家族関係がよくても、この“不感症”ともいうべき病は、無縁とも限らない。適切な感情表現ができない人が増えている背景にSNSなどの普及があると語るのは、マーケティングライターの牛窪恵さんだ。

「例えば、『うざい』という言葉です。嫌悪感や不快感を示す時に使うケースは60代では5%程度ですが、20才未満では8割が使っています。他にもイライラする、目障りだ、カチンとくる、腹が立つなど、いくらでも表現はありますが、“うざい”でひとくくりにしてしまう。

 LINEなどSNSを多用すると言葉ではなくスタンプでの伝達が習慣になり、感情表現までスタンプ的な即時的なものになる。“腸が煮えくりかえる”なんて表現はかなり客観的に捉えないと出てきませんが、そうしたやりとりを、そもそも日常でしなくなっているんです」

 SNSの普及が感情を表現したり、客観視したりすることを妨げている。少し前に流行った「激おこぷんぷん丸」も時代を象徴した言葉。

「これは非常に象徴的。“すごく怒ってるんだけど!”と素直に出してしまうと“楽しい雰囲気なのに、空気が読めない”と言われて角が立つから、あえて怒りの感情を茶化してネタにする。SNSは周囲と同調しなくてはいけないツールなので、感情を押し込めなくてはいけないんですね」(牛窪さん)

 小番被告の妻も夫の凶行に自分がまるで無反応だったことについて、「もともと修羅場が苦手で、空気を壊すのが苦手で、目を背けたかった」と、自己分析している。

※女性セブン2016年5月26日号

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