【帰ってきた!ダンカンが訪ねる 昭和の侍】大橋穣さん、王の120メートルフライを遊飛にしちゃった

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 昭和のプロ野球にはミステリーがあふれている。今回もそんなミステリーに出合ってしまったのです。

 枯れ葉を踏む靴音が冬の始まりを感じさせる東京・下井草。その閑静な町並みに、まるで現役時代のプレーさながらにセンスのいい建物。元阪急の名ショート、大橋穣さんの自宅をずうずうしく訪ねたのだ。

 --46年前、1972年の日本シリーズの後楽園球場で、王が打ったプロ野球史上最も大きい120メートルのショートフライ。大橋さんがセンターのフェンス手前で捕球したのを、当時中学生の俺は生で見ているんです

 「えっ! あれ見てるんだ!? それはビックリだけど、あれを捕球した僕は、あの時もっとビックリでした。まさか本当に来るかって(笑)」

 --いや、あのスペシャル王シフトで打ち取った西本(幸雄)阪急のデータ野球恐るべし、とうなったのを覚えてます!

 「いや、そうじゃないんだよね」

 --ええっ?

 「ミーティングでもあんなシフトは一切話に出なかったんですよ。もちろん、王さんは引っ張る打者だから野手が右に寄る、いわゆる王シフトは決まっていましたよ。しかし、まさかショートの僕がフェンスの前で守るなんて」

 --どういうことですか?

 「思いつきなんですよ! 当時のコーチだった上田さん(後に名将となる故上田利治氏)がベンチから『オイ! ペロ(大橋さんの愛称)下がれ! もっと! もっとや!!』。で、気付いたらあの位置ですよ! 球場全体がざわめくし…」

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