いじめで小学3年男児が校舎4階から飛び降り未遂 学校側は「その場限りの表面的な対応」

福岡市の市立小学校で令和5年、当時小学3年の男子児童が複数の同級生から暴言などのいじめを受け、校舎4階の教室の窓から飛び降りかける事案があったことが25日、分かった。市教育委員会は「いじめ重大事態」と認定し、同日、第三者委員会による調査報告書を公表。男児は心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、一時不登校となった。

調査報告書によると、男児は5年4月~10月下旬にかけ、複数の同級生から「死ね」「きもい」といった暴言や、頰をたたかれるなどのいじめを受けた。5月~6月ごろには約10回連続で「死ね」と言われたことをきっかけに、窓から飛び降りようと試みたが、他の児童に止められたという。

この間、学校側は一部の事案を把握していたにもかかわらず、いじめとしての対応を行わず、男児へのケアも怠った。報告書は、教員らが「いじめの定義を正しく理解していなかった」と強調。加害行為を確認した際も加害児童に謝罪を促すだけで「その場限りの表面的な対応を繰り返した」と断じた。市教委は「報告書の提言を真摯に受け止め、同様の事案を起こさないよう対応していく」とコメントした。

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