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苦境の小説家が、この先を生き抜くすべとは。

ストレートエッジの三木です。

小説家を取り巻く状況も、一昔前に比べて相当厳しい時代になってきました。いくつか理由はあるのですが、まず、社会全体として賃上げ気運があり実際に最低賃金がアップされ、インフレによる物価高になっているにもかかわらず、作家の原稿料は上がっていないためです。

自分の記憶では、10年以上あがっておらず、基準単価は昔のままです。

社会全体の消費者物価指数的にはこの10年で120-150%は上がっています。

総務省|報道資料|2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)6月分 (soumu.go.jp)

社会全体の物価は上がっているのに(つまり貨幣の価値は下がっているのに)、原稿料は据え置かれたまま……ということは、原稿料の価値が下がっているということになります。
おおよそ、10年前の7割程度の価値になっているとも考えられます。

光熱費や食糧費、家賃といった生活費は上がるのに、収入は上がらない……ステルス値上げならぬ、ステルス値下げというわけです。

自分の経験則ですが、大手版元だとしても、作家へ支払う原稿料や原作使用料はなかなか上がることはないです。出版不況のあおりで、経営層から常に編集部はコストダウンを指示されています。その中では、どうしようもないことなのかもしれません。

ところで、作家は原稿料だけではなく印税による分配があります。印税は当然、書籍の定価に比例します。そして実は書籍の値段は、資材の高騰もあり上がり続けています。だとしたら、作家の収入も比例して上がっているのでは?と思われるかもしれません。

しかし、それは間違いです。
業界の地盤沈下が、書籍の価格を上げる幅以上に激しいからです。

業界報によると、近年の書籍の年間発行点数は漸減となっていますが、それは電子オンリーのタイトルが増えたからでしかありません。確実に刊行点数は増加の一途をたどっています。そして、作家の数も年々増えていきます(小説家に引退という概念は基本的にはないため、毎年デビューする人間が市場に増えていくことになる)。

そもそも出版市場自体も右肩下がりにシュリンクしています。これが意味するところは、1タイトルあたりの売上(購入される部数)の平均が下がるということです。
購買読者の数が一定(もしくは少し減っている)なのに、刊行点数が増え続けると当たり前ですが、作家一人あたりに払ってくれるお金も下がります。


この二重の苦境によって、とくに令和に入り、作家の収入はかなり厳しくなっています。

このままでは、小説家を目指す人口が減り続け、小説というエンタメが衰退してしまいます。

もちろんそれが市場競争における自然の摂理という見方もありますが、なにも手を打たずに見過ごすことは、僕は違うと思っています。


僕は20年間、ずっと小説の編集者として働くことで、この業界に育てられてきました。喜びも悲しみも辛さも感激も、すべて小説から与えてもらいましたし、僕を成長させてくれました。

僕を育ててくれた、小説家が生み出す創作物は、昔も今も、超一流の面白さを兼ね備えた作品がたくさんあります。そして、今後もそんな面白い作品がどんどん生まれていってほしいと思っています。

そんな人生の恩人を与えてくれた小説家の皆様が今、厳しい現実に直面している。このままでは、小説家を目指す子供たちがいなくなり、面白い小説が生み出されることが少なくなっていってしまいます。

小説は、あらゆるエンタメの源泉です。大成功している多くのメディアミックス作品のオリジンです。

しかし、3か月から半年かけて書いて準備した作品の印税が、今では100万円を切る金額なのはザラです。

原点を生み出すはずの小説家が、金銭的苦境に立たされ、「お金がない」「儲からない」ためにいなくなってしまうのは全く間違っている!! と感じています。

このままでは、小説を書く人口が減り、業界自体が縮小、死滅の一途を辿ってしまいます。

僕はそんな流れに抗いたい。

小説家には夢があって、書けば生活できる以上のお金がもらえて、好きなゲームもフィギュアも山ほど買える。

面白い作品を、自分を信じてただ書くだけで、お金を稼げる。

みんなから、たくさんの感想をもらえて、いろんな場所で話題に出してくれて……その対価として、大儲けできる!!

そんな職業のままでいてほしい!!

と思っています。

しかし、現状はそうはなっていません。

今のこの苦境を、どうすれば変えられるでしょうか。

いち個人の僕が止められるとは、もちろん思ってはいません。
ですが、『起死回生の第一歩になるかもしれない』、そんな『抗いの一手』を、僕は考えました。

その一手とは、

『アニメで世界へ!』大賞の開催です。

https://www.aniseka.com/



小説を原作としたアニメをつくることを前提とした文芸賞をつくる! です。

小説家の皆様が書き上げた最高の作品を、日本が誇るアニメをブースターにさせてもらって、より多くの人に広めていく。多くの人がその作品について賛否両論し、誰もが知る作品になる。
小説で作られる物語が源泉となって世界に羽ばたく。

小説家が生み出す作品で世間を賑わし、正のインパクトを与えること。
それが、これからの小説家の価値を向上させることの、僕ができるささやかな第一歩だと思っています。

これからも小説家が憧れの職業であるために。

この文芸賞を、本日からスタートさせます!!

詳細は、こちらをご覧ください!!
『アニメで世界へ!』小説大賞 開催します!!|三木一馬 (note.com)

面白い作品を書けば、アニメというブースターで世界に羽ばたき、たくさんの人に愛され、楽しんでもらえて、感想をたくさんもらえて……

そして、小説を書くこと以外のことを気にせずに、お金を稼ぐことができる!

小説家という仕事には、夢と希望がある!!

と、これからも思ってもらえる、大ヒット作を、この文芸賞から生み出したいと思います!!


自分を育ててくれた小説業界にできる、僕の最初の恩返し。

小説を愛し、小説を生業としようとしている皆様、ぜひ、ご応募ください。

本日から、スタートです。

ともに、最高の小説を生み出して、小説家のカッコよさを世に見せつけてやりましょう!

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コメント

4
成瀬川るるせ
成瀬川るるせ

文芸賞創設おめでとうございます!!
Xでなにか告知があるというポストをしていたのはこれだったのですね!!

この記事のタイトル、そして内容を読み進めているとき、「でも仕方ないよなぁ」と思い読んでいました。何故なら、憂うことや檄を飛ばす人はたくさんいても、具体案を出さないか、案を出すだけに留まる文章の人がほとんどだからです。
しかし、ここには、文芸賞という具体的な提示があり、錚々たる名前が並び、「始まり」がある。
この記事の着地点に驚いてしまいました。

さらには、「自分を育ててくれた小説業界にできる、僕の最初の恩返し」とあります。
最初の、と。
僕も傍観しているだけでなく、出来れば参加しながら、成り行きを見守りたいです。
応援しています!!

撐傘郵差
撐傘郵差

[消滅] [創造] [転生と再生]、これはお気に入りのクリエイターを守る/支えるものだと私は考えている!

1.[消滅]
生者であれ、死者であれ、超AIであれ、快楽には賞味期限がある。 もしクリエイターが死んでしまったら、【続編を見続けることはできるのか?](二次、創作)
それは確かだ。
もしそれが宇宙から消えてしまったら、[消滅]は[多様性]と呼ばれるラクダの背中を折る藁になるかもしれない。

2.[創造]
スーパーAiとクリエイター
[推理]:AGIの1000段階の思考連鎖推理はまだ検証待ちだが、複数の解答では決して十分ではない。 [続き]:創造主。 千年の願いを叶えるために、願いを繋ぎ、全ての世界を集めよう。
無限の未知は誘惑であり、私たちの感情の限界に直面したとき、私たちには常に操縦の余地がある。 理解することは、乗り越えるための出発点に過ぎない。

撐傘郵差
撐傘郵差

3.[転生と再生]
1.[輪廻]:訂正より間違いの方が多い、訂正を埋めると面白い嘘が見える、土(間違い)なくして化石は作れない→忘れることは再出発すること、覚えておいてください[土台は「帰る場所」]、遠い無がもうおぼろげでなくなるように。[毎回、新しい】
2.[新しい命]:見慣れた楽しさ、見慣れない楽しさ 未来への借り過ぎの呪縛(著作権、教材、権利侵害)、1つの首を切ればいくつもの首が生まれ、分岐点は新たな榾を送り出す-->反響は常に新たな興奮と空想を生み出す。 [新しい始まりを広げる】。

jene
jene

小説賞ひとつ新しくできたところで、結局金もらえるのは超すごい上澄みの数名だけで、落選する何千名ものほとんどの小説家はジリ貧のままじゃないですか…?


本音はこのnoteとは別にあるのかもしれないと感じました。

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編集者(エージェント)です。イラストは「はいむらきよたか」さん。(株)ストレートエッジ(http://straightedge.jp)所属。
苦境の小説家が、この先を生き抜くすべとは。|三木一馬
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