マンモス女子大、2年後の共学化に衝撃…武庫川女子大「存続を保証できず」壮絶サバイバル
大学側は7月8日、共学化方針の経緯について詳細をホームページに掲載。「4年後6年後に今の状態が維持できる保証はない。運営上の余力があるうちに共学化する道が最善と判断した」と強調した。在校生が卒業するまでは必要に応じて女性専用スペースなどを整備し「女子大としての環境を維持するよう最大限配慮する」と説明、不安払拭に努めるとしている。
大学側は28日の理事会で共学化の学部別の時期など詳細を最終決定する方針だ。
石渡さんは「大学は学生に経緯を説明し、心理的な不安を抱えているのであれば相談窓口を設置するなど対応が必要だ」とした。
■女子大サバイバルの未来は
令和8年度以降も武庫川女子大含めて複数の女子大が共学化や統合を予定している。石渡さんは、女子大の今後について、大きく数を減らすと指摘。その上で、①規模拡大・または大規模校として維持②共学化③規模縮小④募集停止⑤系列校と統合⑥他の学校法人が買収―の6パターンにわかれ、今後⑤、⑥が増えるとみる。
例えば、令和8年度に学習院大学と統合する学習院女子大は、統合計画が発表された後の6年度入試で志願者が千人以上増えた。石渡さんは「統合する系列校も規模拡大が可能となる。同様の動きは他にもあるだろう」と話した。
■反対署名5万超も
在学生の意見はさまざまだ。共学化で大学の名称は「武庫川大学」に変更される。社会情報学部2年の女子学生(19)は「大学名が変わるのが就職活動の時期と重なるので、不利にならないか心配」と「むこじょブランド」が失われることを嘆く。
食物栄養科学部4年の女子学生(21)は「女子大がよいと思って入学した子もいる。共学化は1年生が卒業してからのほうがいい」と話した。
一方、教育学部2年の女子学生(19)は「保育士になりたくて大学を選んだ。もともと女子大にこだわりはない」。生活環境学部1年の女子学生(18)は「世の中の流れでいつか共学化すると思っていた」と冷静だった。
6月17日に立ち上がった署名サイト「Change.org」では共学化の反対と一時停止を求めた署名活動を開始。主催者によると、約5万人の賛同を集め、大学側に署名を郵送したという。(浦柚月)