施設入所中に預金5600万円が消えた 浮上した職員と「引き出し」

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田中恭太
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 障害者施設の職員に勝手にキャッシュカードを使われて、5千万円以上を引き出された――。四肢が不自由な入所者の男性(70)が、施設の運営法人と元職員に計約6200万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。なぜトラブルは起きたのか。

当初は自ら金銭管理

 原告側や訴訟資料によると、原告の男性は生後まもなく脳性まひと診断され、四肢が不自由。実家で暮らしていたが、親の体調悪化などで2005年に東京都品川区内の施設に入った。

 男性は、介護タクシーを使えば自ら外出できた。キャッシュカードで現金を引き出して、衣服などの買い物をしたり、趣味の映画を見たりした。ネットショッピングも楽しむなど、自ら金銭を管理した。

 キャッシュカードは5枚持っており、施設の自室にある4段式の鍵付きの引き出しに保管していた。

5600万円の消失判明、そのからくりは……

 だが、16年ごろに体調が悪化。頼ったのが、共通の趣味もあり親しくなった男性職員だった。カードを渡し、月1回ほど最大15万円の出金を頼むことがあったという。

 21年、男性が一時入院した…

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この記事を書いた人
田中恭太
ニューヨーク支局
専門・関心分野
国連、米国社会、国際情勢、裁判、独占禁止法