“石破降ろし”に首相が動じないワケ…そのウラにある「高市リスク」と解散総選挙
高市早苗氏に総理になってもらいたい議員の“正体”
自民党内の権力争いが苛烈さを増している。
7月20日投開票の参院選で自民党は議席を大きく減らし、連立を組む公明党と合わせて過半数の125議席を割った。衆院に続く少数与党となり、今後の政権運営はイバラの道だ。
しかし、石破茂首相(68)は現時点で辞める気はなし。党内からは反発の声が上がり、退陣包囲網が形成されつつある。
「声高に叫んでいるのは、旧統一教会問題や裏金問題で冷や飯を食わされた議員や、故安倍晋三首相の子飼い議員、もしくは高市早苗氏(64)に総理になってもらいたい議員ばかり。彼らは『民意が……』と言っているが、結局のところ旧安倍グループによる権力奪還のための政争でしかない」(テレビ局報道部関係者)
このところメディア露出を増やしているのは、自民党の中曽根康隆青年局長(43)だ。
同氏は7月25日に森山裕幹事長(80)と面会し、参院選大敗の責任をとって石破首相ら党執行部の退陣を求める申し入れ書を提出した。中曽根氏は
「可能な限り早く自ら責任をとることを求めた。自民党が終わることは国が終わるという危機感を持っている」
と訴えた。
「父は外務大臣や自民党参議院会長を務めた中曽根弘文氏で、祖父は内閣総理大臣を務めた“大勲位”中曽根康弘氏というサラブレッド。43歳とまだ若く、甘いマスクは小泉進次郎農相(44)や“コバホーク”こと小林鷹之氏(50)にも引けを取らない。ただ、彼も’23年11月に催された“ハレンチ懇親会”に参加し、青年局長代理(当時)を辞任。いわばスネに傷のある人物でもある」(全国紙政治担当記者)
石破首相は7月28日に開かれた両院懇親会でも続投を明言。森山幹事長は8月下旬の参院選総括を区切りに、幹事長辞任を匂わせている。
「とりあえず誰かが敗戦の責任を取らないといけないので、石破首相が辞めないのであれば、森山幹事長がということになった。ですが、彼がいなくなれば政権のレームダック化はさらに進む。言われているように、8月15日の終戦80年の『見解』発表後、森山幹事長とともに退陣を表明する可能性があると見る向きは多い」(同・全国紙記者)
一方で、旧安倍派が石破首相を引きずり降ろしたところで、自民党が息を吹き返すかは未知数だ。