千葉市が今年3月、議員による市職員への政党機関紙の購読勧誘の実態を調査したところ、勤務時間中に勧誘を受けたり、集金に応じたりするケースが相次いでいることが30日、市への取材で分かった。勧誘を受けた職員のうち7割が「心理的な圧力を感じた」と回答したことも判明。事態を重く見た神谷俊一市長は、市議会に配慮を求めたが、勧誘側の会派は反発している。
昨年6月に採択された陳情を受け、管理職898人を対象に令和3年以降の実態を調査した。回答した623人のうち、105人(17%)が勧誘を受けたと答えた。このうち70人(67%)が「勤務時間中に勧誘を受けた」とし、庁舎内で対面で勧誘された割合は43%。7割が「心理的圧力を感じた」と回答した。
集金場所については、「窓口・カウンター」と「執務室内」を合わせると93%。集金時間は「勤務時間中」が36%を占めた。
関係者によると、共産党の「しんぶん赤旗」に関する勧誘、集金行為が目立つという。庁舎管理規則では、庁舎内で物品の販売や勧誘活動を行う際には事前に許可が必要だが、共産党議員が申請を出したケースは近年では一度もない。
勧誘を受けた105人の職員のうち購読したのは56人で、現在も購読しているのは39人。購読を続ける理由(複数回答可)について「解約を申し出づらいから」が30人、「解約したときの周囲の職員への影響に配慮して」が14人で、ほとんどの職員が本音では解約を希望している実態が浮き彫りになった。
職員からは「議員による職場での勧誘は、職員の立場に配慮して自粛してもらいたい」「庁舎の内外を問わず、議員が職員に対し政党機関紙の購読を勧誘することを禁止すべき」「勧誘された場合に断ることができるか不安になり、ストレスを感じる」などの意見があった。
この問題を巡っては、令和2年の管理職向けアンケートでも勧誘を受けた人のうち約7割が「心理的圧力を感じた」と回答。勧誘数自体は減っているものの、問題は改善されていない。
神谷市長は今年5月、「勤務時間中に勧誘や集金があったという回答も一定数みられ、結果を重く受け止めている。職員への政党機関紙の購読勧誘に対し、十分配慮してほしい」と文書で依頼。これに対し、市議会の松坂吉則議長は「誠に遺憾に感じている。職員に圧力を感じさせることがないよう最大限配慮し、集金などについても場所に配慮するとともに、勤務時間外に徹底するよう各会派に周知した」と回答した。
一方、共産党千葉市議団の中村公江幹事長は産経新聞の取材に「(勧誘は)私たちと職員との信頼関係で合意に基づいて実施しており、政党にも購読をすすめる自由がある。職員へのアンケートを市が行うことで、恣意的で不公平な結果につながる」と反論した。(松崎翼)
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