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電脳筆写『 心超臨界 』

強みは物理的な能力がもたらすものではない
それは不屈の信念がもたらすものである
( マハトマ・ガンディー )

読む年表 明治~戦後 《 治安維持法公布――渡部昇一 》

2025-06-18 | 04-歴史・文化・社会
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政府は大正14年、治安維持法を公布した。その主旨はあくまでも暴力行動を防ぐことにあった。それ以外の労働運動や社会運動まで取り締まることを考えていなかったことは、治安維持法と同時期に公布された普通選挙法に基づき、昭和3年(1928)に行われた最初の普通選挙で社会民衆党、労働農民党、日本労農党といった無産(むさん)政党が議席を獲得していることからも明らかであろう。


◆治安維持法公布

『読む年表 日本の歴史』
( 渡部昇一、ワック (2015/1/22)、p222 )

1925(大正14年) 治安維持法公布
「天皇制廃止」の暴力的イデオロギーに対抗した“悪法”の功罪

1922年(大正11年)、ソヴィエト社会主義共和国が成立し、ロシアにかわって、より恐るべきソ連が誕生した。同年、モスクワおよびペテルスブルクで第四回コミンテルン(ソ連共産党を中心に結成された国際組織)総会が開かれ、世界中から君主制を廃止するという決議がなされた。当然ながら、日本共産党も皇室廃止をめざすことになった。

この決議に対して当時の日本人は恐怖を抱いた。その5年前にソ連共産党はロマノフ王朝のニコライ2世夫妻をはじめ、王家の家族を皆殺しにして「君主制の廃止」を行っていたからだ。この「皇室廃止」のひと言で、日本共産党は大衆の支持を失い、実質上、消滅した。

これに対して、政府は大正14年、治安維持法を公布した。その主旨はあくまでも暴力行動を防ぐことにあった。それ以外の労働運動や社会運動まで取り締まることを考えていなかったことは、治安維持法と同時期に公布された普通選挙法に基づき、昭和3年(1928)に行われた最初の普通選挙で社会民衆党、労働農民党、日本労農党といった無産(むさん)政党が議席を獲得していることからも明らかであろう。

治安維持法によって無実の人まで逮捕・拘留されたのは、動かしがたい事実である。だが、隣国ソ連の暴力的イデオロギーやテロ思想に対して対抗措置をとった日本政府の立場は、今日から見ても理解できるものだし、未然に防いだという点については評価できるのではないか。さらに、この治安維持法によって死刑を宣告された共産党員は一人もいなかった。

治安維持法では天皇の名の下に取り調べが行われ、裁判を受けることができた。あくまで思想を捨てず、「非転向(ひてんこう)」を貫いたと自慢する共産党員がいるのも、実はそのためである。しかし、その人たちが信じる共産主義の国では、いったん逮捕されると裁判を受ける権利さえ許されず銃殺された人が無数にいる。日本でも、作家小林多喜二のように警察で拷問を受けて死んだ人がいたのは事実である。しかし、それは共産主義国家のように最初から取調べもせずに死刑にされたのとは意味が違う。転向や非転向というのは、命があってこそ成り立つ話なのである。

治安維持法を悪と決めつけるのはたやすい。特高(とっこう=特別高等警察)でさえも最初は反対した法律である。だが、そのような悪法がなぜ成立したかということをも、あわせて考えなければ、歴史から何の教訓も得られないのではないか。「治安維持法は民衆弾圧の道具」と強調されすぎたことによって、現代の政府や警察がマスコミなどを気にしすぎ、思想や宗教が絡む事件に対して非常に臆病になっているのも、治安維持法の“亡霊”に怯えているからではないかと思う。

これを「羹(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)を吹く」という。
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