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コートジボワール日誌

在コートジボワール大使・岡村善文・のブログです。
西アフリカの社会や文化を、外交官の生活の中から実況中継します。

外相と会う

2008-09-18 | Weblog
大使として派遣された外交官は、その国の元首から接受されてはじめて、正式にその国での外交活動を行えるようになる。接受されない限り、日本国と政府とを代表して行動することは出来ない。たとえば、仕事の必要があっても、関係の閣僚に会うことは出来ない。
接受というのは、派遣国の元首つまり我が国については天皇陛下からの信任状を、相手国の元首すなわちコートジボワール大統領に手渡す、信任状奉呈という儀式により執り行われる。信任状奉呈がいつ行われるか、これは相手国の元首の都合によるのであり、多くの場合数週間、場合によっては何ヶ月も待たされることがある。

だから、多くの新任大使同様、信任状奉呈がいつになるのだろうか、何をおいても気懸かりであったところ、コートジボワールの外務省から連絡があり、信任状の写しを受け取るので、外務省まで来いという。これは、信任状奉呈が、近々行われるという、いい兆候である。

早速、バカヨコ外相のもとに出向く。おそらくこれから何度も会って話をすることになる、コートジボワールの外相との、初めての会談である。
バカヨコ外相は、穏和な表情で迎えてくれた。コートジボワールの人々は大変幸せである、と彼は言う。やっと日本の大使が戻ってきたから。
そう、2004年の騒擾で、フランス人のみならず欧米の人々がこの国を逃げ出した。我が国も、商社を始め民間企業の人たちが既に事務所を縮小し、現地職員だけにしていたこともあり、大使館をパリに避難した。大使館は昨2007年9月に復帰したが、大使については、2006年4月に前任の大使が離任して以来、不在だったのだ。
バカヨコ外相は続ける。我々は貴国という友人の不在の辛さを味わった。昨年日本を訪問した時に麻生元外務大臣と会談し、また本年5月にTICADIVに出席した時に高村外務大臣と会談した際にも、大使を早期に任命してほしいと要請してきた。遂に本日貴使が着任され、大変喜ばしい。

私の赴任を歓迎してくれている。日本への期待感が、ひしひしと伝わる。日本の存在感は、この遠いアフリカにおいても大きいのだ。

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