ご新規さんを大量獲得できた理由とは
参政党が、ご新規さんを大量獲得した要因は何だろうか。まずは強みであったネット戦略がハマったことが大きいと思う。参院選に入る前から、参政党はネット広告やショート動画の拡散に力を入れていた。22年参院選の頃から動画配信者に自分達の演説などを好きなように撮らせて拡散させてきたから、こうした売り込み方は他党よりも長けている。
動画サイトで「参政党」と検索すれば、「この演説がすごい!」のような肯定的なものばかりが出るようになっている。神谷代表が熱く叫び、所属議員が国会質問で一喝するようなシーンなど、切り抜きが拡散されていた。
こうした動画の検索にブーストがかかったのは、選挙直前での梅村みずほ氏(日本維新の会を離党)の加入がきっかけだった。所属国会議員が5人になり、テレビの党首討論などに呼ばれるようになったため、一気に露出が増えたのだ。
「投票してみよう」の要素が揃っていた
「日本をなめるな」「日本人ファースト」は、「今までが間違っていた」というニュアンスを含んでいて、現状を打破したい人にとっては後押しに感じたのだろう。
参政党は、日頃の不満を政治にぶつけたい人、閉塞感を感じている人、将来を不安に思う人、外国人観光客や移住者に脅威を感じている人、今を生きづらい人たちもターゲットにしている。例えば「働きたくない女性は子育てに集中して、働かなくてもいい」みたいな発言もあれば、「外国資本が日本経済の低迷を招いた」みたいな言説まである。こうした型にハマらない主張に胸を躍らせる人、他責的な言動にホッとする人がいることは責められない。そういう人達が、参政党を身近に感じることができたのだと思う。
さらに参政党は、22年の参院選、23年の統一地方戦、24年の衆院選を経て、地方へも手を広げてきた。地方議員が約150人いて、全国各地に280以上もの支部を持っている。もともと「投票したい党がないから自分達で作る」がコンセプトで、素人集団ではあるが熱を持って政治活動をしてきた。チラシ配りやポスター張りなども地道に続けていた。「日本人ファースト」や積極財政に惹かれた人、自民党は嫌だと思っていた人達の受け皿としても機能しただけでなく、なんとなく興味を寄せ、検索して動画を見て気に入った人が、各地で党の活動に触れやすかった。
以上のようなことから、多くの人が「投票してみようか」となる要素は揃っていたといえるだろう。「普通の人」のはずの友人や知人が、参政党に投票したと知って驚いた人もいるはずだ。

