「アクアリウムは踊らない」Nintendo Switch版およびSteam有料版の発売を記念した、作者の橙々氏へのインタビューをお届け。
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4人のゲーム制作仲間が蒸発した結果、橙々氏が個人で制作した“ホラー嫌いが作ったホラーゲーム”、「アクアリウムは踊らない」(略称は「アクおど」)。
2024年にフリーゲームとして配信を開始した本作にキャラクターボイスや新規シナリオなどを追加した有料ダウンロード版が、フロンティアワークスからNintendo Switch、Steam向けに2025年8月1日に発売される(Nintendo Switchパッケージ版は10月30日に発売)。
これを記念して、本稿では作者の橙々氏へのインタビューを掲載。「アクおど」そのものや追加要素の注目ポイント、新たにキャラクターたちへと命を吹き込む声優陣への熱い想い、さらに自らVTuberとしてプロモーションも行っている橙々氏のパワフルさに関してなど、気になることをいろいろと聞いてみた。
「アクアリウムは踊らない」は「ちょうどいいゲーム」。ボリュームも、難易度も、作者の自己紹介としても
――「アクアリウムは踊らない」を橙々さんの言葉で今改めて表現するなら、どんなゲームだと思いますか?
橙々:いろいろ考えてみたのですが、私にとってもプレイヤーの方にとっても「ちょうどいいゲーム」だなと改めて感じます。
私はそれまで二次創作をしてきた身だったので、一次創作として「私の作品はこちらです!」と提示できるものがあると良いなと思って「アクおど」を作ったところがありました。ゲームジャンルも、キャラクターも、「あぁ、この人はこういうのが好きなんだ」とわかりやすいので、思った通り、私の自己紹介としてちょうどいいゲームになったと思います。
すごく長い大作! とかではなく、サクッとプレイできるという意味でもちょうどいいと思います。配信者の方の実況などもよく観に行くんですけど、運営型のゲームなどと違ってストーリーが完結しているので、すぐに最後までプレイできるのもちょうどいいものが作れたんだなと改めて思いました。
あと「アニメ化を目標にしている」といろいろなところで口にしているんですけど、「アニメ化しやすいゲームだよね」とよく言っていただけるんです。
――ご自身の名刺代わりにもなりつつ、プレイヤーにとっても気軽に物語を見届けられて、アニメ化という目標を目指す意味でも、あらゆる点で“ちょうどいい”ということですね。プレイしていて、謎解きの難易度もすごく絶妙だなと感じました。
橙々:難易度調整が上手くいったかどうかは、プレイヤーの方じゃないとわからない部分なので、そう言っていただけると安心します。
謎解きは、テストプレイでも複数の初見の方に遊んでもらったんですけど、人によって得意不得意で大きく差が出ることに気付きました。それで、最初に出されるお題の難易度は高めにしつつ、“ヒントを多めに出していく”方法で、少しずつバランスを取って調整することにしたんです。
「どうしてもわからない」という人でも総当たりすればなんとかなるとか、キャラクターの台詞で誘導したりとか、そういう救済措置はできるだけ入れるようにしました。
――多くのプレイヤーが、諦めなければエンディングを見届けられるバランスだったと思います。「アクおど」がヒットしたことで、橙々さんの生活に変化はありましたか?
橙々:ありがたいことに、ちゃんと仕事が増えています。メディアで記事として取り上げてくださったり、RTA Japanでプレイしてくださったり、話題になったあとくらいにいろいろなお話しをいただくことが多かったです。それは私の生活に直結する変化でした。
――ゲーム本編自体は無料でのリリースでしたけど、しっかりとご自身の生活が潤うようになっていた?
橙々:皆さんが「アクおど」を好きでいてくれるからこそ、「このグッズを買いたい」、「このイベントに行きたい」と言ってくださっているんだと思います。そうしたお気持ちのおかげで私の生活が成り立っています……(笑)。ありがとうございます。
――コラボイベントなどがあるたびに積極的に描き下ろしイラストを書かれていますよね?
橙々:自分から「描かせてください」と提案しているんです。「スケジュールも確保して、頑張って描くので!」と。
――ゲームが有名になって、昔の知人から連絡が来ることなどはありましたか?
橙々:それもありました! 私がゲームを作っていることだけ知っていた友達が居るんですけど、好きな配信者さんが「アクおど」をプレイしてくれたらしくて。「これ橙々ちゃんのゲームだよね!」と連絡してくれたんです。ひさびさに話すきっかけになりました。同様の連絡はいくつかもらったんですけど、すべて「おめでとう!」みたいなポジティブなものばかりですごく嬉しかったです。
――それは嬉しいですね! 「実はお金に困っていて……」みたいな連絡は来なかったですか。
橙々:残念ながら(笑)。今のところは来てないです。
――そういう連絡があっても橙々さんの場合、おもしろ可笑しく今後の活動のプラスに変えてしまいそうです。
橙々:そのやりとりを生配信とかしてみたいですね!
ゲーム制作とVTuberとしての活動を両立。でも根を詰めることなく1日に10時間くらい寝ている
――VTuberとしての配信など含め、ご自身でプロモーションも含めて行動し続けているのが凄いなと感じます。少し前までブラック企業に勤めながらゲームを開発していたことも含め、橙々さんのそのパワーはどこから生まれているのでしょう?
橙々:本当にどこから生まれているんですかね(笑)。でも、昔から「とりあえず手を付けてみようとする」のがクセになっていて、失敗してもいいからいったん行動してみるというのはあります。「成功するかわからないけど、とりあえずYouTubeやってみよう」「ひとりで完成させられるかわからないけど、ゲームを作れるだけ作ってみよう」みたいな。その意気込みはいま気付いたらひとりでいろいろやっている状況に繋がっているかもしれません。
――「ちゃんと手を動かし続けていればやがて形になるんだ」みたいな手応えが成功体験になっているのでしょうか?
橙々:「やりゃあ意外とできるじゃん!」というのはあります。でも3日坊主で終わったことだってめちゃくちゃいっぱいあるんですよ。
――あ、そうなんですか?
橙々:それはそれで、「これは私には続かないな」という結果が得られたのもひとつの収穫かなと思っています。今残っているのは数少ない、そのなかでも続けられたものということになりますね。全部ワンパンで成功しているわけでは決してないです(笑)。
――「とりあえずやってみよう」の手数が多いから、“当たった”ものがひとつひとつ続いている、ということなんですね。「数撃ちゃなんとやら」と言ったら言葉が悪いかもしれませんが……。
橙々:いやぁ、でもそういうことですよ。
――「そのやり方でここまで上り詰めた人がいるんだ」というのは創作を志している人にとって勇気になる証言かもしれません(笑)。
橙々:そうですね(笑)。「やり続けていればいつかは」というのはいろいろなところで言っていますね。
――ちなみにそれは「あまり寝なくていい体質だから人より行動時間が長い」みたいなことではないんですよね?
橙々:ぜんぜんです。めっちゃ寝てますよ、1日10時間とか。
――思ったよりもずっと長いですね。
橙々:超ロングスリーパーなんです。「寝なくても1日中ゲームを作っていられます!」みたいなタイプではまったくないですね。ぐうたらしないと身体が動かないので、ちゃんと寝てます。日中も眠くなったらすぐに寝ます。ほかの方よりもガッツリ目に休んでいると思います。
――むしろそこのメリハリをちゃんとしているのがポイントなのでしょうか。
橙々:メリハリは大事だと思います。「眠くなっても目を擦りながら頑張る」という人もいると思うんですけど、私の場合は「この時間はこれをやる」と短い時間でも集中して取り組んだほうが結局は進みますから。
キャスティングは作者の希望が100%実現
――Switch版、Steam有料版では知名度・実力ともに高い声優さんたちがキャラクターボイスを担当します。皆さんドラマCDからの続投になりますが、このキャスティングに橙々さんの意向はどれくらい反映されているのでしょう?
橙々:キャスティングは、私が出した声優さんの希望を100%叶えてもらいました!
――橙々さんが希望するキャスティングが全員実現できた、ということですか? それって凄いことなのでは?
橙々:そうなんです! 私もビックリしました。だから凄いのはフロンティアワークスさんなんです(笑)。
「いやぁ~、こんなものすごいキャスティングが実現できたら奇跡だなぁ!」みたいな気持ちで希望する声優さんを書いて送ったんです。もちろん真面目に考えたベストキャストなんですけど、まさか全員OKになるなんて……。ひとりひとり「OKいただけました!」というメールが届くたびに「そんなバカな!」って思ってました。ありがたいですよね。
――フリーゲーム版を作っていたときから「このキャラはこの声優さんの声で」といったイメージは出来ていたのでしょうか?
橙々:「キャラクターの声のイメージをハッキリ持っているんですね」と複数の作家さんに指摘されたくらい、最初から具体的なイメージを持っているタイプです。ドラマCDで声を付けていただけることになったときは、何百人という声優さんのサンプルボイスを聴いて、イメージにバチッとハマったのが今回キャスティングしていただいた声優さんたちでした。
――それくらい具体的にイメージがあるということは、もしかして今回ボイスが付いたメインキャラクター以外のキャラクターの声のイメージもある程度頭のなかにあったり?
橙々:ありますね。なんなら、ドラマCDが決まってから「この声優さんが合うかも」というのはキャラクターひとりひとりに対してメモしているんです(笑)。「ほかのキャラクターも今後キャスティングがあるかもしれないよね」と調子に乗って、アニメなどを観ているときに「この声優さんの声、◯◯のイメージにピッタリ!」と思うたびにメモが増えています。
――アニメ化を目標としているわけですから、実現したら必ず全員の声が必要になりますからね。
橙々:そうなんですよね。なので、いつアニメ化されてもいいように腕をブン回してます。「いつでもどうぞ!」みたいな。
黒沢ともよさん、花守ゆみりさん、佐藤聡美さん、釘宮理恵さん、たみやすともえさん、それぞれへの当て書き台詞
――新規シナリオは、ドラマCDに収録されていた「アクアリウムは満たされない」、「アクアリウムは夢を見ない」のストーリーがベースになっています。インタビューに先駆けてプレイさせていただいたのですが、このあたりのシナリオはキャストさんが決まってから書いたものだったりするのでしょうか?
橙々:シナリオの作成とキャスティングはほぼ同時進行だったと記憶しているのですが、物語の大枠があらかた決まってからキャスティングが確定、という流れだった気がします。
――なぜそれが気になったかというと、新規シナリオ部分をプレイしていると、釘宮理恵さんが演じるキティの台詞に「バカ! 変態!」と罵るものがありまして。「これは釘宮さんに決まってから当て書きしたに違いない」と思い、確認したかった次第です。
橙々:はいはい、なるほど(笑)。そこはドラマCDにはなくて、ゲームに実装するときに追加したシーンなので、釘宮さんに決まってから書いたところですね。キラーワードを入れるしかないと。「言ってもらうのが礼儀」かなと思いまして。
――やっぱりそうですよね(笑)。特定の人には今回「アクおど」を購入する決め手になるかもしれません。
橙々:キャスティングが決まってからは「この声優さんが演じてくれるならこういう台詞を入れたい」というのはけっこう入れていますね。もうひとつ挙げると、私、黒沢ともよさんの“相手を小馬鹿にして煽ってる”みたいな台詞がすごく好きなんです。
新規シナリオで、スーズがレトロに「大佐、寒そうだね。私が温めてあげよっか?」みたいに言うんですけど、これは黒沢さんの声で聞きたいと思ったから入れた台詞ですね。そのあとのレトロの「このガキ」っていう台詞も花守ゆみりさんに言ってほしかった台詞です(笑)。
たみやすともえさんは、怪しい雰囲気の演技がすごく素敵だなと思ってキャスティングさせていただいたので、「アクアリウムは夢を見ない」冒頭でのクリスのちょっと怖い感じの台詞は当て書きです。ルルがスヤスヤ寝ちゃうシーンも当て書きですね。佐藤聡美さんにぜひとも寝言を言っていただきたいなと。
――キャスティングでは、レトロ役が花守ゆみりさんなのが個人的にはけっこう意外でした。これまでにクールなキャラクターもいなくはなかったと思うのですが、可愛らしい女の子のイメージが強かったので。
橙々:私も以前はほんわかした声のイメージを強く持っていました。でも、よく拝聴させていただいていた花守さんのラジオで、花守さんが師匠と慕っている高乃麗さんという声優さんから「あなたはいつか男の子とか、カッコいい系のキャラクターのオファーが来るようになる」と言われた、みたいな話をされていたんです。
ちょうどそのころ「ブルーピリオド」に鮎川龍二くんの役で出演しているのを観て、レトロ役でオファーさせていただくことを決めました。ラジオの話を聴いてから、龍二くんの演技を聴いて「たしかに良い!」と感じたという流れがあったんです。
――実際、もともと人気キャラクターだったレトロが、花守さんの声でさらにカッコよさに磨きがかかりましたよね。
橙々:めっっっちゃカッコいいですよね……! プレイヤーさんの反応が楽しみです。
新規シナリオは謎解きもやりごたえがあって、2篇あわせて2時間くらい掛かる、なかなかのボリュームに
――ドラマCDと今回の新規シナリオで、「アクアリウムは満たされない」ではスーズとレトロ、コウペン、「アクアリウムは夢を見ない」ではルルとキティ、クリスを中心に本編には登場しなかった場面が描かれますが、この2つの場面を単体のエピソードにしたのは何故なのでしょう?
橙々:実は、どちらも当初の予定ではゲームに入れようと思っていたエピソードだったんです。さまざまな事情があって泣く泣くカットしたものだったので、今回入れられてスッキリしました。
「アクアリウムは満たされない」は、もともとはレトロとクリスが話している場面を作りたかったんです。でも、このふたりのやりとりはモロに最終盤のネタバレになってしまうので、ゲーム本編には入れられないという判断になりました。結果的に、紆余曲折あってスーズとレトロ、それからコウペンが中心のエピソードになりましたけど。
ルルとキティの話(「アクアリウムは夢を見ない」)が本編に入らなかったのは完全に尺の都合です。やっぱりテンポよく多くのプレイヤーさんに最後までプレイしていただくというのも大事にしたかったので、泣く泣くカットした場面なんですよね。どちらもドラマCDのお話をいただいたとき「あそこを入れよう!」とすぐに決まりました。
――ドラマCDからゲーム向けの新規シナリオにするにあたって変更した点はありますか?
橙々:基本の流れはほとんど変えていないんですけど、ゲーム用に台詞を改変したりはしています。でも、足してはいるけど引いてはいません。ドラマCDを作っている段階で、このシナリオをゲームに落とし込むための構想は出来ていたので、大きく変えることなくゲーム化したほうがいいだろうと判断しました。謎解き要素を入れるためのやりとりを追加したりとか、そのなかで声優さんへの当て書きの台詞が入っていたり、それくらいですね。
――どちらも単に追加エピソードというだけじゃなく、まったく新しい謎解きも用意されていて、しっかりゲームとしてやりごたえのある短編だったのが良かったです。
橙々:「もうドラマCDを聴いたからいいか」と言われるものにはしたくなかったので、たくさん足しました。ふたつの追加エピソードで、あわせて2時間くらい掛かるボリュームになっていますね。本編をプレイして「アクおど」を好きになってくれた方に、“おかわり”として楽しんでもらえたら嬉しいです。
関係性が“いろいろ重なっている”からこそ生まれる良さ
――新規シナリオをプレイして、キャラクター同士の関係性へのこだわりを改めて感じました。やはり橙々さんのなかで「こういう関係性が萌えなんだよな~!」みたいなものは意識的にお持ちなんでしょうか?
橙々:ありますねー。スーズとレトロがいちばん私の好きなところが出ているんですけど、“不器用同士”なんですよね。仲は良いけど、口を開くと言い合いばかりしている、“犬猿の仲ペア”みたいな感じが好きなので。あとは“闇がある”関係性も好きで、レトロとクリスがこれに当てはまっているかなと思います。そういう関係ばっかり考えちゃいます(笑)。
――新規シナリオでは結果的に実現しなかった、レトロとクリスを掘り下げるおはなしは、やはり今後書きたいですか?
橙々:書きたいですね。タイミングがあればいくらでも書きたいです。あのふたりには一言では語り切れない関係性があるので……嫌いなわけではないけど、好きなわけでもない、愛しているわけでもないんだけど、相手のことを見捨てることはできないみたいな。どこかで深掘りしたいですねぇ。
――「アクおど」は関係性が“多層的”なのが良いなと思います。スーズとレトロの関係がまずありますけど、レトロとクリスもあのふたりにしかない空気があって。あと、ルルはスーズと親友ですけど、キティとのやりとりも良くて。「この子とこの子が最高のコンビ!」と決め切れないところに味わい深さがあると感じるのですが、このあたりも橙々さんの嗜好が出ているところですか?
橙々:嗜好が出ているところ、ですね(笑)。どのキャラクターにもいろいろなキャラクターとたくさん話してほしいですし、関係性が重なっているからこそ生まれるものにグッと来ます。レトロを介してのスーズとクリスの関係性とか。歪でおもしろいですよね。
――まだ書けていない「もし、この子とこの子が喋ったらこんな感じ」みたいなイメージもありますか?
橙々:あります。とても書ききれないですし、公式として言えないこともあったりするんですけど、いろいろと考えています。好きなので。
――「もしも」の世界の「アクおど」などは、可能性が広がりそうです。
橙々:学生服姿のみんなを書いたこともあるんですけど、スーズ、レトロ、クリスの3人が同じ学校に通っている世界線だったら、いっしょに話していてもおかしくないですよね。そういうスピンオフも書いてみたいなとか思ったりしています。
「アクおど」じゃない新作も「作れ」と言われたら取り掛かれるくらいには練っている
――ゲームは今後もおひとりで作り続けることを明言していますが、創作者・表現者としての仲間ができたりといったことはあったのでしょうか?
橙々:「アクおど」が広まってから、一方的に配信を観ていたVTuberの方から声をかけていただく機会が何度かありました。初配信のときからずっと観ていた姫咲ゆずるちゃんから「コラボしてくれませんか」とDMが来たときはすごくビックリしましたけど、いまでは“気の置けない仲”と言えるくらい仲良しです。
――コラボのときの配信は今でもYouTubeで観れるんですよね?
橙々:観れます! 当時の私は緊張してだいぶアセアセしているので、観られるのはかなり恥ずかしいんですが(苦笑)。
橙々:それから「お結び」というホラーゲームを作っている“おさむお姉さん(日下部一氏)”も、声をかけてくださって配信でコラボしたり、プライベートで相談させてもらったり。モノづくりしている仲間が増えたのはとてもありがたいですね。
――おさむお姉さんとはホラーゲーム制作者同士だからこそ通じ合う部分などはあったりするのでしょうか?
橙々:そうですね。好きなもの、作っているゲーム、それから作っている状況もかなり似ているところがあるので、共感するところが多いです。「ひとりで作っているとこういうところが大変ですよね」とか「こういうキャラクターがいいんですよねぇ!」みたいな(笑)。なかなかひとりでゲームを作っている人なんて少ないので、知り合えてすごく光栄でした。
――最近触れたコンテンツで、印象深かったものはなにかありますか?
橙々:お仕事でもご一緒させていただいたんですけど、第四境界さんの企画は新しくてすごくおもしろいなぁと感じました。現実世界で、リアルタイムで謎解きが進行していくんですけど、X(旧Twitter)のアカウントを使った謎だったり、YouTubeで配信される動画のなかにヒントが含まれていたり、それが数日おきとか数週間おきに投稿されていくのを追っていくと真実に近づいていけるようになっているんです。
代わりになるものがないのですごく説明しにくいんですけど(苦笑)。とくに話題になったものだと「人の財布」という企画があって、これは物理的に財布を受け取って、中身を出して、写真とか、レシートとかの情報を読み込んで、ネットの検索で調べる……みたいな。
謎解き系の企画ってネタバレ厳禁だったり、イベントを開催している場所まで足を運ばなきゃいけないであったり、条件が厳しいものが多かったと思うんですけど、そこがクリアされているのもすごいなぁと。
――新しさを感じるコンテンツに触れると、「自分のゲーム制作に活かせそう」みたいに思うものですか?
橙々:それはありましたね。物理的にモノを手に取って謎解きをする体験がおもしろかったので、「アクおど」でもなんらかのグッズをお届けしたうえで謎を解いてもらうみたいなことはしてみたくなりました。
――今のところは完全新作でゲームを作るというよりは、「アクおど」の世界を広げていくほうに創作のモチベーションは向いている感じですか?
橙々:そうですね……もうしばらくは「アクおど」に注力しようかなと思っているんですけど、「アクおど」とはぜんぜん関係ない新作も考えてはいます。「作れ」と言われたら作業に取り掛かれるくらいには練っているので、「どちらに舵を切ろうかな?」というのはいつも考えていますね。いつかは作りたいと思っています。
――「アクおど」の新展開も、将来的に制作するであろうまったく新しい作品の展開も、それぞれ楽しみにしています。ありがとうございました。
(C)daidaisan,Frontier Works,Gotcha Gotcha Games,2025
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