自分の10年越えTwitterログが超記憶として対話可能に!Twilog専用MCPサーバーが使えるようになりました。
Twilogを運営しているTogetterの代表、およびエンジニアの @yositosi です。
4月にTwilogの課金プランを改定、さらに先月には「いいねインポート」機能も提供させていただきました。おかげさまで、多くのユーザの皆様にご利用いただけており、TwilogおよびTogetterの危機的な状況もかなり改善しつつあります。サポートいただいている皆様、本当にありがとうございます。
さて、今回は、Twilog初のAIプロダクトがリリースされましたので、そのプロモーションとなります。
MCPサーバーとは?
皆さんは、最近話題のMCPをご存知でしょうか?AIのプロダクトを追いかけている方やエンジニアの方々はその盛り上がりを把握されていると思いますが、多くのTwilogユーザの方々は、知らないワードなのではないかと思います。簡単にいってしまうと、ChatGPTなどのAIクライアントが、MCPというプロトコルを通して、外部のサービスのデータを読み込んだり、逆に書き込んだりといったことを自律的にできるようになる仕組みです。
ChatGPTやClaudeなどのAIモデルは、通常はあるタイミングまでのデータで学習しているので、最新のニュースは知らなかったり、今日の天気を聞いても分かりません。それらに対して、MCPは「僕はこういう知識があるから、これについて聞いてくれたら答えられるよ」みたいな感じでAIに対して自己紹介しているような振る舞いをします。すると、AIは、ユーザとの対話の中で、最新の東京の天気について聞かれてるぞとなった際に、さっき天気に詳しいって自己紹介してたMCPがあるからそいつに聞いてみよう。みたいな振る舞いを自動的にします。面白いのは、ユーザが特にこのMCPを使ってと指示しなくても、文脈の中で自己判断して使うMCPを切り替えてくれるという感じです。
Twilog専用MCPサーバーの機能
そこで、ユーザの個人のTwilogのデータを参照できるMCPをAIに繋いでみるとどうなるでしょうか?なんと、AIはTwilogに保存されているユーザのポストやいいね、ブックマークなどの過去数年分の全てのテキストが検索可能になってしまいます。しかも、ユーザは自然言語で問い合わせることができて、「昨日、いいねしたポストってなんだっけ?」や「6月に行ったご飯屋さんについてまとめて」みたいな質問で、AIがTwilogから必要なデータを引っ張り出してきて、適切にまとめてくれるようになってしまいます。
Twilogのアーカイブのことを、よくユーザの皆さんが「記憶装置」と呼んでいるのを見かけます。Xにツイートしておくことで、いつ何をやったとか、何を買ったとか、風邪で倒れてたのいつだっけ?など、自分が覚えていられない自分のライフログや情報を溜め込んでおける外部の記憶装置として機能しているわけです。
そんな外部装置としての機能が、今回のMCPサーバーを通してAIに取り込まれることで、超記憶装置として生まれ変わります。これまでは、Twilog上で特定のキーワードで検索したり、その日のログを見に行ったりする必要がありましたが、AIを通せば、言葉で思考してそれを書き込むだけで、AIが良しなにMCPを介して該当のログを探してきてくれて、更にはまとめてくれたり、レポートにまとめたりしてくれます。それはまるで、自分の記憶を日付含めて全て覚えている自分より遥かに優秀な自分のような感じです。
例えば、「去年のラーメンについてのポストまとめて」と聞いてみましょう。
問い合わせてみると、自動的に去年の日付を指定して、「ラーメン」というワードを検索してくれています。が、検索結果が物足りなかったのか、追加で「麺」というワードや、「美味しい」「うまい」などのキーワードを自動で追加して広く検索結果を調べてくれました。これまでであれば、知りたい結果に対して必要なキーワードは自分で考えて、自分で検索して整理する必要がありましたが、AIがユーザのニーズを解釈して、自動的にワードや範囲を調整して結果を返してくるようになります。
通常であれば、調べたいワードや日時を指定してTwilog上で検索するわけですが、その検索する行為やワードを考える行為含めて、AIが代替してくれることで、新しいユーザ体験を提供できているのではないかと思います。MCPという簡易なプロトコルに対応することで、既存のサービスに対して、低いコストでAIによる利便性を提供できるようになるのは、面白い仕組みだなーと感じました。今後、MCP対応っていうのは増えていきそうですね。
MCPサーバーの設定方法
MCPサーバーを連携して使用するには、MCPに対応しているAIクライアントを利用する必要があります。MCPは業界標準のプロトコルとして支持されていますので、ChatGPTやCursorをはじめ、多くのサービスがMCPクライアントとしての動作を提供していますが、ここではMCPの産みの親であるanthropic社のClaude For Desktopを使うのをお勧めします。Claudeは、ChatGPTと並ぶ性能のLLMを提供している企業で、それと同等の機能や性能を提供しているので、普段はChatGPTを使っていますという方でも、簡単に使うことができると思います。
Claudeのアカウントが無いというからは、無料プランで構いませんのでアカウントを作って、Claudeがデスクトップ上で起動できるようにしてください。
その後、Twilog専用MCPのエクステンションをダウンロード(v1.0.1)して、クリック、もしくはアプリにドラッグして読み込んでください。
すると、このようなMCPサーバのインストール画面が表示されると思います。こちらから、インストールボタンを押すと、拡張機能の設定画面が表示されます。そこで、「アクセストークン」の入力を求められますので、自分のTwilogの設定画面から発行したアクセストークンをこちらに入力して利用を開始してください。
「アクセストークン」の設定が終われば、インストールと設定は完了です。あとは、チャット画面で、AIに対して調べてほしいポストの話題を支持するだけです。
もし、他のクライアントからもこのMCPを利用したいという方は、対応状況も調べつつ、直接MCPサーバーを設定するなどしてご利用いただければと思います。具体的なサーバーのURLなどは、Twilogのヘルプの方に記載していますので、そちらをご覧ください。
ClaudeDesktopへのインストールに失敗する場合
インストール時に「一部の要件が満たされていません」というメッセージが表示される場合は、お使いの環境にnode.jsというソフトウェアがインストールされていない場合が多いようです。その場合は、公式サイトからパッケージをダウンロードしてきてインストールしてみてください。
インストール後に、再度、Claudeを再起動、およびエクステンションをインストールし直してみてください。エラー文言が非表示になればnode.jsを正しく使える状態になっていると思われます。
加えて、Windowsの場合は、初期バージョン(v1.0.0)ではなく、修正バージョンのv1.0.1をお使いください。
MCPへの指示のポイント
ポイントとしては、TwilogとかTwitter(X)やポストといったTwilogのMCPを使ってデータを取得する必要があることを、文章の中でAIに伝える事を意識してください。AIがどのツールを使ってどのようなパラメータと駆使すれば、ユーザが必要とする情報を得られるのかの判断材料を文章の中でうまく提供していく必要があります。決して、丁寧な文章である必要はありませんが、部下への明快な指示をする意識でいると良い結果を提供してくれるのでは無いかと思います。
一応、このMCPサーバが提供しているパラメータを紹介しておきます。これらのパラメータがあることを理解しておくと、AIへの指示の幅も広がってくるはずです。
timeline_filter:ツイート・いいね・ブックマークのどのタイムラインからデータを取得するかの指示(複数指定可能)
keyword:検索したいワードの指定(複数指定可能でその場合はOR検索となります)
startDate,endDate:取得するポストの範囲を指定(年月日)できます。時間での範囲指定には未対応
include_retweet:リツイートを含むか否か(デフォルトOFF)
まだ、ベータ版であり、使えるパラメータは多く無いのと、レスポンス結果もシンプルなものなので、高度な結果を取得するのは向いていませんが、日毎のちょっとした調べ物や、特定のテーマでログを抽出するなど標準的なTwilogの使い方はこれらで十分なのではと思います。
MCPサーバーの利用方法
このMCPサーバーは、Twilogの課金プランで500円以上のプランをご利用中の方に限って提供させていただきます。これらのプランを使っている方ですと、取得しているポスト数も多く、またXのブックマークの収集機能も使っていただけますので、MCPサーバーの効果をより感じていただけるのではないかと思います。また、MCPサーバーを使うと、通常使うよりも多くのリクエストや計算処理をサーバー側で提供する必要があることから、上のプランをご利用中の方にサービスを限定させていただくことを、ご理解いただければ幸いです。
また、本機能は、通常利用に対しての付加的な位置付けのサービスとなりますので、不具合への対応や機能拡充、さらには使い方のサポートなどは致しかねますのでご了承ください。
一方で、MCPの仕組みがあれば、さまざまなツールやサービスと本機能を介して利用できる環境が広がっていきますので、ユーザーの方々の創意工夫次第で、Twilogが新しい価値を持つことも可能になるのではと考えています。毎日のToDoをポストしていけば、それ自体がタスク管理ツールとして機能するかもしれませんし、日々食べたものを投稿しておくと、後からAIが自動的に今週の摂取カロリーを判定してくれるようになるとか。これまでのXへ投稿していたライフログが、急にデータベースとしての価値を持ち出したり、超記憶として自己の拡張として機能し出したりするかもしれません。
いずれにせよ、XでのポストをTwilogでアーカイブしておくことのメリットがこれまで以上に高まることは間違いありません。ご利用中のユーザの皆様は、引き続きXとTwilogを活用いただければと思います。また、Xは使っているけどTwilogは使っていない、しばらくログインしていないよという方もご安心ください。Twilogには、Xのアーカイブをインポートする機能や、いいね・ブックマークの過去分を全て取り込むオプションもありますので、いまからでもすぐにXのフルアーカイブを構築することが可能です。つまり、明日からこの超記憶機能をご利用いただくこともできるわけです。ぜひ、日々のポストをより価値あるポストへとTwilogを介して昇華させてみてはいかがですか?
Twilogは、日々進化しています。ぜひ、これからもよろしくお願いいたします。最新情報やお問い合わせなどは、Twilogの公式アカウントをフォローしてご利用ください。
コメント
1twitlogにデータを集中させて管理しようと思うんだけど、エクスポートがcsvオンリーなのが気になったので保存されてるtweetオブジェクトのjsonをまんま落とせるようにして欲しい