残酷な、残酷な描写(TCG基準)注意
お手元に甘いもの、落ち着ける飲み物を用意してごゆっくり鑑賞してください。
「コード・
男はそう言った。
だが何も起こりはしない。
男のデッキは輝きを発揮せず、手札にも精霊の気配はない。
……精霊のカードだろうとも、私の闇の領域を打ち破る事は出来ない。
片手を超える数の精霊使いを屠ってきた私の闇は誰にも破れはしない。
ファイターを屠り、精霊を喰らい尽くすごとに闇の領域は、運命を支配する闇は色を濃くしていく。
この男もまた私の闇を濃くするための薪に過ぎない。
「俺のターン」
男の土地は6枚。
指齧りと首齧りのダメージで増えた五枚の土地が加わった結果。
「レディ・アップキープ・ドローフェイズ」
それがターンの始まりと共に
くく、土地の数だけはあるがそれ以外はなにもない。
当然だ。
まだ2ターン目なのだから。
「メインデッキから1枚ドロー、<透過現象>を手札に加える」
デッキトップの、公開されているカードを手札に加える。
決して変えることの出来ない運命。
次のデッキトップは瞬間魔法<廃棄憶>か。
「ライフデッキから1枚ドロー、引いた土地カードをコストゾーンにセット」
ライフデッキから引いたカードをセット。
土地が7枚に増える。
中々の数だ。だが問題ない。
やつの手札は全て把握している、ここから展開しても墓地に落ちているカードを見ても勝負はつけられない。
「メインフェイズ1。2コストで瞬間魔法<残らずの契約>をプレイ。通りますか?」
「ん?」
<残らずの契約>だと?
確か効果は……
「効果を説明します。俺は自分のメインデッキの一番上のカードを除外する」
そうだ。
これは自分のデッキを削るサーチ魔法。
「このカードが、これにより追放された他のカードと同じ名前を持たないかぎり、このカードを自分の手札に加えてもよい。これは、カードを手札に加えるか、同じ名前のカードを2枚追放するまで、この手順を繰り返す」
欲しいカードを見つけ出す魔法カード。
墓地に送るのではなく除外。
再利用も出来ない除外を代償に、たった2コストで使えるという強さがあるが、それだけ。
たったそれだけの欠陥品。
【誰も見向きもしないカスレア】だ。
なぜならば。
「今のお前の共鳴率で使えるとでも?」
完全なギャンブルカード。
「通りますか」
欲しいカードを見つけ出すまでに
自分のデッキを削るだけになってしまう欠陥カードだ!
「無駄なのだよ。自分でも気づいているのだろう? お前の共鳴率は弱まり、いや、失われている!」
「通りますか」
「教示してやろう。私の闇のフィールドは「通りますか?」
「遅延行為はやめてくれませんか、俺はこのカードをプレイしたいだけなんだ」
「ッ……愚か者が! 使えばいいだろう」
よほど、自分の共鳴力に、いや引き運に自信があるのだろう。
「効果を使用します。デッキのトップを捲り、これを除外する」
<
本来ならば、捲り、それが追放されないかどうか公開するまでは見えないはずだが……
「ほう! そうか、私のハンドグールの効果を利用したか!」
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
公開されているデッキトップが引き抜かれ、除外ゾーンに送り込まれる。
「デッキトップは公開されている。ダブルカードがあれば手を止めるだけでいい、それならば……」
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
公開されているデッキトップが引き抜かれ、除外ゾーンに送り込まれる。
「リスクを踏み倒して、カードは必ず手に入れることが事が出来る!」
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
公開されているデッキトップが引き抜かれ、除外ゾーンに送り込まれる。
「なんとも機転が利いた良いコンボだ」
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
公開されているデッキトップが引き抜かれ、除外ゾーンに送り込まれる。
「しかし、君が狙うカードを引き当てられるかな?」
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
公開されているデッキトップが引き抜かれ、除外ゾーンに送り込まれる。
しかし、何が狙いだ?
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
やつのデッキにはなにか逆転のカードでもあるのか。
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
捲られるカードを見る。
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
まだ除外されていなかったカードだ。
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
私はそのカードを知っている。
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
しかし、なんのデッキだこれは?
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
デッキの意図が読めない。
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
妨害に、
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
デッキからカードを落として
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
今のはライフと引き換えに、クリーチャーを蘇生する秘宝カードだったはず。
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
かなり前には大型の、コストが10を超えるような大物がいたが。
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
カウンターの解除クリーチャー?
なんらかのメタカードか。
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
まだ被らない。
まったくもって。
「さらにデッキトップを捲り、これを除外する」
紙束というしかないデッキだな。
「処理を続行していきます」
カードが捲られる。
まだ除外されて出ていないカードだ。
だが私はそのカードを知っている。
「これは除外します」
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
――うん?
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
――まて。
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
――まだ。
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
――めくるのか?
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
――墓地の数、いや、除外ゾーンを見る。枚数は。
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
――もう20を超えている、だと!?
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
――まて!
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
「まて!!」
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
「いつまで引く?!」
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
「なんだ!? 何が目的だ!」
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
「何のカードを探している!」
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
カードが捲られる。まだ除外されていないカードだが、私はそのカードを知っている。「これは除外します」
終わらない。
まだ終わらない。
デッキの半分を超えてもまだ捲りが終わらない。
そして。
「まだ出ていないカードのため、除外し、次のカードを引きます」
まだ。
1枚も。
同じカードが。
出ていない。
「まさか……!?」
「まだ出ていないカードのため、除外し、次のカードを引きます」
「”ハイランダー”か!?」
全てが
ありえないはずのデッキ。
Lifeを覚え始めたばかりでカードをろくに持たない素人が作り、必ず崩すデッキ。
私が知る限り、その使い手は唯一人。
「まだ出ていないカードのため、除外し、次のカードを引きます」
あの最強の傭兵ファイター。
――【精霊狩り】のみ。
「馬鹿な!? まさか、貴様があの精霊狩り――」
「まだ出ていないカードのため、除外し、次のカードを引きます」
カードが捲られる。
そのデッキトップに出てきたカードは<残らずの契約>。
――ハイランダーではない!?
「これも除外します」
カードが捲られる。
出てきたカードは<テスタロッサの墓「これも除外します」 除外される。
終わらない。
デッキを削った数はもう40枚弱。
なのに、まだ引くなど……
「あっ」
「これも除外します」
――気付いた。
「これも除外します」
――やつの手札。
「これも除外します」
――やつの墓地。
「これも除外します」
――やつのマナの数。
「これも除外します」
まて!
私は手札を見る。
「これも除外します」
なんとかしろ!
まだだ!
「これも除外します」
まだ終わっていない!
妨害さえ、あれさえ防げば!
「これも除外します」
私の土地は、2枚とも使い切っている!
くそ!
いやまて、確か。
「デッキは残り3枚。これも除外します」
あった。
こんなこともあろうかと、デッキにいれて。
「残り2枚。これはキープ、<拒絶の条約>を手札に加えます」
おいたのだ!
そうだ! まだだ、まだ終わっていない!
私の土地が3枚あれば、延命も。
「お前の土地は2枚だけだな」
ぁ。
「メインデッキ残り1枚。手札からコスト1で瞬間魔法<残骸回収>をプレイする、通りますか」
あ。
「<残骸回収>の効果で、墓地から<テスタロッサの墓守>をデッキトップに戻します」
ああ。
「コスト1で魔法<熟考>をプレイ。通るならデッキトップからカードを2枚確認し、好きな枚数を好きな順番でデッキの一番上から並べて、残りをデッキボトムに送る」
「ありえない!」
「俺は、1枚をデッキトップに配置し、1枚をデッキボトムに配置」
デッキトップに置かれたカードが、ハンドグールの効果で表示にされる。
それは。
それは!
「そして、1枚ドローする」
「ありえないんだ!!!」
<テスタロッサの墓守>
「2コスト支払い、<テスタロッサの墓守>をプレイします――通りますか?」
その効果は。
「ありえない、ありえない、ありえなぃいいいいいい!!」
場に出てきた時。
「さっさと答えてくれよ」
デッキの枚数が、コントロールしているクリーチャー以下だった場合、ゲームに勝利する。
「ありえない! こんなことが」
これは墓守の数も含まれて。
「
男の残りのデッキ枚数は1枚。
あ、
あああああああああああああ、
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ、
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!
「<テスタロッサの墓守>を召喚し、俺はゲームに勝利する」
私は傷一つつかずに。
「グッドゲーム。対戦ありがとうございました」
敗北した。
これは本物だよ。
誰がどう言おうが決して変わらない真実だ。
だって本物なんてもうないんだからさ。
――残らずの契約