22日の朝、新聞を広げると、1面に大きな見出し。「中国が学校建設に協力:2000億フラン(約5百億円)の資金を教育に」と出ている。バグボ大統領と中国人の代表団の記念撮影が、表紙を飾っている。さっそく目を通す。
「中国の航空機産業の代表団12名が、コートジボワールを訪れ、合計215校の高等学校・専門学校を建設することを約束した。この中国代表団は、ブルレーネ国民教育相が10月に中国を訪問したことを受けて、今回さっそく中国側から派遣されたものである。
本件協力計画は、事前調査を行ったうえで、学校教育の分野に総額2000億フラン(約5百億円)の学校建設計画を実施していくものである。この資金により、まず英才教育用の高等学校を、各州の州都に1つづつ、合計19校を建てる。それに加えて、更に173の専門学校、23の高等学校を、全国に建てていく計画である。建設は、明年(2009年)の10月から始められる。
中国代表団は、21日、ソロ首相と会談したほか、バグボ大統領に謁見した。バグボ大統領は、大変ご満悦で、次のように述べた。
『コートジボワールと中国の協力関係は、いまや大変重要である、中国により、既にアビジャンには文化劇場が完成し、首都ヤムスクロには国会議員会館が完成し、ガニョア(注:バグボ大統領のお膝元)には病院が建設されつつある。人口の7割が30歳以下であるコートジボワールにあって、国民教育の分野に中国が協力してくれることは、大変喜ばしい。』
中国代表団はバグボ大統領に対して、コートジボワールの教育レベルの向上のために、中国はあらゆる貢献をしていく、と約束した。」
学校給食の話で、コートジボワールのいろいろな人から、日本への感謝の言葉を繰り返されてきたばかり。私は、結構いい気持ちでいたところだったので、同じ教育の分野で中国に先を越される話には、複雑な気持ちだ。しかも、これだけの額、これだけの規模の協力案件を示されると、その迫力にはとても太刀打ちできない。日本が行った学校給食の協力は、せいぜい数億円でしかないし、昔に出した資金の話でしかない。
もちろん、まだ報道に出ただけの話でもあり、2000億フランという額もにわかに信じ難い。いったいどういう性格の資金なのか、借款なのか贈与なのかも分からない。しかし、バグボ大統領以下の政府首脳が、直接受けている話であることは、確かである。中国が教育分野に本格的に乗り出してきている、というメッセージは、コートジボワール政府に対して、さらに報道を通して国民に対して伝わっている。
コートジボワールの人と話をすると、よく日本は世界第一の援助大国だ、と言ってくれる。私は敢えて否定しない。重要なのは量よりも内容だからだ。量で言うと本当のところ、もう世界第5位に落ちている。経済不況の下での緊縮財政から、政府開発援助は毎年2~4%を減らすという方針であり、10年前に比べると、予算はなんと4割減になっている。でも、援助額は小さくても、本当に感謝される経済協力というのはある。日本はそういうところで頑張る。そこはちゃんと、コートジボワールの人々に評価されるはずである。
それに、子供たちの教育の分野は重要である。日本が出来なくても、中国が代わって行ってくれるというなら、コートジボワールの子供たちにとって、それはそれで幸せなことだと喜ぶべきであろう。
「中国の航空機産業の代表団12名が、コートジボワールを訪れ、合計215校の高等学校・専門学校を建設することを約束した。この中国代表団は、ブルレーネ国民教育相が10月に中国を訪問したことを受けて、今回さっそく中国側から派遣されたものである。
本件協力計画は、事前調査を行ったうえで、学校教育の分野に総額2000億フラン(約5百億円)の学校建設計画を実施していくものである。この資金により、まず英才教育用の高等学校を、各州の州都に1つづつ、合計19校を建てる。それに加えて、更に173の専門学校、23の高等学校を、全国に建てていく計画である。建設は、明年(2009年)の10月から始められる。
中国代表団は、21日、ソロ首相と会談したほか、バグボ大統領に謁見した。バグボ大統領は、大変ご満悦で、次のように述べた。
『コートジボワールと中国の協力関係は、いまや大変重要である、中国により、既にアビジャンには文化劇場が完成し、首都ヤムスクロには国会議員会館が完成し、ガニョア(注:バグボ大統領のお膝元)には病院が建設されつつある。人口の7割が30歳以下であるコートジボワールにあって、国民教育の分野に中国が協力してくれることは、大変喜ばしい。』
中国代表団はバグボ大統領に対して、コートジボワールの教育レベルの向上のために、中国はあらゆる貢献をしていく、と約束した。」
学校給食の話で、コートジボワールのいろいろな人から、日本への感謝の言葉を繰り返されてきたばかり。私は、結構いい気持ちでいたところだったので、同じ教育の分野で中国に先を越される話には、複雑な気持ちだ。しかも、これだけの額、これだけの規模の協力案件を示されると、その迫力にはとても太刀打ちできない。日本が行った学校給食の協力は、せいぜい数億円でしかないし、昔に出した資金の話でしかない。
もちろん、まだ報道に出ただけの話でもあり、2000億フランという額もにわかに信じ難い。いったいどういう性格の資金なのか、借款なのか贈与なのかも分からない。しかし、バグボ大統領以下の政府首脳が、直接受けている話であることは、確かである。中国が教育分野に本格的に乗り出してきている、というメッセージは、コートジボワール政府に対して、さらに報道を通して国民に対して伝わっている。
コートジボワールの人と話をすると、よく日本は世界第一の援助大国だ、と言ってくれる。私は敢えて否定しない。重要なのは量よりも内容だからだ。量で言うと本当のところ、もう世界第5位に落ちている。経済不況の下での緊縮財政から、政府開発援助は毎年2~4%を減らすという方針であり、10年前に比べると、予算はなんと4割減になっている。でも、援助額は小さくても、本当に感謝される経済協力というのはある。日本はそういうところで頑張る。そこはちゃんと、コートジボワールの人々に評価されるはずである。
それに、子供たちの教育の分野は重要である。日本が出来なくても、中国が代わって行ってくれるというなら、コートジボワールの子供たちにとって、それはそれで幸せなことだと喜ぶべきであろう。
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