埼玉県川口市内での性犯罪再犯事件で懲役8年の判決を受けたトルコ国籍のクルド人で無職、ハスギュル・アッバス被告(22)は、判決が確定した場合、別の事件の執行猶予が取り消される懲役1年と合わせて9年間の刑期となる。日本国内の刑務所で服役後、トルコへ強制送還される見通しだ。
出入国在留管理庁は不法滞在者の強制送還を進める計画「不法滞在者ゼロプラン」を進めている。昨年6月の改正入管難民法施行で送還が可能になった難民申請3回目以降の人や、重大犯罪者を中心に、入国警備官ら護送官つきの強制送還を順次行っている。
入管庁は重大犯罪者について「3年以上の実刑前科者」としており、ハスギュル被告も該当。このため「刑務所での刑期が終了したら、真っ先に送還対象となる」(入管関係者)。
場合によっては、入管施設収容中に送還忌避を狙ってハンストなどの抵抗手段をとられないよう、刑務所を出所した後にそのまま国際空港へ移送してすぐに送還する「直送」と呼ばれる方法がとられることもあるという。
一方で、刑期の途中であっても本人の希望で本国へ移送し、その国で刑の執行を続ける「国際受刑者移送制度」もある。日本は欧州の国際機関「欧州評議会」と移送条約を結んでおり、同評議会はトルコも加盟しているため、ハスギュル被告が希望すればトルコで罪を償うこともできる。
法務省は「日本である程度の刑期を務めなければ対象にならない上、本国でも日本で本来服すべき刑が担保されなければ認められない」(成人矯正課)と説明。ただ、実際に移送されたのは平成16年から昨年末までの過去20年間でトルコを含む35カ国566人で、多くはない。
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