シンデレラ「王子様、この世で1番美しいのは誰?返事はいらないわ、聞かなくても分かるから。」
「お!!出たー!!」
ガチャから出たシンデレラは今までにないほど僕の心を掴んで離さなかった。まるで一目惚れと同じ様に陥った僕は直ぐにレベル上げ素材、装備、キューブ、全てを注ぎ込み編成入れ使った。
「今月の分はまだある…!」
高校生ながらバイトで稼いだお金を使いシンデレラのスキンも買ったのだった。
シンデレラ「美しいプレゼントだわ。ありがとう。」
面談も毎日欠かさずやり好感度もMAXまで直ぐに上げた。
日中は学校で勉強し終われば直ぐに帰宅しメガニケを開きシンデレラを使ってストーリー進行、周回、面談などをする毎日。何度も同じ繰り返しになってはいるがそれでも僕にはとても充実した楽しみだった。
シンデレラ「王子様はどんどん美しくなっていくね。素敵よ。」
画面に写る彼女を見つめ溜め息を漏らす。あぁ、もしも此処に実際にいたらいいのにな。とそんな想像をしながらスマホを操作した。
「ふぁあ〜…眠くなってきたな…明日も学校あるし寝ないと…」
体を伸ばしスマホを閉じ充電器に挿して僕は寝た。
シンデレラ「もっと美しいお顔を見せてください。私の可愛い王子様。」
朝、目が覚めるとスマホが手元にあった。
「あれ?スマホ持ったまま寝落ちしたのかな?」
そんなことを考えつつ学校に行く為制服に着替え学校へ向かった。学校に着くと僕はスマホを取り出し電源を切った。
自分の学校は帰りのSHRが終わるまではスマホの電源を切らないといけない。見つかれば没収されてしまう。
シンデレラ「王子様と会えなくて寂しいです…」
授業中に僕のポッケに入れていたスマホからメガニケが起動する音が鳴った。
「え?何で…切ったはずなのに……」
慌ててスマホの電源を切るが時すでに遅く先生に没収されてしまった。
「はぁ〜…だるすぎる〜…」
やっと授業が終わり放課後になった。僕は急いでスマホを返してもらいに職員室に向かった。
「失礼します。雖後先生いますか?」
スマホを没収した先生が放課後来いと言っていたのに職員室はがらんとし誰もいなかった。
「誰もいないな…とりあえず先生のデスクからスマホ持ってけないかな。」
先生のデスクに向かうとデスクの中心にポツンとスマホの画面がついたまま置かれていた。
スマホを手に取り画面を見るとメガニケが起動されておりシンデレラが写っていた。
「何でだ?まあきっとタブ消してなかったから何かの拍子に開いたのかな?」
スマホをポッケにしまい帰路についた。
その日もまたいつものようにタスクをこなし眠りについた。
時は流れ僕の学校ではテスト期間に入った。しかし僕は中々スマホから手を離すことが出来なかった。
「テスト期間なのにゲームやめられないんだがwww」
母「あんたゲームばっかりで勉強しなさいよ。テスト期間入ったんだからスマホ禁止よ。あんたただでさえ成績悪いんだから他の倍頑張らないとダメなんだよ?」
「はーい…わかったよ…」
スマホを親に渡し自分は机に向かった。
そして僕はひたすらに勉強をした。偶にサボって漫画を読んだりもしつつテストが終わるまで何とか乗り切ろうとした。
「はぁ〜、疲れた〜…」
ふと時計を見ると時間は深夜の一時を指していた。
喉が渇いたので冷蔵庫から飲み物を取りに行こうと椅子から立つと下の階から聞き慣れない鈍い音が聞こえた。
下に降り居間の扉を開くと暗くて何か見えないが白い人?のようなものが立っていた。
手探りで部屋の明かりを付けるとそこに立っていたのは何度も見たことある人物だった。
シンデレラ「あら♡王子様♡」
シンデレラは僕に気づくと近づき手を取り微笑んだ。
「……え…?」
目の前で起きたことが理解できず言葉を失った。明かりを付けるまで気づかなかったがさっきまでシンデレラが立っていた足下には変わり果てた最早人とは言えないほどぐちゃぐちゃになった母だったものが落ちていた。
なぜそれが母だと分かったのかというとそれの近くに母が着ていた服の切れ端が落ちていたことから自然と認識してしまった。
シンデレラ「すみません…我慢が出来ず王子様に会いたくてきてしまいました。でも無事に会えて良かったです♡」
恐怖と理解出来ない事で強張り硬直した僕の身体をシンデレラは抱きしめ背中を撫でた。
シンデレラ「あれは王子様と私を引き離す汚いものです。汚いものは私たちには不必要なものです。だから王子様の為に消しました♡」
僕は膝から崩れ落ち腰を抜かした。目から涙が溢れ口からは小さくお母さんと消えそうな声が漏れた。
シンデレラ「そんなお顔にならないでください。強張った王子様も素敵で我慢できなくなりそうです。」
血で汚れた手でシンデレラは僕の頬に触れくすりと笑った。
シンデレラ「さあ私と一緒に行きましょう。王子様から頂いた私への愛情を次は私が王子様に返す番です。貰った以上にお返しします。」
放心状態で動けない僕を抱き上げ何処かへ消えた。
後に家に帰ってきた父が惨劇を目の当たりにし即通報された。警察の捜索が入り何か分からないほどぐちゃぐちゃになったものは周りに付着した血痕から妻のものだと判明、そして息子はこつりと消え手がかりは掴めず未解決事件となった。事件捜索中見つかったのは息子のスマホで画面にテキストだけ写り落ちていた。
「私だけの美しく可愛い王子様♡」
前回の作品は別のシリーズに出来るように書いてます。
コメント下さった皆様いつもありがとうございます!
モチベになってます!