東証、オルツを上場廃止に 売上高最大9割水増しの不正で
東京証券取引所は30日、東証グロース市場に上場している人工知能(AI)開発のオルツを8月31日付で上場廃止にすると決定した。新規上場申請時に申請書類の財務諸表などに虚偽の情報を記載し、上場承認を得ていたと認めたため。
オルツは25日、過去の決算で計上した売上高のうち最大で9割が過大計上によるものだったと発表していた。主力のAIを使った議事録作成サービスで利用実態の伴わない取引を売り上げに計上し、第三者委員会を設置して調査を進めていた。
上場廃止の理由について東証は「新規上場申請書類に記載された虚偽の内容は、21年12月期から23年12月期までの売上高の大部分にかかわる極めて重要かつ巨額なものであった」としている。オルツは24年10月に上場したばかりで、上場後10カ月あまりでの上場廃止は異例だ。