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コートジボワール日誌

在コートジボワール大使・岡村善文・のブログです。
西アフリカの社会や文化を、外交官の生活の中から実況中継します。

学校給食と日本(2)

2008-11-19 | Weblog
「学校給食自給自足」事業の式典は、市内のホテルのホールで行われた。ブルレーヌ国民教育相が主賓、ゴシオPTA会長が事業の「名付け親」として列席した。このゴシオPTA会長は、コートジボワールの流通の要であるアビジャン自治港の公社長であり、与党の大物幹部である。彼のような重要人物と知己になるいい機会とばかり、挨拶を交わす。呼ばれれば、どのような会合であれ顔を出すと、必ず得るものがある。会場の正面に貴賓席があり、私は、ゴシオPTA会長と、この事業に今回賛助金を出したスポンサー企業社長との間に座る。

「全ての子供たちに一日一回温かい食事を。この標語のもとに、事業を続けてきて、今やこのように大きく拡大した。」
この事業を統括する、国民教育省の部局の女性局長である、ロアン局長が開会演説をする。
「私たちの考えは、女性の力で事業を永続的なものにしよう、ということであった。女性たちが組合をつくり、自分で食料を生産し、自分で現金収入を得る。その試みは定着し、学校給食が始まることによって、貧困が克服された。」

そして、とロアン局長は続ける。
「日本政府は、最初の頃に、コートジボワール南部の300ヶ所の女性組合に助成を行ってくれた。これがどれほど本質的な原動力になったか。この助成を手配してくれた日本大使館に、深く感謝したい。」
そういう話であったのか。感謝されれば、こちらとしても嬉しいものである。
「より高い目標にむけて、全国の学校給食組合が、その実績を競い合おうということになった。そして、本日これから授賞式を行う、ベスト学校給食組合コンクールが企画されたのである。」
ようやく今日の式典の意味がわかった。全国の学校給食組合の間で競われた、コンクールの授賞式だったのだ。

続いて、「名付け親」のゴシオPTA会長が、演台に招かれた。
「日本は、昔から教育に力を入れてきた国である。教育の力で、あのような大国になった。教育の重要性を知っている。だから、コートジボワールにも、教育の分野で協力してくれたのだ。」
私のするような演説。ゴシオPTA会長が、私のほうを見る。
「日本がこれまで差し伸べてくれた協力に、バグボ大統領も深く感謝している。ここに来る前にバグボ大統領と会った。大統領から、日本大使に対して感謝の意を伝えるように、言いつかった。」
当人の日本大使としては、かなり気持ちがいい。私は貴賓席から、承ったという風に手を振る。

最後に、主賓のブルレーヌ国民教育相が登壇。
「日本がコートジボワールの開発に、特別の関心を示してきたことを申し述べたい。」
と、いきなり日本が取り上げられた。
「日本大使がご着任になったことを、心から歓迎したい。日本は、学校の生徒たちがよりよく勉強できるようにと、様々な協力をしてくれた。バグボ大統領の名において、わがコートジボワールとの協力を、常に変わらず、実質を伴うかたちで進めてきてくれた日本に、特別の感謝の意を表明したい。」

国内の混乱があったため、日本からコートジボワールへの経済協力は、しばらくは頓挫しているというのが本当のところである。しかし、ブルレーヌ国民教育相は、日本の協力を繰り返し持ち上げてくれる。もう4~5年前、その時限りの協力案件なのだが、これだけ皆さんから感謝されるとは、ずいぶん有意義な支援だったわけだ。

ブルレーヌ国民教育相は続ける。
「日本大使にお願いしたい。さらに多くの子供たちが、しっかり勉学に取り組めるよう、特に北部と西部の地域において、一層の協力をお願いしたい。」
ああこうなったら、もう何でも私に言ってくれ、ひとつ私に任せてくれ、という気持ちになる。
そして、いよいよ授賞式。トップ・テンに入賞した学校給食組合の発表である。

(続く)

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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (地球)
2008-11-22 05:40:28
給食の中身も知りたい。
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