新型コロナ感染者の療養施設で性的暴行をされたとして、女性看護師が鹿児島県医師会の元男性職員に損害賠償を求めていた裁判で、鹿児島地方裁判所は30日、女性看護師の訴えを退けました。
この裁判は、鹿児島市の新型コロナ感染者の宿泊療養施設で2021年、女性看護師が県医師会の元男性職員に複数回にわたって性的暴行を受けたとして、男性におよそ1140万円の損害賠償を求めていたものです。
この問題を巡っては、女性看護師は2022年に男性を刑事告訴し、男性は強制性交の疑いで書類送検されましたが、鹿児島地方検察庁は不起訴処分にしました。
女性看護師は去年、これを不服として検察審査会に申し立てましたが、検察審査会は「不起訴処分は相当」と議決しました。
きょう30日の判決で、鹿児島地裁の前原栄智裁判長は「原告の女性が主張する事実は認められるが、これらは双方の同意によるもの」などとして、女性看護師の訴えを退けました。
判決後、女性看護師はコメントを発表し、「記憶から消すこともできず、事件後、精神科に通院しなければならなくなりました。裁判所の判断には納得できません」と述べました。
女性看護師の代理人弁護士は会見で、判決を不服として控訴する考えを明らかにしました。
(原告側・藤村元気代理人)「(裁判所の姿勢が)かなり加害者寄り、男性寄りであるという風に感じる」







