ロシアによる侵略を受けるウクライナが、開催中の大阪・関西万博で8月5日に予定される同国の「ナショナルデー」の式典に、ゼレンスキー大統領の妻、オレナ夫人を出席させる方針を固めたことが24日、分かった。7月に就任したばかりのスビリデンコ首相も同行する。複数の同国政府関係者らが明かした。当初はゼレンスキー大統領の訪日が検討されたが、ロシアによる攻撃が激化している状況などを踏まえて見送られた。
オレナ氏はファーストレディーとして、ウクライナの現状を国際社会に伝える活動を活発に展開している。スビリデンコ氏は第1副首相兼経済相時代に、難航した米国との資源協定の交渉で中心的な役割を果たし、まとめあげた実績がある。
両氏は人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)の万博会場での式典のほか、8月4日に東京都内で開催されるウクライナ支援についての経済フォーラムにも出席する予定。ロシアによる侵略が始まってから3年以上が経過する中、万博での訪日をきっかけに国際社会に対して平和の重要性や支援の継続を訴える構えだ。
万博でウクライナは、戦時下の人々の生活の現状をIT技術で知ることができるパビリオンを、日本政府の全面的な支援で出展している。一方のロシアはパビリオンを出展していない。(黒川信雄)