2025-07-31

大学馬術部がいかに終わっているか

タイトル大学馬術部が終わっていると書いたが、正確な表現ではない。

正しくは「大学馬術部を取り巻く環境が終わっている」のだ。

私は某大学馬術部に所属している。

大学によって状況は千差万別だろうが、基本的馬術部は馬術部の馬を所有している。

自前で厩舎を持っているところ、乗馬クラブに預託しているところ、いろいろあると思うが、共通しているのは「部の馬の飼養に必要な金を学生が払っている」ということだ。まあある程度は大学から予算を下ろしてもらっているだろうが、それでまかない切れるような額はもらえていないだろう。

足りない分は部費として部員からかき集めて払うことになる。が、大学生がそんな大金を持っているはずもない。よっぽどの大所帯でもない限り、日々のバイト生計を立てている学生から毟るにはあまりにも酷な額を請求することになってしまう。

ではどうやってその足りない資金調達するのか。その答えが、「使役バイト」であり、これこそが終わっている環境象徴でもある。

馬の世界の人は「使役」だけで呼ぶのでこの日記でも以後は使役とだけ書かせていただくが、使役というのは部単位で受けるバイトのことである

クラブ使役大会使役の2種類に大別されるが、私はクラブ使役には行ったことがないのでとりあえず大会使役の話をする。

しばらく使役カスさを語るフェーズに入るが、どうかお付き合いいただきたい。

大会使役簡単に言えば馬術大会雑用バイトである

障害馬術なら障害を組み立てたり、組み替えたり、撤去したり、競技中に馬が落とした横木(障害馬術検索して出てくる障害物のバー)を掛け直したり、馬が入退場する門を開け閉めしたり、出番が近づいた選手を呼び出したりする。

馬場馬術なら審判が付けた点数と短評を書き留めるセクレタリーという仕事をしたり、これまた入退場門を開け閉めしたりする。

大体土日の2日日程か金土日の3日日程。朝の7時くらいに始まって、夕方の4時5時くらいに終わる。それなりの確率でまとまった休み時間存在せず、短い時で実働7時間、長ければ10時間オーバー労働基準法的にはバリバリアウトなのだが、学生立場が弱いので何かアクションを起こしたりはできない。あと馬術部に残ってるような奴は過重労働に慣れているのでこなしてしまう。ある意味これが悲劇でもある。

そうしてもらえる日当が1人1日8000円~10000円くらいである。最低賃金1163円/hの東京でもそう。余裕で最低賃金を割り込んでいる。

そして交通費が出ないこともザラである。これが個人的使役カスポイントの最たる例であると思う。

世田谷馬事公苑みたいな例外を除いて馬術競技場は公共交通機関が死んでいるため、基本車で来る必要がある。たまに部車を持っているところもあるが、私のところは持っていないので毎回レンタカーを借りている。場所次第だが、2日間のレンタカー代とガソリン代を合わせると2万近くかかる。これは全部学生持ちである大会側が来てくれと頼んでいるのにである

はっきり言って普通社会では到底許容されない薄給労働と言えるだろう。

ちなみに基本使役で貰った日当は全て飼養費に充てられるため、学生の懐は一切温まらない。学生個人で見れば給料ゼロ長時間労働だ。これに慣れてしまうと、自分バイトをしている時間自分のために使える金を生み出している事実に嬉しくなってしまう。私がそうだ。これは人間として絶対に間違っている姿だと思う。

ここまで読んだ方はこう思ったのではないだろうか。「そんなにクソなら行かなきゃいいじゃん」と。これがそうもいかないのである

理由は主に2つ。

1つは、1度使役を断ると次の依頼が来なくなるから。まず基本クソ条件しかないので、まともな条件だけ選べばほとんどの使役依頼は消え去る。使役がなくなれば餌代を払うこともままならず、結局自分が困ることになる。環境改善を求めようと思ったら全国の馬術部が一致団結してストライキでも起こすしかないが、囚人のジレンマバリバリに働いて実現不可能である

もう1つが深刻な問題で、大会運営が身内だったりするからである。学馬連という組織があり、そこには様々な大学馬術部が所属するとともに、馬術界の偉い人が役員に就いているので、学馬連と絡みがある人が大会運営にいたりすればもう断ったりできないのだ。馬術業界は超をいくつ付けたらいいか全く分からいくらいのコネ世界。馬を手に入れるにも、技術を身に付けるにも、何につけコネがなければできないことが溢れている。関係性の悪化は常に自分の死を早めるのだ。部として存続するためには使役を受け続けなければならない。

馬術部員である以上使役からは逃れられない。使役はクソ。なので馬術部員である以上クソから逃れることはできないのである

ちなみにここまで使役をクソクソ言ってきたが、普段活動使役よりキツい場所もある。私のところがそうだ。金を出さないだけで金を取って行きはしない使役よりも、金を払って仕事をしている普段の方がある意味凶悪とすら言える。

なお、こんなことをしていてちゃん継続する部員がそうそういるはずもなく、入部した1年生が3年生になる頃には良くて半分、悪けりゃ1人も残らない。

使役で一緒になるどこの大学と話しても大体似たような状況だ。継続不可能になって廃部になったところも知っている。

まあ大学部活なんて物好きがやればいいと言われればそれまでだが、物好きすら継続が難しいような状態をずっと放置し続けている時点で学生馬術未来は暗い。

馬に乗りたいなら乗馬クラブに月謝を払って乗った方がずっといい体験ができるだろう。少なくとも、金を払って働くことはないのだから

大学馬術部に入るのはおすすめしない。

そこにキラキラした青春は待ってなどいない。青春に感じるかもしれないが、それはキラキラと輝いてはおらず、強烈な汗の臭いと馬糞と馬尿と埃とオガ屑に塗れたシロモノである。唯一輝いているのは馬の瞳だけ。それだけを励みにこの世のものとは思えないカスみたいな労働環境に身を置く覚悟がある奴だけが馬術部に入るべきだと思う。

少なくとも、こんなふざけた環境改善されるまでは。

そして、改善される日が来るとも思わないから、やっぱり馬術部はおすすめしない。

  • 学習院かな まじで可愛いし綺麗よな馬 厩務に携われるのも部活ならではの醍醐味だから 生き物としての馬ガチ勢には悪くないと思うけどな

    • 高度な乗馬技術のため(コーチが金儲け度外視で教えられる高度なことを全部教えてくれるから)、厩務作業から馬に携わるため、みたいな理由なら馬術部に入ったらいいと思います。 大...

      • 馬術部、ヨット部、自動車部、腐っても体育会所属でサークルじゃ無いんだから、 甘っちょろい感覚で入った元増田が馬鹿なだけだろ。 練習時間、部活の時間よく考えて入れよ。

        • 多少クソでも馬がかわいいからやってみよう、と思って入り、案の定クソだったんですよ。 文句垂れながら一応卒業までは続けるつもりです。 ちなみに馬術サークルなんてものはないで...

          • おつかれちゃん ワイも障害やってたけど音楽といっしょで馬術やヨットはお金持ちの子のスポーツだよな 金銭感覚が合わんかったわ

  • 映画のエキストラも無給ボランティアを要求するチンカスジャップランドの中ではまだお金くれるからマシなのでは

  • 金を出すのに躊躇しないお坊ちゃんお嬢ちゃんの趣味かと思ってたが 人足も提供しないとコネが維持できないのか

  • 使役バイト文句言うのは当たり屋すぎだろ 自分達も出る大会運営に人員必要でバイト代出るだけましなのに、そんな文句言うならボランティアにするか? 馬事公苑以外の場所への移動...

  • 部の予算についてよく分かってないあたり文句言ってて使役バイトの解像度がそれなりなの二年なんだろうな。 部運営に関わってればこんな馬鹿なこと言わないのに。 OB支援も細そうだ...

    • 先輩がやめてったんで部運営に関わらざるを得なくなったんですよ。部の予算についても把握してます。そのうえでこう思ってます。 付属はあるけど馬術が強いところじゃないしOB支援...

      • 部の予算把握してるんだったら『あある程度は大学から予算を下ろしてもらっているだろうが、それでまかない切れるような額はもらえていないだろう。』とか書かないだろう

  • 馬に乗りたければ、将来金になる競馬学校に行けってことなんだろう。

  • どこの運動部もそんなもんだよ ボランティアという名の強制労働

  • うーんこれはAI

  • 馬術部っていうのは、上流階級の人だけが加入できる部で、部員からの寄付で全部賄えるのが基本でしょうに。 使役も事実上のサービスで行っているだけで、それを金銭目当てにやるほ...

  • 幕府が存続していたら武芸振興のために馬術部に補助金が出ただろう 戦前復古でなく維新前復古を目指す政党を立ち上げて議員を国会に

    • 戦車道なら防衛省から予算が出るぞ なお有事に予備自衛官として前線へ

  • 金が無いのに馬術部に入るのが無謀やろ ダビスタかウイニングポストで予習しとけ

  • うちの大学は馬術部の部費高くなかったよ 学費が高いからな!!

  • ゴルフ部や自動車部とか金持ちしかできない趣味を一般人に門戸開こうとするとこうなっちゃうのか。 自然にお金は湧き出ちゃくれないもんなあ。 サッカーが世界的に人気なわけだ。

  • お馬さん

  • あなた自身はなーんでそもそも馬術部に入部したの?

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