カムチャツカ半島で4mの津波観測 地震で負傷者も 現地報道
ロシア・インタファクス通信は30日、カムチャツカ半島沖の地震で、同半島の一部で目測およそ3~4メートルの津波が観測されたと報じた。 【動画】千島列島北部パラムシル島に押し寄せる津波 また、同半島の中心都市ペトロパブロフスク・カムチャツキーでは、幼稚園の建物の外壁が崩落したり、家具や商店の棚が倒れたりするなどの被害が出ている。地元メディア「KAM24」が伝えた。国営タス通信によると、負傷者が数名出ている。地震発生時に避難しようとして窓から飛び降りるなどしたという。(駒木明義) ■トランプ氏「最新の情報を確認して」 米でも津波警報 カムチャツカ半島付近を震源とするマグニチュード(M)8.7と推定される地震を受け、米国では29日夜、ハワイ州やアラスカ州西部に津波警報が出された。太平洋に面する米西部のカリフォルニア州やワシントン州、オレゴン州にも注意報が出された。 米地質調査所(USGS)によると、M8.7の地震の後も震源地周辺ではM6.9、M6.3の余震が続いている。米国の津波警報センターは、ハワイ州やグアムといった太平洋の島だけでなく、南米ペルーやチリでも1~3メートルの津波が到達すると予想している。 米CNNによると、ハワイ州ではグリーン知事が直ちに沿岸部から避難することを呼びかけた。住民や観光客が高台に避難しているが、交通渋滞も起きているという。米ABCは、ハワイ州の沿岸地域で避難を呼びかけるためにサイレンが鳴らされていると伝えた。カリフォルニア州ロサンゼルスでは安全のためにビーチを閉鎖しているという。 トランプ米大統領は自身のSNSで津波警報が出されたことについて発信し、「最新の情報を確認して。安全に!」と呼びかけた。(フロリダ州=市野塊) ■太平洋の島国の多くも津波警報 太平洋の島国の多くも津波警報や注意報を出した。西太平洋のミクロネシア連邦の政府当局は、30センチから1メートルの津波が到達する可能性があるとの注意報を発出。住民に対し、海岸から離れ、海での活動を避けるよう呼びかけた。 ニュージーランドの国営ラジオによると、南半球のトンガでは警報が出され、首都ヌクアロファで避難所に指定されているビルの最上階に周辺の学校の生徒らが避難。洋上の船舶には、水深が深い海域へ移動するよう呼びかけがあった。 AP通信によると、太平洋地域ではフィジー、サモア、ソロモン諸島などでも警報や注意報が出ている。 インドネシア気象気候地球物理庁は、同国東部を中心に計10の地域で0.5メートル以下の津波が起こる可能性があるとして、海沿いの住民に対し避難を呼びかけた。(武石英史郎、河野光汰)
朝日新聞社