参院選の与党大敗を受け石破茂首相の退陣が不可避の情勢の中、首相が終戦の日の8月15日まで在職するかどうかが注目される。首相は戦後80年の節目に先の大戦に関する「見解」の発出を検討しているが、32年前には政権陥落が決まりレームダック(死に体)となっていた宮沢喜一政権の河野洋平官房長官が慰安婦募集の強制性を認める「河野談話」を発出し、今も禍根を残している。
首相は「見解」について、歴代内閣の歴史認識を踏襲しつつ、戦前の旧日本軍に対する文民統制(シビリアンコントロール)の実態を検証することを焦点とし、閣議決定による「首相談話」とはしない方針だ。ただ、首相は参院選大敗を受けて8月末までに進退を表明するとみられ、当初検討した有識者会議の設置の動きも見られない。
先の大戦に関する首相の動きは、平成5年の状況と似ている。