アパートやマンションなどの隣人トラブルで、壁をドンドンと叩かれた(叩いた)、という話を一度くらい聞いたことがあるだろう。“壁ドン”と呼ばれるこのトラブルは、その多くは、生活する上での騒音が原因となっているようだ。具体的にはどのようなシチュエーションで起こるのだろう?実際に遭遇した人たちの声を聞いてみた。
服飾系の専門学校に通うTさん(10代)は、学校の課題で洋服をつくることがたびたび。課題の提出期限に間に合わせるため、夜中までかかることがあるのだが、ミシンを踏むガタガタッという音で、隣の部屋から「壁ドン」されたそう。課題は提出しなければならないし、迷惑にならないよう少しずつミシンを踏んで、朝までかかって課題を提出したのだとか。翌日謝りに行ったところ「夜中は勘弁して」とキツく言われてしまったらしい。
音楽好きのHさん(20代)は、友人3人と自宅でお酒を飲んでいて泥酔状態になり、盛り上がってDJ大会に。好きなCDを選んでラジカセで流すだけなのだが、一番盛り上がるのがスキャットマン・ジョンの曲。友人と大笑いしながらモノマネをしていたら、やはりうるさかったようで、上の階の人から「床ドン」を受けてしまった。少しボリュームを下げて再開したが、結局警察(!)を呼ばれる事態に。不動産会社からも注意され、後日、上の階の人に菓子折りを持って謝りに行ったのだとか。
1歳の息子を持つSさん(30代)は、子どもが泣いてもうるさくないように、賃貸でも壁が厚い分譲マンションタイプを選んだのだとか。ところが隣の部屋に住む女子高生は、毎日夜中になると家族の目を盗み、窓を開けて延々と2時間、3時間の長電話。窓を閉めても話し声や笑い声がうるさくて、子どもは起きてしまうし自分も寝られない。「壁をドン」と叩くと静かになるが、しばらく経つとまた話し始める。そこで後日、女子高生の親に注意しに行ったところ、その日から窓を閉めて電話をするようになったらしい。
隣人関係が希薄になったと言われて久しい現在、大勢が暮らすアパートやマンションは、ちょっとした事でもトラブルになりやすい。騒音になることが避けられない事情がある場合は、事前に上下階、左右の部屋の人にだけでも伝えておくのが、平和に暮らすコツかもしれない。
ちなみにこの“壁ドン”という言葉。最近は、恋愛にまつわる言葉としても使われている。男性が壁に手を掛けながら、女性を口説く様子を言うのらしいのだが、かたや「隣人トラブル」、こちらは「恋愛シーン」と、その温度差は相当なものだ。