「…担当者が来るまでお待ちください」と言われ、ロビーのソファに腰を下ろして待った。すると、15分ほどして廊下の奥から、キャリーバックを引いた女性が現れた。スタッフが頭をしきりに下げており、望月記者らしいことが分かった。
あいさつを兼ねて、名刺交換をしようと思ったが、2〜3分ほどスタッフと話をすると、すぐに会場に入ってしまったので、「講演を聞いた後にチャンスはあるだろう…」と、再び開演を待つことにした。
それから5分ほどして、主催者である県平和運動センターの有田純也事務局長が現れた。席には着かず、最後方のスペースで、立って取材をするなら許可する、と伝えられた。写真撮影についても許可をもらい、ようやく会場に入ることができた。
会場内は年配層が多く、若い人は少ない印象だったが、望月記者の講演とあってか席はほぼ埋まりかけていた。指定された後方のスペースに荷物を置き、一息ついてから記者はトイレに行った。手を拭きつつ会場の入り口に戻ったときだった。事務局長の有田氏から言われたのだ。「やっぱり産経さんはお引き取りください」と。開演まで、あと10分だった。