AIを使ったサービスを手がける東京のスタートアップ企業「オルツ」はことし4月、売り上げを水増ししている疑いがあると明らかにし、弁護士などでつくる第三者委員会を設置して詳しく調査していました。
第三者委員会の報告書によりますと、この会社では4年前から広告代理店などに広告宣伝費や研究開発費の名目で出した資金を別の会社を通じて売り上げとして回収する、いわゆる「循環取引」が繰り返されていたということです。
2024年までの4年間で不正な会計処理によって過大に計上された売り上げは119億円余りに上り、多い年では売り上げのおよそ9割に上っていたとしています。
オルツは去年10月に東京証券取引所のグロース市場に上場しましたが、会社は監査や上場審査などで事実と異なる説明や資料の改ざんをしていたということで、第三者委員会は「監査制度や上場審査制度の根幹を揺るがしかねない強い非難に値する行為である」と厳しく批判しました。
また、不正は当時の米倉千貴社長が関わっているとも指摘していて、米倉社長は28日付けで辞任しました。
東証はオルツの株式を監理銘柄に指定し、上場廃止の基準に該当するかどうか調べる方針です。
AIサービス企業 不正会計で売り上げ水増し 約9割過大計上
AIを使ったサービスを手がける東京のスタートアップ企業が、不正な会計処理で売り上げを水増していたことが明らかになり、調査した第三者委員会は多いときで売り上げのおよそ9割が過大な計上だったとする調査結果を公表しました。これを受けて会社の社長が28日付けで辞任しました。