生活の立ち上げとともに、仕事も立ち上げる。まずは、大使館の館員一人一人から、ブリーフというのを受ける。業務の内容や、当面の要処理案件について、説明がある。大使館とは何をやっているところか、大使としてきちんと頭に入れておかなければならない。
大使館は我が国外交の出先、日本国政府の出張所である。現地において、政治や経済の情報を収集したり、二国間の諸懸案を処理したり、本省からの訓令を執行する仕事がある。また、貿易や投資などの民間企業に関する案件、援助などの経済協力の案件も、進めていかなければならない。これらの仕事のために、日頃から、コートジボワールの政府関係者や企業関係者、政財界の人たちとの付き合いを重ねておく。他の国の外交団とも、連絡をよくしておく。
広報活動も重要な課題である。コートジボワールの人々には、日本のことを正しく理解してもらい、より積極的な関心を持ってもらいたい。そのために、新聞記者に日頃から接触して、日本についての材料を提供しておく。積み重ねているうちに、日本のことを取り上げたいい記事が載ることになる。
一歩進めて、文化活動で日本を積極的に売り込む。日本の誇る文化を紹介していけば、コートジボワールの人々の中に、少しでも多くの日本のファンが増えるだろう。ここでは柔道や日本映画が、人々に受け入れやすいであろう。最近の若い世代には、漫画をきっかけにして、日本に関心をむける人々も多いようだ。
在留邦人の方々のための行政サービスもある。諸届けなどの日本における行政事務を、大使館で受け付ける。近々、衆議院選挙がありそうだ、と言われる。そうなれば、在外投票の準備が必要だ。また、在留邦人がコートジボワールとの関係で困ったときには、大使館が手伝うことになる。一番大変なのは、治安が悪化したとき。そういう事態が来ないことを祈りつつ、危機管理の備えを十分にしておかなければならない。
コートジボワールの人が日本に入国するには、査証を必要とする。日本に行こうという人々は、日・コートジボワール交流の重要な架け橋である。だから査証は出来るだけ迅速に、なるべく多くの人に出したい。その一方で、一人一人の申請書をきちんとチェックして、問題のある人に査証を発給してしまうことのないように、くれぐれも注意しなければならない。
コートジボワール大使館は、コートジボワールだけではなくて、ブルキナファソ、ベナン、トーゴ、ニジェールも管轄している。それぞれの国について、こうした政務、経済、経協、領事、文化広報の項目について、懸案の説明を受け、どう進めればいいかなどについて議論をする。
何より大切なのは、それらの仕事を進めていくにあたって、組織としての大使館が健全に運営されているかどうかである。適正な会計処理、大使館や大使公邸の維持管理、警備体制の確保、現地職員の給与手当や人事関連の業務、通信体制の整備、秘密保全の徹底、などなど。こうした点については、東京の本省の目が厳しいから、次から次へと調査や報告を求められる。
ブリーフを受けながら、これは大変だなと思う。大使館員は、私以外に日本人外交官のスタッフが9人ほど。私は中小企業、いや社員9人の個人企業の事業主みたいなものだ。営業も人事も経理も、すべてに目配りをしていかなければならない。組織の規模は小さくても、仕事の項目は大企業と同じだけある。書き込む数字は小さいながら、同じだけ帳簿がある。一人でもスタッフが倒れると、仕事が立ち往生する。厳しい生活環境の中で、誰もが健康を損なわず、仕事に精を出せるようにすること。それが私の一番重要な仕事かもしれない。
大使館は我が国外交の出先、日本国政府の出張所である。現地において、政治や経済の情報を収集したり、二国間の諸懸案を処理したり、本省からの訓令を執行する仕事がある。また、貿易や投資などの民間企業に関する案件、援助などの経済協力の案件も、進めていかなければならない。これらの仕事のために、日頃から、コートジボワールの政府関係者や企業関係者、政財界の人たちとの付き合いを重ねておく。他の国の外交団とも、連絡をよくしておく。
広報活動も重要な課題である。コートジボワールの人々には、日本のことを正しく理解してもらい、より積極的な関心を持ってもらいたい。そのために、新聞記者に日頃から接触して、日本についての材料を提供しておく。積み重ねているうちに、日本のことを取り上げたいい記事が載ることになる。
一歩進めて、文化活動で日本を積極的に売り込む。日本の誇る文化を紹介していけば、コートジボワールの人々の中に、少しでも多くの日本のファンが増えるだろう。ここでは柔道や日本映画が、人々に受け入れやすいであろう。最近の若い世代には、漫画をきっかけにして、日本に関心をむける人々も多いようだ。
在留邦人の方々のための行政サービスもある。諸届けなどの日本における行政事務を、大使館で受け付ける。近々、衆議院選挙がありそうだ、と言われる。そうなれば、在外投票の準備が必要だ。また、在留邦人がコートジボワールとの関係で困ったときには、大使館が手伝うことになる。一番大変なのは、治安が悪化したとき。そういう事態が来ないことを祈りつつ、危機管理の備えを十分にしておかなければならない。
コートジボワールの人が日本に入国するには、査証を必要とする。日本に行こうという人々は、日・コートジボワール交流の重要な架け橋である。だから査証は出来るだけ迅速に、なるべく多くの人に出したい。その一方で、一人一人の申請書をきちんとチェックして、問題のある人に査証を発給してしまうことのないように、くれぐれも注意しなければならない。
コートジボワール大使館は、コートジボワールだけではなくて、ブルキナファソ、ベナン、トーゴ、ニジェールも管轄している。それぞれの国について、こうした政務、経済、経協、領事、文化広報の項目について、懸案の説明を受け、どう進めればいいかなどについて議論をする。
何より大切なのは、それらの仕事を進めていくにあたって、組織としての大使館が健全に運営されているかどうかである。適正な会計処理、大使館や大使公邸の維持管理、警備体制の確保、現地職員の給与手当や人事関連の業務、通信体制の整備、秘密保全の徹底、などなど。こうした点については、東京の本省の目が厳しいから、次から次へと調査や報告を求められる。
ブリーフを受けながら、これは大変だなと思う。大使館員は、私以外に日本人外交官のスタッフが9人ほど。私は中小企業、いや社員9人の個人企業の事業主みたいなものだ。営業も人事も経理も、すべてに目配りをしていかなければならない。組織の規模は小さくても、仕事の項目は大企業と同じだけある。書き込む数字は小さいながら、同じだけ帳簿がある。一人でもスタッフが倒れると、仕事が立ち往生する。厳しい生活環境の中で、誰もが健康を損なわず、仕事に精を出せるようにすること。それが私の一番重要な仕事かもしれない。
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