なぜテレビはスーパー「アキダイ」ばかり取材するのか…視聴者は知らない「日本一テレビに出るお店」の秘密
■旅館の女将が「ドラマのモデル」になったきっかけ 最後に、私が支援したある老舗旅館の女将に教えてもらった方法を紹介しましょう。私がお伝えしたPRのやり方を、女将ならではの方法で独自に発展させて、目覚ましい成果を上げています。 その方法は、取材を受けたら必ず、取材に来た記者や番組制作者とSNSでつながるようにする、というものです。そしてSNSを使って、定期的に情報提供します。 この方法であれば、プレスリリースの書き方を学ぶ必要はありません。メディアはプレスリリースを読みたいわけではなく、自分の番組や記事の材料となる情報を探しているだけです。メディアが欲しがる情報を提供できるルートがつくれるなら、プレスリリースにこだわる必要はないのです。 この方法で、旅館の女将は訪日観光客の増加など観光業界で何かあるたびに、取材されるようになりました。さらにコロナ禍を乗り越えた女将として、テレビドラマのモデルにまでなりました。 メディアに何度も出るようになって、今では業界団体や学校からの講演依頼も殺到するようになっています。さらに以前は採用への応募者を集めるのにも四苦八苦していたのですが、今では「女将と一緒に働きたい」と、全国から就職希望者が集まるようになっています。 この方法を、ある整体院の女性院長にも教えたところ、その方も同じようにテレビ取材の獲得に成功しています。 ただし、この方法を用いるには押し売りのようにならない会話術や、相手との距離感や状況を察する感性など、高いコミュニケーション能力が欠かせません。こうした能力がないのに表面的に真似をすると、逆効果となってしまうので注意が必要です。 ---------- 下矢 一良(しもや・いちろう) PR戦略コンサルタント、合同会社ストーリーマネジメント代表 早稲田大学大学院理工学研究科(物理学専攻)修了後、テレビ東京に入社。『ワールドビジネスサテライト』『ガイアの夜明け』をディレクターとして制作。その後、ソフトバンクに転職し、孫正義社長直轄の動画配信事業を担当。現在は独立し、中小企業やベンチャー企業を中心に広報PRを支援している。著書に『専門家のためのPR戦略』『タダで、何度でも、テレビに出る! 小さな会社のPR戦略』(同文舘出版)、『巻込み力』(Gakken)、『ずるいPR術』(すばる舎)がある。 ----------
PR戦略コンサルタント、合同会社ストーリーマネジメント代表 下矢 一良