遺族年金を「5年」で打ち切りにする法案が出ていると聞きました。可決された場合、専業主婦の私にはどう影響しますか?
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2028年4月より、遺族厚生年金が変わる予定です。「遺族年金が5年で打ち切られてしまう」と不安になる方もいらっしゃることでしょう。 本記事では、「遺族年金はどう変わるのか?」「専業主婦の方にはどう影響するのか?」について解説します。夫が亡くなったときだけでなく妻が亡くなったときの遺族厚生年金についても解説していますので、ぜひ最後までお読みください。 ▼年金「月15万円」を受け取っていた夫が死亡。妻は「遺族年金」をいくら受け取れる?
遺族年金はどう変わるのか?
今度の改正でポイントになるのは、遺族年金のうちの「遺族厚生年金」であり、その趣旨は「男女差の解消」です。現行制度では、「子のない配偶者」も受給対象者になり得ますが、「配偶者」が「妻」であるか「夫」であるかによって、扱いが異なります。 現行制度における「子のない妻」と「子のない夫」の具体的な違いは、以下のとおりです。 ●「子のない30歳未満の妻」の場合、5年間のみ受給できる ●「子のない30歳以上の妻」の場合、無期限で受給できる ●「子のない55歳未満の夫」の場合、受給できない ●「子のない55歳以上の夫」の場合、60歳以降に無期限で受給できる この違いが、改正により以下のように変更されます。 ●「子のない60歳未満の妻・夫」の場合、原則5年間のみ受給できる(※) ●「子のない60歳以上の妻・夫」の場合、無期限で受給できる ※配慮が必要な場合は、5年目以降も給付が継続される場合がある なお、上記以外の変更点として、(1)有期給付の収入要件(年収850万円未満)の廃止、(2)年金額の増額があります。これらの変更は、収入要件が廃止されることによってこれまで受給できなかった方が年金を受給できるようになったり、受給できる年金額が増額したりと、多くの方の家計に影響を与えるのではないかと思われます。
専業主婦の方にはどう影響するのか?
変更点については前章に記載したとおりですが、これを「誰にどのような影響があるのか」という視点でまとめると、以下のとおりです。 ●「子のない30歳未満の妻」の場合、改正による影響はない(5年の有期受給)。ただし、配慮が必要な場合は、5年目以降も受給が継続できるようになる。 ●「子のない30歳以上60歳未満の妻」の場合、改正により「無期限受給」から「5年の有期受給」に変わる。ただし、配慮が必要な場合は、5年目以降も受給が継続できるようになる。 ●「子のない60歳以上の妻」の場合、改正による影響はない(無期限受給)。 ●「子のない55歳未満の夫」の場合、改正により「受給なし」から「5年の有期受給」に変わる。配慮が必要な場合は、5年目以降も受給が継続できるようになる。 ●「子のない55歳以上60歳未満の夫」の場合、改正により「受給なし(受給権あり)」から「5年の有期受給」に変わる。配慮が必要な場合は、5年目以降も受給が継続できるようになる。 ●「子のない60歳以上の夫」の場合、改正による影響はない(無期限受給)。 ご相談内容(タイトル)にある「専業主婦の私にはどう影響しますか?」については、「夫と死別」したときの「子の有無」や「ご自身の年齢」により、以下のようにいうことができます。 ●子がいる:影響を受けない ●子がいない・30歳未満:影響を受けない ●子がいない・30歳以上60歳未満:「無期限受給」から「5年の有期受給」に変わる ●子がいない・60歳以上:影響を受けない ただし、この改正は2028年4月から実施されるものの、女性は20年かけて段階的に実施されることになっており、「2028年度末時点で40歳以上になる女性(子のない妻)も改正による影響を受けない(無期限受給のまま)」とされています。
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