宮城野親方退職に「整理が付かない」 一つの「家族」壊れる前に何かできなかったのか

宮城野親方
宮城野親方

宮城野親方が角界を去ることになった。歴代最多となる45回の優勝を誇る元横綱の経験、知見が継承されないことは非常に残念だ。

問題の発端となった北青鵬の暴力の非道さと、その監督責任を考えれば、宮城野部屋の閉鎖は致し方なかった。とはいえ、一門や相撲協会は、退職届が出る前に何かできなかったか。

一方で、そもそも弟子の北青鵬が暴力問題を起こす前に、宮城野親方が真っ当に導いてあげられていれば、北青鵬の力士人生も守れていただろうし、部屋の閉鎖も今回の退職もなかった。

宮城野親方は現役後半、独善的な振る舞いをするたびに相撲協会から注意を受けていたが、どこかで変われていれば、こうはならなかったのではないか。そう思えてならない。旧宮城野部屋の関係者は「他の不祥事との処分の差など同情の余地はあるけど、(部屋の閉鎖は)自業自得でもある。『あと半年したら戻す』と言っているのだから辛抱を、と伝えていたのだが…」と話す。

力士は原則、別の相撲部屋に移籍できない。寝食を共にし、苦楽を分かち合う相撲部屋は家族のようなもの。師匠が父親で弟子は子だ。宮城野親方を慕って入門してきた〝子〟たちを置いて、去っていく〝親〟は何が言えるだろう。幕下炎鵬は「整理が付かない」と神妙な表情で語った。やるせない。(宝田将志)

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