北海道新聞(4月10日)によると「ロシアの左派野党「公正ロシア」ミロノフ党首は、1日、党の公式サイトで「一部の専門家によると、ロシアは北海道にすべての権利所有している。」と唐突に表明。
具体的な根拠を示さず「日本人はロシアの土地を取り戻し、第二次世界大戦の勝利の結果を修正しようとしている。」と日本の北方領土返還要求をけん制した。」とあります。
そもそも、1941年に日ソ中立条約を結んでいたにも関わらず、一方的な条約破棄により1945年8月8日のソ連の「かけこみ参戦」で占領した北方領土は、国際法上無効になります。日本の北方領土返還要求は、当然の権利です。
J-castニュースでは、以下の事が述べられてています。
「ミロノフ氏が言う「一部の専門家」「多くの専門家」が、具体的に誰のことを指すのかは不明だ。ただ、「レグナム通信」では、政治学者のセルゲイ・チェルニャホフスキー氏が「東京(日本政府は)は、歴史的にロシア領であった北海道を不適切に保持している」と主張していることを紹介している。
この主張によると、日本とロシアとの国境を択捉島と得撫島の間に引くことを決め、北海道が日本領だとされた1855年の日露和親条約は「純粋な誤解」。北海道について次のような主張を展開していた。
「ロシア人開拓者が交易のために開発、植民地化を行い、利用していた。そこ(北海道)にはアイヌ民族が住んでいた。サハリンやウラジオストク近郊、カムチャッカの南部に住んでいるのと同じ民族で、ロシアの民族のひとつだ」
1855年の日露和親条約(日本とロシアとの国境を択捉島と得撫島の間)↑
調べてみますと2018年12月、プーチンは、モスクワで開かれた人民評議会で千島列島等に住むアイヌ民族をロシアの先住民族に認定するという考えを示した。
1855年の日露和親条約を無効として、アイヌ民族をロシア民族とする考えは、荒唐無稽とは、この事を言うのでしょう。
3月14日のブログで保阪正康の「昭和史 7つの謎」の中で特にソ連の北海道占領計画があったことを報告させてもらいました。
敗戦後、スターリンは、トルーマンに対し、「ソ連が領有したい地域は、千島列島と北海道北部を包含せしむべく、この区域は、釧路より留萌に至り両市を含む線をもって画定」したいという事であった。
釧路から留萌の斜め線で、上がソ連領、下が日本領となり、ドイツと同じ形態になるという事です。
トルーマンは、「日本本土はマッカーサーへ降伏する事になっているので認められない」と断わった。
8月14日にポツダム宣言を受諾して日本が降伏したわけだが、8月8日のソ連の「かけこみ参戦」にトルーマン自身の反撥があったようです。
一方、北海道新聞(4月10日)では、「ウクライナに侵攻したロシアの経済制裁を強化する日本政府に対し、ロシア国内では、反発の声が続室している。~ロシアのネットメディア「レグナム」は、ミロノフ氏の発言を引用し、「スターリンが北海道を占領しなかったのは間違いだった」と指摘。北海道を結び付けた非論理的な主張を日本への批判材料に持ち出している」とあります。上述のスターリンが希望していた北海道の半分を領土としたい事を引合いに出すとは、あきれる限りです。
考えられるのは、ロシアが、北海道に領土的野心から北海道を侵略する時は、常套句として、アイヌ民族保護のためと言うかもしれません。
一方で、ロシアの武力紛争の取材を続けるジャーナリスト・常岡浩介氏:「現実的にロシア軍が北海道に上陸作戦をする能力があるかといえば全くない。すぐに軍事的な脅威があると見る必要はない」
「常岡氏は、軍事的な脅威と直ちに断定することは、ロシアのプロパガンダに乗っかることになると警鐘を鳴らします。」と言う意見もあります。
どちらにしても、米軍基地がない北海道は、日米同盟をより強固にし、備えるべきかもしれません。
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