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本部から支部への寄付も記載されていない…!

参政党も「現時点では訂正の必要ないと考えておりますが、今後の運用や指摘等を踏まえて、必要に応じて適切に判断して参ります」と逃げ道を用意する。実は参政党の説明通りだとしても、規正法上の問題があるのだ。

「約半年以上にわたりおカネを預かっていたとすれば、政党は借入金として記載すべきです。さらにそれを返金したのなら支出として記載する必要も当然ある。政治資金規制法違反(不記載)にあたる可能性があります。

前年度の繰越額が7000万円以上ある中で、預かり金が必要という説明自体も理解に苦しみます。政党側の『裏ガネ』をイ社に支払ったのではないかという疑念を払拭するためにも、参政党はイ社からの900万円の振込履歴を開示すべきです」(上脇氏)

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参政党本部から支部への寄付が、収支報告書上で記載されていない事例も存在した。'22年に参政党本部は山形支部に対して、10月17日付で20万6000円の支部交付金を支出している。しかし、支部の収支報告書にはそれが記載されていないのだ。

参政党本部に尋ねると、「交付金20万6000円は党費収入として誤記されており、現在、再修正手続き中です」と瑕疵を認めた。

「政治資金規正法違反(虚偽記入)に該当する恐れがあります」(前出・上脇氏)

躍進の陰で積み重ねた「綻び」は、大きな亀裂になりかねない―。

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かわの・よしのぶ/'91年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、『サンデー毎日』『週刊文春』の記者を経てフリーに。主に政治を取材している

「週刊現代」2025年08月04日号より

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