名古屋市汚職事件、贈賄側が起訴内容を認める 名古屋地裁で初公判

石垣明真
[PR]

 名古屋市の観光プロモーション事業をめぐる汚職事件で、元市担当課長への贈賄罪に問われた会社役員、桑原清美被告(54)=同市西区=の初公判が24日、名古屋地裁(森島聡裁判官)であった。桑原被告は「大丈夫です」と述べ、起訴内容を認めた。

 検察側の冒頭陳述によると、桑原被告は広告会社「ニック」(同市)の取締役として営業などを統括。名古屋市観光交流部担当課長などを務めていた大塚勝樹被告(62)=収賄罪で起訴=とは、知人を介して知り合った。22年にあった観光イベント関連の業務委託を契機に関係が深まり、大塚被告が業務外で使った金銭を同社側で負担するようになったという。

 桑原被告は、大塚被告から出張先の宿泊費や飲食代、タクシー代などの領収書を受け取り、その分の現金を封筒に入れて渡していた。市の職員を介して渡すこともあったという。検察側は大塚被告の指示のもと、ニック社が費用を水増しした請求書を市に提出していたことも明らかにした。

 起訴状などによると、桑原被告は2023年3月~24年12月、市発注の観光プロモーション事業の業務委託で、同社が選ばれるよう便宜を図ってもらうなどの見返りに、大塚被告に対し、11回にわたり、現金を渡したり、飲食代金を負担したりして計約43万円の賄賂を提供したとされる。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません