ふるさと納税の仲介サイト使用料1656億円に 寄付額の13%相当
ふるさと納税は寄付額の増加に伴い、制度のゆがみも大きくなっている。総務省によると、2024年度に地方自治体が仲介サイト側に支払った費用は1656億円で、寄付額の13%に上った。返礼品の調達など他の経費を差し引くと、自治体の手元に残るのは寄付額の半分程度にとどまる。
総務省が仲介サイトに関連した費用を公表したのは初めて。負担の実態を明らかにし、サイト運営会社に過剰な手数料をとらないよう促す狙いがある。
24年度の募集にかかった経費総額は前年度比で9%増の5901億円だった。寄付額に占める割合は46.4%と2.2ポイント低下したものの、寄付の半分ほどが返礼品やサイト運営会社などに流れる構図が続く。
都市部ではふるさと納税による税収の流出が拡大した。25年度の市町村民税の控除額合計の全国1位は横浜市で、控除額は13%増えて343億円、控除適用者は7%増えて47万人だった。控除額に対して寄付の受け入れ額は小さく、差し引きで大幅な減収となった。2位は名古屋市の198億円、3位は大阪市の192億円だった。
都市部の税控除額が大きいのは、ふるさと納税を利用するメリットの大きい高所得者が多いためだとみられる。高所得者はもともと税負担が大きいため、より多くの金額を寄付して高額な返礼品を得ようという考えになりやすい。
総務省は返礼品自体は容認し、都市部の税流出もやむを得ないとの立場をとる。ふるさと納税が税収の安定した都市から地方への財源移転に役立っているとみている。25年度の市区町村分を含めた住民税の控除額が24年度の寄付額を上回って流出超過となる都道府県は東京、神奈川、埼玉など8都府県のみとなる。
ニッセイ基礎研究所の高岡和佳子主任研究員はふるさと納税の弊害を抑えるには、募集経費の上限引き下げや税控除の縮小といった対策が必要だと指摘する。「まず国は利用者や関与する企業を含めた業界構造を把握すべきだ」と訴える。