梨さんの『ふり』に思いを馳せる
今回は梨さんのオモコロ記事『ふり』について考察してみました。
おじさん構文のアレですよ〜🥸👇
ネタバレありきで、色々思ったことを交えて考察していきます。
◆考察
◎誰も彼もが「なにかのフリ」
何度か文章を読み返してみて、ふと思ったのが、サクラ男性の話に出てくるものがみんな「なにかのフリ」をしてるものばかりだなぁ〜、ということ。
どういう点かというと……
◈粘着オジサン
→“紳士的な年上男性” の「ふり」をした “下心丸出しオヤジ”。
ブログでは「若い女の子との会話を楽しみ、人生の先輩として色んな話を聞かせてあげてる」ふうを装ってはいるが、言葉の端々から「知り合った女の子と直接会っていかがわしいことがしたい」と思ってるのが滲み出て隠せていない。
あと、マッチングアプリを使える女学生(=18歳以上の大学生)より “十数年” 年上だと言ってるけど、実際は “数十年” だろうなぁ〜🙄っていう古い文体。
年齢もサバ読んでいそう。
◈サクラ男性
→出会い系アプリのサクラとして女の子の「ふり」をした男性。
最後にマッチングアプリで「おおゆみもりこ」に「本営」されてるのに気づかず彼氏の「ふり」をしていることにもなる。
◈マッチングアプリの業者
→データ入力のバイトの「ふり」をしてマッチングアプリのサクラを管理。
あとはペーパーカンパニーを多用して実態の伴わないことをしている。
“ごみ捨て業者”の「ふり」をした”不法投棄業者”。
“空き家” の「ふり」をした “仏壇以外空っぽで、誰も住んでないほったらかしの家” を所持。
◎【オオユミモリコ】とは?
・そして今作で一番大きな存在がこちらですね。
【オオユミモリコ】
もり子という者達がいる。
これは大抵盲目の婦人で、病家などへ招かれて八百万の神や先祖以来の仏を呼び集め、また自分に仏を乗り移らせて、祖父であるなどと名乗りつつ種々の告げをする。
大弓もり子ともいう。
梨さんの創作ではなく、本当にこの人名みたいな名前の伝承が茨城県に実在したという……😅
・青森県の「イタコ」と同じような存在らしい。
モリコは仏(先祖の霊)を降ろすときに「大弓」を使っていたようですね。
「梓巫女」と似てる。
・なんで「病家に招かれる」のかと思って調べてみたけど、どうやら昔の人は、病人が出ると祈祷師やらイタコやらに口寄せをしてもらって、原因を探ったりしていた……?
医学も発達していない時代は、純粋に「病気」で病人になるというよりは、「何かの障り」で病人になると思われていたんですかね。
・またイタコの口寄せといえば「死んだ母親を降ろしてもらって会話した」とかのイメージ強いですけど。
実際は「本当に霊を降ろしている」わけではなく、「死人や神仏の口を借りて」悩みに答える、カウンセラーみたいなものだったらしいです。
ただの “盲目の女性” に言われるよりも、“神仏や先祖の霊” のお告げだ、という体のほうが受け入れやすくトラブルになりにくかったんでしょう。
つまり【オオユミモリコ】とは “神仏や先祖の霊” の「ふり」をしている存在であるといえます。
◎マッチングアプリのサクラ
・さて、【オオユミモリコ】がどういう存在なのか踏まえた上で、「マッチングアプリのサクラ」というものについて考えたいと思います。
【オオユミモリコ】が「先祖の霊のふり」をしていたように、サクラバイトの人たちは「別人のふり」をして、ターゲットとチャットをします。
・冒頭の粘着オジサンなんかは、たぶん自尊心をくすぐるられるような「オオユミさん」の態度と相槌で、自慢話じみた昔話を気持ちよく語っていたのかな?
サクラの裏話を知っている我々としては、“男性ユーザーにたくさん時間を使ってもらうためのやり口” だと理解できる。
一方で、オジサンは他の「女性ユーザー」とは違う何かを「オオユミさん」から感じ取ってるっぽいんですよね。
・また、「おおゆみもりこ」を「彼女」だと思い込んでいたサクラ男性の言葉によると、彼女は “色んな人の愚痴を聞いていた” ようですね。
もしかして、この怪異は本来の【オオユミモリコ】のようにカウンセラー的にアプリユーザーと関わり合っているのでは……?
「おおゆみもりこ」はユーザーが理想としているような人物の「ふり」をして、求めているような「受け答え」をしてあげてるんじゃないかと推測。
サクラ男性はこの「おおゆみもりこ」さんの真似をして、「オオユミさん」として粘着オジサンとチャットをしていましたから、同様ですね。
・粘着オジサンはもちろん、サクラ男性までもが “本物の彼女” だと思い込むくらい入れ込んでいるわけですから、よっぽど理想的な女性像になってるんでしょう。
☆『誰かの「ふり」をする』人だらけのマッチングアプリという土壌に、『誰かの「ふり」をする』ことに長けた怪異が居着いちゃった話なのかな〜、って私は解釈しました。
◆残ったモヤモヤ
あとは色々考えたものの、消化しきれなかった諸々を書き出していきます〜
憶測ばっかりです。
◈「おおゆみもりこ」さんは誰?
・ややこしいですけど、サクラ男性が「彼女」だと思い込んでいた「おおゆみもりこ」さんのことです。
「おおゆみもりこ」さん=伝承の【オオユミモリコ】なのか?
それとも「オオユミモリコ」のコピー的存在なのか?
・そもそも、仏壇を捨てに行った時に出てきたらしい「怪異としてのモリコ」が何者なのかが分からんからなぁ。
生前【オオユミモリコ】をしていた女性なのか、【オオユミモリコ】の真似をした別の霊なのか……
・チャットして相手を虜にするスキルはあるようだから、やはり元【オオユミモリコ】か……?
個人的には、生前【オオユミモリコ】だった霊が怪異化したもの説を推します👻
余程【オオユミモリコ】としての仕事が好きだったのかもねぇ。
わざわざ「オオユミモリコ」だと名乗って、死後もやってるくらいだし。
◈「オオユミモリコ」に気づかない謎
・マッチング業者から「オオユミモリコ」という名前の異常性を聞かされているのにも関わらず、サクラ男性は「彼女」の名前がそれと同一であることに最後まで気づかない。
→「オオユミモリコ」はチャットで通じてる相手に、彼女の名前が「オオユミモリコ」であることを認識させない?
また、顔写真欄も同様。
・あと気になったのは、業者側が”「オオユミモリコ」に似てきている”と判断する材料は何なのか?
今までおかしくなった人たちの様子と比較して?
でも、今回のサクラ男性のケースは完全に捕捉できてなかったよね?
もし、上記考察の推論通りに、“相手に合わせてチャットの女性像が変化する” としたら、今までの「オオユミモリコ」の特徴なんて意味が無いわけで……
・そうすると、時々「オオユミモリコ」になりかける人物が出ているのは何なんだろう……?
この様子だったら、誰にも知られずに活動を広げられそうなもんだけど🤔
もしかして、「オオユミモリコ」という存在は誰かに認識してもらってないと存在できない、とか?
だから定期的に業者の前に、あからさまな「オオユミモリコ」になりかけてる人を配置して認識してもらってる……?
仏壇から怪異を呼び出しちゃったのが、この業者の人たちだから「オオユミモリコ」的には依頼主は彼らになるのかしらねぇ……
う〜ん、わからん。
◈サクラ男性のブレについて
・冒頭で「専門学校2年生のときのバイトの話」だと言ってるんですけど、途中で「大学2年の僕」とも言っていて、これは意図的なのか?
・あと、「彼女」が接客業をやっていて大変そうだったから「接客業はやりたくない」と言ってるのに、結局やってるのはその「彼女」とほぼ同じ内容の「接客業」なの気持ち悪いよね😅
→無意識にマッチングアプリのサクラのバイトを選ぶように誘導されている……とか?
・わりと最近の話だろうに、昔の話を語る風なところも気になる。
(オジサンのブログで「この御時世で〜」云々言ってるので、おそらくコロナ禍の頃の話だと思われる)
「法的にグレーなバイトは若さゆえの憧れで相殺されてたから。
勿論今だったら絶対にやりませんし、勧めもしませんけどね。」
サクラ男性、「オオユミ」さんとは別に、他の人格乗り移ってたりする?
◈オジサンはどうなったのか……
・業者から指定された「仏壇が置いてある空き家」の住所を教えられて、意気揚々と向かったんでしょうが……
嫌な予感しかしないよね😓
「こっちは住所を聞かれたから答えただけだ、あとは会いたい人のところへ勝手に行くだけだから俺たちは関係ない」
→「会いたい人」って「オオユミモリコ」?
それか、仏壇に降ろしたどっかの霊とマッチングさせられてる?
“直接会えない” って言ってるのにしつこく聞いてきて、アプリの規約違反をするような邪魔なオジサンは排除されちゃってそうだよネ……🥲
・なんか、怖いお兄さんたちも、そういう「マニュアル対応」をするよう知らぬうちに誘導されてるのかなー
そしたら実質、マッチングアプリ乗っ取られてるね〜
◈「誰かのふりをする人のふりをする人のふりをする人の話です」
梨さんの投稿にあった一文です。
「誰か(=神仏)のふりをする人」
→【オオユミモリコ】
「のふりをする人」
→おおゆみもりこ(彼女)
「のふりをする人」
→サクラ男性
……でいいのかな?
気味悪くて気持ち悪くて最高でした☺️
そういえば情報提供者の古田さん(仮名)の読み方は「フルタ」じゃなくて「フリタ」ですかね?
そんで「フリタ」という読み方の苗字で検索すると、もう一つだけヒットして「降田」って出るんですけど……
「仏を降ろす」今回の話とは関係あったりする?😇
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