1日12トンの馬ふん発生する競馬場、自前で堆肥化…来場者に無料配布する日も
佐賀競馬場(佐賀県鳥栖市)に競走馬の馬ふんで堆肥(たいひ)を作る施設が完成し、佐賀競馬を主催する県競馬組合が今月から、希望する農家への堆肥の無償提供を始めた。大半を焼却していた処分コストの削減と地元の農業への有効活用が期待されている。組合によると、競馬の主催者が自ら堆肥を生産し、農家などに無償提供するのは全国初の取り組みという。(緒方慎二郎) 【写真】落とし物?…競馬場の来場者に無料配布される小袋入りの馬ふん堆肥
組合によると、佐賀競馬場では現在、700頭余りの競走馬が飼育され、1日に12トンの馬ふんが出る。これまでは約7割を焼却処分し、残りは堆肥作りを手がける生産団体などに引き取ってもらっていたが、年間約7000万円の経費がかかっていた。
このため、組合は3億1500万円を投じて競馬場南側の駐車場跡地に馬ふん堆肥化施設を整備。1日4・5トンの馬ふんを堆肥の原料にし、年間656トンの堆肥を生産する。年間約1400万円の経費削減効果を見込んでいる。
施設は広さ1225平方メートル。1次、2次の発酵槽や悪臭吸着槽などの14区画があり、馬ふんを3か月で堆肥にできる。ビニールカーテンで区画を覆うといった臭気対策、水分が外に出ないようにする排水対策も施している。
施設は今年3月に完成。4月から馬ふんの搬入を始め、堆肥作りを進めていた。できた堆肥は主に土壌改良材に適しており、毎週木曜に登録した農家に無償譲渡する。また、特定の競馬開催日には来場者に小袋入り(2キロ)を数量限定で無料配布する。
18日には施設の見学会が開かれ、堆肥利用の希望農家やJAさが、行政機関の関係者らが参加。施設の内部や堆肥を軽トラックに積む様子が公開された。