1.予想通りのTBS「報道特集」

 

26日のTBS「報道特集」はお粗末な内容だった。

 

石橋学という神奈川新聞の記者が参政党の記者会見会場から排除されたのを「権力の暴走」として描きたかったようだ。

 

 

 

でも、不発だった。

 

石橋学記者を排除した理由にについて参政党はこういうお知らせをアップした。

 

令和7年7月22日の定例記者会見で、神奈川新聞・石橋学記者の入場をお断りした件についてご説明します。

同記者は、7月20日に投開票された第27回参議院選挙の選挙期間中、「しばき隊」と呼ばれる団体と行動を共にし、本党の街頭演説で大声による誹謗中傷などの妨害行為に関与していたことが確認されています。本党としても、これまで報道倫理に違反する妨害行為への対応を行ってまいりました。
なお、報道機関の皆様におきましては、このような取材に名を借りた妨害行為に加担する報道倫理違反の行為を、報道業界として是正して下さるよう強くお願い申し上げます。

こうした経緯から、今回の会見でも混乱が生じるおそれがあると判断し、主催者として入場をお断りしました。記者会見は、本党の考えや立場を広く伝えるための大切な場であり、妨害や混乱があっては本来の目的を果たせません。

 

 

 

これに対して神奈川新聞も声明を出した。

 

 同党が改めて示した排除に対する説明は「選挙期間中、『しばき隊』と呼ばれる団体と行動を共にし、本党の街頭演説で大声による誹謗(ひぼう)中傷などの妨害行為に関与していたことが確認」されたとしていますが、明らかな事実の誤りに基づく指摘で、到底容認できません。

 街頭演説の場で記者が取材の一環で行ったのは、「外国人は優遇されている」など事実と異なり外国人差別につながる候補者の主張に対する指摘と反論です。野放図に差別発言が流布されることにあらがう行為は誹謗中傷ではなく、ましてや選挙の妨害行為でもありません。

 現場には、同様の問題意識を持って駆けつけた有権者が、同じように差別発言に抗議の声を上げていました。また「しばき隊」という団体は存在せず、人々を「暴力的な集団」とみなして攻撃するための「ネットスラング」です。公党が市民に対して使うことに強い違和感を覚えます。

 

 

 

要するに参政党は、石橋学記者が、参議院選挙の選挙期間中、「しばき隊」と呼ばれる団体と行動を共にし、本党の街頭演説で大声による誹謗中傷などの妨害行為に関与していたことが確認されたので、取材に名を借りた妨害行為に加担する報道倫理違反の行為は許しがたいということだ。

 

それに対して、神奈川新聞は「明らかな事実の誤りに基づく指摘で、到底容認できません」としているが、同じ文書で「街頭演説の場で記者が取材の一環で行ったのは、「外国人は優遇されている」など事実と異なり外国人差別につながる候補者の主張に対する指摘と反論です。野放図に差別発言が流布されることにあらがう行為は誹謗中傷ではなく、ましてや選挙の妨害行為でもありません。」と言っている。

驚いたことに石橋学記者が取材ではなく、参政党に向かって声を上げていた事実を認めているのだ。そして「現場には、同様の問題意識を持って駆けつけた有権者が、同じように差別発言に抗議の声を上げていました。」と集団のなかに混じっていたことも認めている。

その上で、「「しばき隊」という団体は存在せず、人々を「暴力的な集団」とみなして攻撃するための「ネットスラング」です。公党が市民に対して使うことに強い違和感を覚えます。」としている。

 

ん?

「しばき隊」ってネットスラングなのか?

 

 

2.石橋学記者ももう立派な広義の「しばき隊」

 

確かにしばき隊は解散したことになっている。

そして、その後継組織がC.R.A.C.であると野間易通氏は言っている。

野間易通氏は『「在日特権」の虚構』を書いて一躍有名になったもとしばき隊の会長となり活躍していた。

 

 

 

 

この本は桜井誠などの在特会が在日特権と呼んでいたデマをひとつひとつ論理的に反論している。

ヘイトスピーチの根拠を潰すということからも意義ある出版だったとパトラとソクラも思う。

 

最初、野間氏はまじめに在特会と対峙していたのだ。

 

しばき隊と呼ばれた「レイシストをしばき隊」は、2010年頃から在日特権を許さない市民の会(在特会)などへ対抗する「カウンターデモ」に参加していた。

 

団体側の見解によると、2013年1月12日に「在特狩り行きたいな」と野間氏がツイートしたことからを結成され、同団体が「レイシスト」と見なした在特会に対して初めてのカウンターデモを2013年2月9日に行ったとしている。

またその後、しばき隊が「ファシスト」と位置付けた安倍政権に対する糾弾活動も行われた。

元メンバーで組織のご意見番だった清義明によると、もともと「(しばき隊は)社会運動の体裁を整えられるような集団」ではなく、「もともとネットのチンピラなんだから、チンピラなりの分をわきまえるべきだ」としばき隊メンバーらを批判していた。

菅野完も元々女性関係に悪評があった組織内の「チンピラ」の一人だったが、しばき隊加入後にエスカレートして運動内部で問題化、運動の活動費用の金銭問題で追放された。

「しばき隊」は2014年9月30日付で発展的解散し、翌日である10月1日に後継団体となる「C.R.A.C.」が結成されている。

C.R.A.C.公式によると、同組織は「いわゆるしばき隊、プラカ隊、署名隊その他が渾然一体となったもの」で「これまでさまざまな形態のカウンター・アクションを呼びかけていた人たちが、そのまま引き続き」「行動を呼びかけ」る「プラットフォーム」と説明されている。構成員と非構成員の境界が明確でないため、関係している人物は関与の程度を問わず、「しばき隊界隈」と総称されることも多い。

 

 

 

神奈川新聞は「「しばき隊」という団体は存在せず、人々を「暴力的な集団」とみなして攻撃するための「ネットスラング」」だと言う。

しばき隊は本当に存在しないのだろうか?

 

野間氏は昨日、SNSにこう書き込んでいる。

 

 

 

これはちょっとトリッキーなコメントなので説明が必要だろう。

 

しばき隊はリンチ事件などを含めこれまで複数の裁判を提訴されている。

 

被害者M 対 野間易通
しばき隊会長野間易通が、被害者Mに対して、「おいM。おまえリンチされたって言ってるんだけど、ほんとうなの?」、「日本人として腹を切れ」などとTwitterでツイートした言動について、Mが損害賠償を請求し、野間がMに10万円を支払うという判決が下っている。

被害者M 対 しばき隊
Mが、李信恵を含むしばき隊構成員5名に対し、治療費や慰謝料などの損害賠償を請求した裁判では、大阪地裁は3人の被告に約80万円の支払いを命じたが、大阪高裁は支払額を約115万円に引き上げた。ただし、地裁も高裁も李信恵への請求は棄却している。

鹿砦社 対 李信恵
鹿砦社が李信恵の中傷に対して損害賠償裁判を提訴し、李は10万円の支払いを大阪地裁に命じられた。

これに対して、李は鹿砦社に対して反訴し、高裁で鹿砦社に110万円を支払う判決が出た。判決文にて、李がMが暴行により負傷していることを認識した上で、警察や医者へ連絡することもなく、負傷したMを放置して立ち去っていることが認められた。これらに対して、鹿砦社は、大阪高裁が、李の「粗暴で凶悪な犯罪者であるとの印象を与え」たと判断し「道義的責任」を認めたと述べている。

鹿砦社 対 しばき隊構成員であることが発覚した元従業員F
鹿砦社の元社員・Fがしばき隊構成員であったことが発覚し、調査の結果、勤務中に鹿砦社の社長の松岡を揶揄する内容を含む1万8535回ものツイートを投稿したり、鹿砦社が圧力団体であるかのような誤解を招きかねない「取材申し込みのメール」を複数の機関に勝手に送付するなどの行為をしていたため、鹿砦社が従業員Fへ損害賠償を請求した。それに対し、しばき隊メンバー元従業員Fが、ネット上発信や書籍などで名誉を毀損されたとして鹿砦社へ反訴し、大阪地裁はFの反訴を認めて11万円の支払いを命じ、鹿砦社は控訴したが棄却された。

鹿砦社会長と森奈津子 対 しばき隊
2024年、鹿砦社と、事件を取材している森奈津子に対し、エルネスト金こと金良平のプライバシーを侵害したなどの理由で、しばき隊構成員数名が損害賠償を請求している。

 

 

 

森奈津子が杉田水脈や参政党と同じく誰でも勝手にしばき隊認定して攻撃するので、ならばと「レイシストをしばき隊」後継組織であるC.R.A.C. が森奈津子を正式に「しばき隊」認定したものである。これがオフィシャル。

 

これは、森奈津子というライターが野間易通氏の関係者などを勝手に「しばき隊」と認定するので、本家しばき隊の会長だった野間氏が森奈津子氏を「しばき隊」認定することも可能だというロジックだ。

 

ちょっとわかりにくい。

 

しばき隊について定義を整理してくれている人もいる。

 

 

 

ここで言われている4つの定義を簡単にいうと、

 

①2013年頃活躍していたオリジナルしばき隊

 

②C.R.A.C(しばき隊後継団体)

 

③C.R.A.Cを中心とした相互に人間関係のある反差別集団としてのしばき隊

C.R.A.C拡大期に起きた濃密な人間関係を原因とするリンチ、不倫、セクハラ、横領など様々な不祥事(F-secure事件、しばき隊リンチ事件、菅野完横領事件、大和証券事件、新潟日報報道部長事件など)を組織的に隠蔽したり擁護したり被害者を攻撃したりした共同体意識をもった集団

 

④相互に人間関係のない野良カウンターを含んだしばき隊
現在よく使われる「しばき隊」はこれで、相互に人間関係のない一見さんも含んだ流動的政治運動体。

斎藤兵庫県知事の再選あたりから参加している元フジッコ社員の難波文男、元落語家の剽軽奈乙燦(ひょうきんなおっさん)、共産党員の鍋倉雅之などもこの部類だといえる。

本人たちはメンバーではないと言うだろうが、社会学者や公安庁が行動分析をすると同じ集団と言うことになるだろう。

 

実は④のしばき隊が問題なのだ。

 

 

 

 

鍋倉雅之氏は、「ごちゃごちゃ言ったやつは街頭に立て!」と言っている。

このフレーズはC.R.A.C.の野間易通氏が好んで使う。

「お前らは一度でも街頭でカウンターをやったことがあるのか」「差別の言葉を防いだことがあるのか」

など。

 

このあたりから気を許していると「目には目を」のハムラビ法典の世界に引き込まれる。

そしてミイラ取りがミイラになっている。

ヘイトのゾンビを反ヘイトで退治している間に、いつの間にか、自分がゾンビになっているのだ。

 

公職選挙法という法を犯しても気がつかない。

気がついても自分の正義で正当化してしまう。

 

 

 

そして、今回の選挙結果とも関係するが、ライターの森奈津子氏は昨日このようにSNSに書き込んでいる。

 

 

 

 

立憲民主党や社民党、共産党の議員が利用し、議員もこの集団に利用されている関係にある。

そのことが何に影響するかこれまではよくわからなかったが、今回の参政党の躍進、日本共産党の大敗でわかった。

 

市民や有権者は集団ヤジ、中傷プラカードによる選挙妨害についてはNO!と思っていたのだ。

参政党であれ選挙の演説を妨害するのは公職選挙法違反になることを許さないのだ。

 

田山たかし氏の定義だと、石橋学記者もまた「しばき隊」ということになる。

ネット上のスラングなのか社会現象としての集団の定義なのか、まだ定まっていないのかもしれない。

 

しかし、記者が選挙妨害する市民といっしょになって候補者にヤジを飛ばすのはそれがたとえ「事実の誤り」であっても職業倫理上許されることではない。

 

記者は何のために文章で表現するメディアを利用できるのか?

石橋学記者は一線を越えて、反ヘイトのゾンビになっているのだ。

 

もう一度、神奈川新聞とTBS「報道特集」は反省して出直してほしい。

 

なお、民法上は施設管理権により、記者会見を妨害する可能性があると認めるなど正当な理由があれば、参政党は誰でも会場から排除できることも付け加えておく。

 

その法律上の検討も「報道特集」では欠けていた。
 

反ヘイトのゾンビ、増殖中です!

 

 

 

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