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杏子
サミシサマシマシアイカラメマシニゲバスクナメドクセン - 杏子の小説 - pixiv
サミシサマシマシアイカラメマシニゲバスクナメドクセン - 杏子の小説 - pixiv
10,809文字
サミシサマシマシアイカラメマシニゲバスクナメドクセン
無事帰国!!うれしーなー。
今週もお疲れ様です、杏子です。寒いけどレッドブルは相変わらず飲んでますよー。
51968813,444
2023年11月25日 15:10

ト「ちょっと、寂しくなるなぁ。」

ファイン「うん。」

ファインとは、元々三年契約での付き合いだった。
一国の姫である以上、どれだけ日本が心地よくても、いずれはファインを待つ祖国に帰らなくてはいけない。

俺たちは空港の物販で、最後の言葉を交わす。

ト「風邪、引かないでな。」

ファイン「うん。」

人との別れの最後となると、心のどこかに穴が開く音がする。
ファインはどうかわからないが、俺は今、ゆっくりと穴が開き始めていた。

ト「……そうだ、これ。」

思い立ったようにそういうと、トレーナーは色あせたリュックから一体のぬいぐるみを取り出した。

ファイン「ぬいぐるみ?でもリボンが…」

ト「ちょっと見てて。」

そういってトレーナーは、ファインと手を重ねて巻き付いたリボンの端を一緒に掴むと、そのまま一緒にリボンを解いた。
すると、隠れた胸のあたりにカタカナで『ファインモーション』と縫われた横文字が現れた。

ファイン「わぁ…!!」

ト「これ、ホントはクリスマスに渡す予定にしてたんだ。でもその前に帰っちゃうから。」

ト「ホントは英語で縫ってもらおうと思ったんだ。でも日本に居たことを忘れてほしくないから、やっぱり敢えてカタカナにしたんだ。」

ト「もし向こうで寂しくなって、それでどうしても日本の事を思い出したら………」

ト「その時はこのぬいぐるみを取り出して、一晩一緒に寝てやってくれ。」

ファイン「!!………うん…………♡」

ファイン「…嬉しい…………。」

ファインはそういうと、ぬいぐるみを腕の中に入れて、

ファイン「うれしいなぁ……。」ギュウウウッ

思いっ切り抱きしめた。

ト「喜んでもらえて良かった……それで────」


SP隊長「────そろそろ、お時間が。」


しびれを切らしたのか、すかさず隊長がそう切り込んだ。

ファイン「な…貴様ぁ……!!」

SP隊長「しかしお嬢様……!!」

ファインは隊長を睨みつけ、眉間に皺をよせる。
なにせこれが本当に最後なのだ。一字一句聞き逃すことが許されない状況下で、
SP隊長はあろうことか言葉を遮ってしまったのだから。

ファインはもう一度最後の言葉を聞きたかったが、トレーナーは、

ト「いいよ、『ご両親によろしくな』って言いたかっただけだから。」

と、ファインにそう言った。

ファインは少し俯いてしまったが、
最後に後味の悪い別れになってはいけないと、トレーナーは終始穏やかな笑顔を絶やさなかった。


ト「……じゃあな、ファイン。」


募る話は、また今度でいい。
それが次会う時の理由になるし、なにより、これでファインと今生の別れという話でもないしな。

ファイン「…うん!!」

SP隊長「…………」

ト「SP隊長も、お体に気を付けて。」

SP隊長「!!…はい。」ビシッ

ファイン「トレーナーも、元気でね。」

ト「おう。」


ーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー

【数年後】

ピーッ。

ト「はーーーい。お前ら集合ーーっ!!」

トレーナーはホイッスルを口から離して、全体の生徒をこちらに手招きするように声を広げた。
すると、遠くの方で50人弱のウマ娘達がダダダダダとこちらの方に移動してくる。

そうして数分もすると、トレーナーの周りに集合した。
はぁ、はぁと聞こえる彼女たちの息遣い。
トレーナーはクーラーボックスを開け、一人一人手渡しでドリンクを渡していく。

彼女たちが上を向いている間に、トレーナーは目視で人数確認をする。

ト「誰も欠けてないな…。よし。」

そういうと、手元にある資料を一枚ペラりと捲り、顔を上げた。


ト「────んじゃ、次のメニュー行くか。」
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どの世界にも、『光と影』がある。
それにはここ、中央トレセンとて例外ではない。俺はそれをファインを通じて学んだ。

光には名が知れた名前と、優秀な成績が伴う。

影には…影には、光に遮られていてなにもない。
誰にも知られること無く、そのまま消えて行ってしまう。
陰とはまた違う、本当の影。

ファインの担当から離れて、今現在トレーナーが担当しているのは、
そんな影にさせまいと彼が請け負っている娘達なのだ。

ここに居る娘達の理由は様々。
単純に「模擬レースでスカウトされなかった娘」や、「怪我や素行でトレーナーが付かなかった娘」。
はたまた「途中編入でその期間だけここに居る娘」などなど。

とにかく。
ここでスピードを証明して、他所に買ってもらう。
その為の、いわば登竜門なのだ。
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ト「────じゃ、次は模擬レースな。先ずは短距離組…」

そういうと、集団の中からサッと何人かが一列に並ぶ。
もう慣れた事だ。
トレーナーはチラッとそれを見ると、「よーい。」の声で手を開き、数秒後に勢いよく叩いた。

ト「よし。今日はこれで終わり。」

夕焼けが空に広がる頃。
再度集合を掛けた後、泥だらけの彼女たちの前でトレーナーはそういった。
と、集団の中の誰かが一人、大きく声を上げる。

モブ「姿勢正して!!全員、礼ッ!!」


全員「ありがとうございましたああっ!!!!」


ト「はいお疲れ様。」

そういうと、先程の冷徹な顔とは打って変わって、表情が少し柔らかくなる。
生徒達は、この瞬間を待ってましたと言わんばかりに写真に収める。

その具合に思わず苦笑しながらも、
トレーナーは一人一人の娘達の頭を撫でていった。

ト「本当に皆んなよく頑張ったな。この後はゆっくり食べて、自由に休んでな。」

まだトレーナーが付いていない娘達には、トレーナーがくれるこの瞬間がご褒美。
その後少し談笑し、彼女たちは寮の方に戻っていった。


小さくなる背中たちを見送り、トレーナーはいつも通り片づけをしようと掃除道具に手を掛けると、ふと。
夕陽に伸びた一人の影が、トレーナーの方にまで伸びていた。


たづな「トレーナーさんっ!!」ダッ


わぁっ、と大きな声に、トレーナーの腰が思わず仰け反った。

ト「たづなさん!?お疲れ様です。」

たづな「はぁ!!はぁ、はぁ…。あ、あの………」

ト「ど、どうされたんですか?そんなに焦って……」

その場で両膝両肘を付き、口から「はぁ、はぁ」と涎を垂らすたづなさんに、トレーナーは背中をさすることしかできない。
たづなさんは「ごくん」と生唾を飲むと、息を切らしながらも口を開いた。

たづな「ゆ、URA……」

ト「え?」


たづな「URA本部から、『大至急こちらに』と………!!」

着なれないスーツを身にまとい、単身急いで本部に到着した時、外はもう真っ暗だった。
トレーナーは『会長室』と金文字で書かれたドアを三回ノックすると、勢いよくドアが開き、目の前には汗だくの会長がドアノブを握って立っていた。

そのまま奥の部屋に連れていかれると、よほどの緊急事態なのだろう。
茶菓子もないまま話が始まった。

URA「すまないな。本当なら紅茶でも嗜みながら、もっと落ち着いて君の話をしたかったのだが。」

ト「いえ!!問題ありません。」

トレーナーがそういうと、URA会長はホッとした顔を浮かべて話し出した。


URA「実は今回君を呼んだのは…君の前担当の『ファインモーション』の件についてなのだ。」


ト「ファイン、ですか?」

URA「そうだ。」

URA「君には今から、いくつかの質問をさせてもらう。」

URA「この質問には、我々の『今後』が掛かっている。そしてくれぐれも嘘偽りないように、装置も一応つけさせてもらう。」

ト「わ、わかりました。」

そういうと会長は、慣れた手つきでトレーナーの頭部と腕に装置を付け、
手元の資料を見て話を進めた。

URA「始めるぞ。」

URA「『君は今から6年前にファインモーションを担当に受け入れ、そして3年前に契約を満了としその後FAと出した』上記については間違いないな?」

ト「はい、間違いありません。」

URA「その後、君は日本に残り、アイルランドに行ったりもしていないな?」

ト「はい、それも間違いありません。」

URA「ファインモーションとの接触は?」

ト「?空港で別れてからは一度もありません。」

URA「…………男女の仲は?」

ト「ありません。もし仮にそうなら、私も同行していると思います。」

URA「……だろうなぁ……うむ…。」


URA「…………」


URA「そうか…………いや、それとしても周期が…………」

URA会長は「装置は外してくれて結構だ」と言い、トレーナーはゆっくりと装置を外す。
その間にも会長は資料を何回も何回も捲り、何回も何回も確認する。

ト「あの…ファインがどうかしたんですか?」

心配そうにトレーナーがそういうと、URA会長は少し咳ばらいをし、ゆっくりと口を開いた。

URA「昨夜、アイルランド側から一枚のファックスが送られてきた。」

URA「その内容がだな…………。」

ト「…………」ゴクリ

URA「………どうやらファインモーションが…」




URA「君の子を……孕んだと………」

サミシサマシマシアイカラメマシニゲバスクナメドクセン
無事帰国!!うれしーなー。
今週もお疲れ様です、杏子です。寒いけどレッドブルは相変わらず飲んでますよー。
51968813,444
2023年11月25日 15:10
杏子
コメント
勝ちまくりモテまくり
勝ちまくりモテまくり
んー性癖に刺さる!作者さんの書く癖が全て俺得すぎて辛い
6月20日
ああああああ
ああああああ
こんなんニゲバスクナメじゃねえよニゲバヌキだよ
3月16日
さんくす
さんくす
トレーナーの出汁にシオベースのタレ…いえ、なんでもございません。本当にすみません。
2024年5月5日

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