PHOTO鬼怒川毅(高市)、浜崎慎司(石破)

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