横山光輝『三国志』 独特な「張飛」の描き方に意見続々 一般的イメージに疑問の声も
横山光輝『三国志』における張飛は、のちの三国志作品と比べて独特の造形をしています。そのことを掘り下げていくと、史実と創作が入り混じった三国志の流動性なども見えてきます。
「愛着」と「違和感」の間で揺れる読者の意見
マグミクスは先日、「横山光輝『三国志』は例外なのか? 「張飛」の描き方、今のイメージと大きく異なるワケ」という記事を配信しました。『三国志』の主要人物である張飛のイメージについて解説した記事内容に、多くの読者から多彩な意見や考察が寄せられました。
【画像】「いろいろありすぎだろ(笑)」 これが近年の創作物における「張飛」です(6枚)
前述の記事では、日本における三国志ブームの草分けとなった横山光輝『三国志』(以下、横山三国志)における武将、張飛の描写が、現代の一般的なイメージと大きく異なっている点を解説しています。横山三国志では精悍な顔つきの長身の豪傑として描かれた張飛が、現代の作品では丸顔に虎髭で、ずんぐりむっくりした体格として表現されることが多いです。横山三国志の連載当時は日中国交正常化以前だった事情から、中国で一般化した張飛のビジュアルを取り込めなかった可能性についても言及しています。
読者のコメントからは、横山三国志のキャラクター造形に愛着を持つ人が多数存在することがわかります。一方、「前情報を得た状態で横山光輝先生の三国志を読んで、確かに張飛の外見に違和感を覚えていました」という声もあり、受け止め方は三国志との出会い方や時期よって異なるようです。
史実と創作の境界を更新し続けている?
ある読者は、「張飛は創作物、特にゲームだと知能の能力が低く、一騎打ちだけ強いといった書かれ方をされることが多いけど、実際は将軍としてほぼ負けなしの実績がある」とコメントし、外見だけでなく性格描写においても、後世の作品での単純化に疑問を呈しています。
またある読者は「正史だと関羽より張飛の方が戦績がいい。張飛は智謀を発揮したとも明記されている」と指摘し、演義と正史の差についても踏み込んだ考察を展開しています。
さらに議論は張飛だけでなく、「趙雲も横山三国志が例外なだけで、中国では京劇の影響で昔から若い美男子のイメージが定着してる」「呂布と貂蝉は兄妹兼西洋ハーフと刷り込まれて久しかった」など、他の武将のイメージ形成にも広がっています。
記事を通じて浮かび上がるのは、三国志という作品が「史実」と「創作」の境界を絶えず更新し続ける文化現象であるということです。「張飛」という、ひとりの武将の描写を入り口に、世代を超えて三国志が愛される理由が垣間見えました。
(マグミクス編集部)