世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家の関係を巡る問題で、日刊紙「世界日報」の名前が度々浮上する。名古屋市の河村たかし市長は過去に同紙のインタビューに公務として応じたことを問われ、「旧統一教会とは別法人で特定団体の機関紙ではない」と釈明した。本当のところ、両者はどんな関係なのか。
世界日報は「世界日報社」が東京や沖縄の一部で発行する日刊紙で、電子版もある。同紙を巡っては立憲民主党の石垣のりこ参院議員が7月20日、短文投稿サイト「ツイッター」で「統一教会の機関紙」と表現。同社は翌日、「機関紙ではない」と激しく抗議し、謝罪とツイートの削除を求めている。
また2019年に同紙のインタビューに応じていたことが明らかになった河村市長は7月27日、記者団に「特定団体の機関紙ではなくマスコミの取材に応じることは当然の務めだと認識している」と説明。ただ、今後同様の依頼があったらどうするか聞かれると「こういう状況下だから紛らわしいことはやらない方がいい。ちょっと遠慮してくれと言う」と述べた。
機関紙・機関誌とは「政党や研究所などの団体または個人が、その活動内容などの発表・宣伝・連絡のために発行する新聞や雑誌類」(広辞苑)。同紙のサイトでは「1975年の創刊以来、一貫して『正しい報道』をモットーに、グローバルな視点から、信頼できるオピニオンを提供するよう努めてまいりました」と記載。旧統一教会への言及は全くない。
一方、旧統一教会の公式サイトをみると、創始者の文鮮明、韓鶴子両総裁を説明する中で、言論界での功績として「日本で『世界日報』(75年)や米国で『ワシントン・タイムズ』(82年)、韓国で『世界日報』(89年)を発刊」と明記されている。
両者の関係をどう見たらいいのか。霊感商法被害救済担当弁護士連絡会の渡辺博事務局長は「機関紙ではないが、『統一教会系の新聞』と言えばいい。世界日報は自立経営できるはずがなく、統一教会から多額の資金が出ているわけだから」と指摘する。世界日報の元関係者によると、旧統一教会の幹部らが役員を務め、関連企業からの広告掲載料などが経営を支えているという。
「機関紙」と「統一教会系新聞」。似て非なるものとはいえ、なぜそこまで敏感に反応するのか。世界日報社に「機関紙」を巡る抗議の意図について取材を申し込んだところ、「石垣氏とのやり取りであり、お答えする義務はありません」との回答だった。そこで、元信者で世界日報記者だった金…
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